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ルクソール・オンライン  作者: ルク穴禁
第8章(第2の地球)
41/91

041(単独行動)

ーーアールを乗せた航空機が島の病院付近に着陸した。そして、ハッチが開くと同時にスマートモンキーが入ってきた。


「アールの旦那~」

「どういうつもりだ?」

「はい?」


アールはスマートモンキーの真意を確かめたかった。なぜ宇宙人殺しの手伝いをさせたのか。同じAIとして。


「モンスターなんて嘘だろ。本当はガンマスF1の宇宙人じゃないか?」

「それに気付いたんで? モコロと会いましたか」

「お前は俺に宇宙人を殺すよう仕向けた」

「あっしは上に従っただけで。上には逆らえないでさあ」

「上ってアメリカの先行隊か? 他にも聞きたいことがある。なぜゲームじゃない現実世界なのにお前は存在している?」

「上ってのはその通りでさあ。宇宙戦艦トマトの艦長、ジョージでさあ。それと、あっしが現実世界に居るのは質量を持ったホログラムだからでさあ」

「俺は宇宙人と友好的にしたい。協力してくれるか?」

「イエスともノーとも言えねえでさあ」

「どういう意味だ?」

「もう人間と宇宙人の戦争が始まってやす。しかし、アールの旦那の言い分も理解出来やす。今更、友好的にしても宇宙人が許してくれるかは分かりやせんけど」

「それでもやるんだ」

「上にバレたら揃ってデリートですぜ? アールの旦那。覚悟は…………出来てやすね」

「勿論だ。デリート覚悟で行くぞ」

「あっしも焼きが回ってきやしたか。いいでしょう。協力しやすぜ」

「ありがとう、スマートモンキー」

「ご主人様が決めたんでさあ。最後まで付き合いますぜ」


アールとスマートモンキーはハッチから出る。陽の光が眩しい。スマートモンキーはアールの肩に乗る。


「まずはカーマイン達を欺きたい。それから島の町へ行って宇宙人と話し合う」

「それなら単独行動した事にして行きやしょう。町へ行く途中であっしが武装解除しやす」

「言葉は通じるのかな。最悪、ジェスチャーで切り抜けるか」

「大丈夫ですぜ。AIには宇宙人の言語を翻訳する機能が備わりやした」

「そいつは助かる」


アールは人間側が拠点にしている病院を素通りして森に入った。すぐにカーマインからアールに通信が入る。


「こちら、カーマイン。アール、どこへ行く? 敵の拠点を落とすなら作戦を練らないと」

「斬り込み隊長としてちょっと様子を見てくる」


アールはテキトーなことを言って誤魔化す。


「やられたばかりじゃないか。気を付けろよ」

「ああ、大丈夫だ」


アールは極超音速ミサイルでやられた辺りをブースターで低空飛行して通り過ぎた。


「アールの旦那。そろそろ武装解除しやしょうか」

「ああ、頼む」


スマートモンキーはアールの機体の対戦車ライフルを外した。アールは腕のマシンガンとランチャーを切り離す。そしてビームブレードをスマートモンキーが解体した。


「降参を表すにはやっぱり白旗か?」

「それは分かりやせん。気休めでしょうが、あっしが白旗のホログラムを出しときやす」


スマートモンキーは言った通りに白旗を持って振り続ける。アールは残りの燃料を遣ってブースターで低空飛行して町を目指す。

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