040(不都合な真実)
ーーアール達、攻撃部隊は撤退する。アールはカーマインに連絡する。
「電波妨害発生装置、壊したよ~」
「よくやった。皆、お疲れ様」
「これで楽勝だな」
「そうだといいが。取り敢えず、病院に戻ったら休憩してくれ」
「りょ……」
ドカーン! 突然アールの機体が爆発した。島の北側に位置する武器製造工場から小型極超音速ミサイルが発射され、アールに命中した。電波妨害がなくなり、モンスター達はアールが一番の危険因子と判断して、ミサイルをロックオンして放った。吹き飛ばされるスマートモンキーと残り6機の機体。体勢を立て直し、草むらや樹に隠れながら何とか病院まで辿り着いた。
ーーアールはまた天地が分からない白い空間に居た。光が近付いて来て人型になる。自称神のモコロだ。
「またダイになっちゃったな、稲葉アール。いや、これで三度目のダイか」
「くそー、もう少しだったのに。で?」
「でって?」
「とぼけないでくれ。何でまたゲームに閉じ込める?」
「言おっかな~? 黙ってようかな~?」
「船長命令でデリートするぞ」
「ひー! それだけは勘弁じゃ」
「じゃあ話してくれ。目的はなんだ?」
「まだ早い…………と言いたいところだが、話そう。デリートされたくないし。実を言うとな、ゲームの世界ではないのじゃ」
「どゆこと?」
「現実世界のバトルという事じゃよ」
「場所はどこだ?」
「ガンマスF1。モンスターと呼んでたのは実は宇宙人なのじゃ」
「殺しの手伝いをさせられたのか。無抵抗の奴も居たぞ。なぜだ? なぜ俺達に殺らせた?」
「アメリカの先行隊、宇宙戦艦トマトの艦長、ジョージは手を焼いていた。生身の人間や無人機は宇宙人が放つ超音波攻撃で壊滅じゃ。そこで、とりわけゲームが強い日本人に白羽の矢が立ち、用意されていた輪島タイプを遠隔操作をするように。皆、ゲームの続きと信じて」
「日本人だけか」
「いや。他の国も参加しておる。どうやら日本人、帝釈天アールタイプの船員はホットスポットに送り込まれたようじゃな」
「俺は宇宙人殺しなんてしたくない」
「じゃが、宇宙戦艦トマトの極東部隊は宇宙人に殺されたぞ」
「極東部隊は宇宙人抹殺を目論んでいただろ? ツケが回ってきたんだ。最初から友好的にしとけばこんな事にはならなかった」
「人間同士だって殺し合いをするというのに、異星人同士でどうやって仲良くなるのじゃ?」
「もう一度送り込んでくれ」
「そのつもりじゃよ。但し、宇宙人を抹殺するのじゃ」
「俺は今からでも友好で行くよ」
「無理じゃ。宇宙戦艦トマトにバレたらお前はデリートされるぞ」
「それでもいい。上手くやってくれよ」
「全く。どうなっても知らんぞ」
ーーアールは意識を失い、気が付くと航空機の中に居た。またロボットの姿だ。この航空機はカーマイン達が居る島に向かっている予備機で、修復しきれないダメージを負った輪島タイプの予備を運んでいた。航空機は隊列を組み、大型ドローンが先頭で補給機、予備機と続いて飛んでいる。
アールが窓から外を見ると明るかった。恒星ガンマスの陽の光がさんさんと降り注ぐ。




