033(次の町)
アール達が次の町に着くとそこはカオスだった。モンキータイガーのメンバーが必死に戦っていて、乱打戦になってる。町はさっきより大きい。建物は未来型で金属でできている。中央には50メートルほどの高い建物もある。そこからレーザー光線を撃ち下ろされていた。アールとバイオレットは建物の物陰に隠れて様子を見る。
「カーマインは生きてるか?」
「兄ちゃんはダイになってないよ。でもギルドの半数がダイになってる。ってか、アール君もセンサーを使ってよ」
「あ、ああ。俺のにも付いてたな。スマートモンキー、使い方を教えてくれ」
「念じれば使えやす。センサー起動しろと」
「分かった」
アールはセンサーを使う。友軍とモンスターの位置が判った。町の西側に友軍、町の中央と東側にモンスターが拠点を置いている。
「バイオレット。カーマイン達と合流しよう。援護する」
「うん」
アールはマシンガンを撃ちながらバイオレットを援護して町の西側に移動する。遮蔽物が多いから難なくギルドの元へ辿り着いた。10機が応戦してるが中央の塔からレーザー光線を撃ち下ろされているのがキツい。バイオレットはカーマインを探す。
「兄ちゃん。バイオレットだよ。どこ?」
1機の人型ロボットが手を挙げた。アール達と同じタイプだが赤色のボディーをしている。
「バイオレット、それにスマートモンキーも。俺達はブースターの燃料が切れた。残弾数も少ない。何とか塔のモンスターを倒してくれ。そうすれば大分楽になる」
「分かった、任せて。行こ、アール君」
「ああ。カーマイン、どうやって塔のモンスターを倒せばいい?」
「アールだと? 心強い。ブースターで空を飛ぶんだ」
「そんな事が出来るのか。スマートモンキー、使い方を教えてくれ」
「へい。これもまた念じれば使えやす。浮けって。アールの旦那は燃料満タンでやすから3分間は空中戦が出来やすぜ」
「分かった。やってやろうじゃん。行くぞ、バイオレット」
「うん」
アールとバイオレットは背中、腰、足の裏にあるブースターを起動させて空中に浮く。そして塔に向かって飛ぶ。時速200キロメートルほどのスピードでモンスターの乱射を掻い潜る。塔に居るモンスターは1体。レーザー光線は拳銃型ではなくライフル形状をしている。連射が可能だ。アールは正面から、バイオレットは西側から攻めてマシンガンで十字砲火を食らわす。しかし、モンスターは怯まない。更にレーザー光線ライフルを乱射してくる。だが2方向からの攻撃でアールとバイオレットは徐々に距離を詰めていく。アールが塔のモンスターまで20メートルほどの位置に着けた時、スマートモンキーが対戦車ライフルを撃つ。バン! バキン。モンスターはヘッドショットされて倒れ込む。
「やるじゃん、スマートモンキー」
「あっしも戦力になって嬉しいでさあ」