032(援護射撃)
アールの強さに恐れをなしたモンスター達が町から散り散りに逃げていく。アールは深追いしない。しかし、1体が残り、4丁のレーザー光線拳銃を持って、アールに特攻してきた。ビー! ビー! ビー! ビー! ジュワ、ジュワ。ドサッ。モンスターの乱射にアールのランチャーのバレルが切り落とされた。バンバンバン! スマートモンキーが対戦車ライフルを放つがモンスターは怯まない。
『ギャーン!』
モンスターは更に超音波攻撃を仕掛けてくる。だがアールには効かない。ダダダダーー! アールがマシンガンを撃ち、モンスターの胴体に被弾した。それでも倒れる事なく距離を詰めて来る。
「なんだよ、こいつ」
ズギューン! グシャン! バタッ。アールの背後からレールガンの援護射撃が来た。一撃でモンスターは殺られた。援護射撃したのは、アールと同じタイプの人型ロボットだ。色は紫色で塗装されている。
「もしかしてスマートモンキー?」
「誰でさあ」
「私よ、私。声で分からない? バイオレットよ」
「バイオレット? 何でこんな所に。ああ、バイオレットもまたルクソール・オンラインに閉じ込められたか」
「その音声はアール君かな? そうなのよ。またコールドスリープのカプセルに入るように言われて、気が付いたらゲームの世界に居たの」
「他の人も?」
「多分。兄ちゃんも火の鳥やモンキータイガーのメンバーもゲームの世界に入ってると思うよ」
「そっか。さっきはサンキュ。レールガンで一撃だったね」
「アール君はレールガンを持ってないの? AI艦長なんでしょ?」
「何でだろ? スマートモンキー、武器をソートしてくれ」
「それは出来ねえでさあ」
「どうしてだ?」
「ゲームのルールが大分変化されてやすぜ。さあ、仲間も増えた事ですし、モンスターを殲滅してゲームから出やしょう」
アールとバイオレットは、スマートモンキーの指示に従い、次の町を目指す。町から町までは砂漠地帯だ。ロボットの姿だと足を取られる。苦戦しながらも移動して次の町が見えてきた。
「他のプレーヤーはどこに居る? バイオレット、チャット出来るか?」
「それがチャット能力なくなってるの」
「センサーを使うといいでさあ。そのためにアンテナが付いてやすぜ」
バイオレットはセンサーで友軍の位置を探る。すぐにヒットした。アール達が目指してる町でカーマインらモンキータイガーのメンバーが戦っていた。カーマイン達は劣勢だ。アールとバイオレット、スマートモンキーは先を急ぐ。




