038(モンスターのロボット)
カーマインは屋上でアールとこれからの戦略について話し合う。屋上には4機の輪島七式が見張りをしている。
「アールの意見を聞きたい。俺は朝になるまでここの防衛に徹しようかと思ってる」
「俺は塔だけでも破壊すべきだと考えてるよ。電波妨害は厄介だからな」
「行ってくれるか? 斬り込み隊長」
「任せろ」
「塔破壊の有志を募ろう」
「俺が突撃するから後方支援を3~4機見繕ってくれ」
「いくらアールでも1機で突撃はさせれない。サトルとミセルとロゼにも行ってもらおう」
「分かった」
アールとサトル、ミセル、ロゼ、それと後方支援機の輪島七式を4機の計8機の攻撃部隊で、電波妨害をしている塔を目指す事になった。レーザー光線ライフルを持っているアールとサトルが先導する。鬱蒼とした森の中を進むからモンスターのアンブッシュに気を付けなければいけない。スマートモンキーは塔までの距離を算出する。
「アールの旦那。塔まで後1キロメートルですぜ」
「分かった。それにしても電波妨害がどんどん酷くなるな」
アール達は順調に塔に近付く。すると、サトルが立ち止まる。
「どうした?」
「11時の方向近距離に何か居る。気を付けろ」
攻撃部隊の目の前に全長12メートルのロボットが現れる。樹の幹に隠れていた。アンブッシュしていたモンスターが駆る戦闘用だ。二足歩行で腕は4つ。各腕には大型レーザー光線銃やエネルギーボール爆雷を弾丸としたグレネードランチャーを装備する。ビー! モンスターのロボットがレーザー光線を発砲してきた。攻撃部隊は間一髪避ける。続けてグレネードランチャーを撃ってくる。ドカーン! ドカーン! 30メートルの火柱が上がる。ズギューン! ズギューン! ミセルがレールガン2丁で撃って牽制をするが、モンスターは怯まない。
「なんだこの化け物は!」
アールとサトルがレーザー光線ライフルを撃つ。アールは脚を、サトルは胴体を狙う。ビー! ビー! ジュワ、ジュワ。モンスターのロボットにダメージを与えた。しかし、倒せない。装甲が金属でできている。4機の輪島七式がロケット砲を浴びせる。ドカン! ドカン! ドカン! ドカン! モンスターのロボットは胴体の装甲が溶けて、アールの位置から僅かに中で操縦しているモンスターの顔が見えた。アールはランチャーをお見舞いする。グシャ! ドカーン! ロボット内部で破裂したランチャーの弾丸でモンスターのロボットが大爆発を起こした。
「やったぞ」
攻撃部隊はモンスターのロボットを調べる。スマートモンキーは興味津々だ。
「アールの旦那。こいつはどうやら乙型ですぜ」
「乙型ってなんだ?」
「モンスターの中でも訓練を積んだ特殊部隊でさあ。他にも更に強力な甲型もいやすぜ」
「厄介だな」