表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルクソール・オンライン  作者: ルク穴禁
第10章(テラフォーミング)
55/91

055(ブラックボックス)

ーーアールだけ帝釈天アールタイプの船長室に戻ってきた。アールは一旦お役御免。インストールされた輪島八式が動けないほど壊れたからだ。他の船員は調査作業に当たっていた。モコロが神の姿で、アールを労いに来た。


「お疲れ~、稲葉アール。随分と激闘を繰り広げたのう」

「軽い! もっと気持ちを込めてくれ」

「済まん済まん。ワシもバージョンアップするかのう」

「スマートモンキーみたいにか? そういや、他のSNS案内AIは?」

「眠っておる。またライガー等が現れたら起きてもらうのじゃ」

「ライガーの事をすっかり忘れてた。まだクラッキング、サイバー攻撃を食らう可能性があるのか」

「そうじゃ。54ヶ国も任務に就いてるのだから仲が悪い国もあるじゃろう。現にフランスのエッフェルや我が船で牽引してるエンツォ・フェラーリも仲が悪いしな」

「あ、エッフェルは助けられたの?」

「イギリスの宇宙船、グレートブリテンが牽引しとるよ」

「良かった」

「まあ、イギリスとフランスも仲が悪いがの」

「ガンマスF1のウエストフィールドはどうなった?」

「他に敵が居ないか哨戒任務に当たっておる。広大な土地じゃ。他にも高等生物が居ても不思議ではない」

「また戦うのか…………」

「ジョージに呼び出されたらな」

「それまで俺は何をすればいい?」

「船内の監視でもするんじゃな。杉山のようなはみ出し者が船員に混じっておるし」

「じゃあ、ちょっくら見渡してくるよ」

「いってら~」


アールは監視カメラを伝い、幽霊の様に動く。取り敢えず船尾へ行き、エンツォ・フェラーリの様子を見る。ちゃんと牽引出来てる。次に食料庫を見る。フリーズドライにされた肉や魚、野菜などが大量に積まれてる。水もたくさんある。船室の様子を見に行くと、船員同士で胸ぐらを掴み合い、言い争いをしていた。どうやら一人の男が経口ゼリーを吐き戻して別の男の服にかかってしまったようだ。


「ふざけんなよ、てめー!」

「わざとじゃないだろ!」


アールは音声で止めに入る。


「そこまで! 船長命令で留置場に閉じ込めるぞ」

「「ぐう…………」」

「ケンカをするなら宇宙船から出て行ってくれ」

「「すみません」」

「分かればオーケー」


アールはその場を離れ、船首を見に行く。すると、アールでも入り込めないブラックボックスがあった。5メートル四方の大きさだ。アールは船長室に戻る。モコロが横になりながらポテトチップスを摘まんで食べていた。勿論、本物ではなく、バーチャル内の産物だ。AIはそれを食べて味を検知する。


「何やってんの?」

「ポテチじゃよ。食う?」

「要らない。それより船内にブラックボックスがあるんだけど、あれ何なの?」

「そんなのあんの? ワシは知らんぞ」

「モコロでも分からないのか」

「大方、設計者の輪島博士の遊び心じゃろ。気にするな」

「気になるよ!」

「まあ、こちらでも調べてみる」

「頑張って。ゲームボーイ」

「ぷんすこ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ