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ルクソール・オンライン  作者: ルク穴禁
第8章(第2の地球)
30/91

030(イタリアとフランス)

ーーアールとモコロは先行隊の様子をモニターで観ていた。アールはモコロに色々質問する。


「宇宙人が居たら殺しちゃうのか? 出来るなら友好的にしたいけど」

「その裁量は宇宙戦艦トマトの艦長、ジョージに懸かっておる」

「そういや帝釈天アールタイプって無重力じゃないね。AIでも重力を感じる。いや、検知か」

「各宇宙船には重力発生装置が備わっておるのじゃ」

「日本の宇宙船なのに、ウォーミングアップのゲームはルクソール・オンライン。ルクソールってエジプトの観光地だよな」

「宇宙船の部品は世界各地で製造されたが、仕上げはエジプトで行われたのじゃ。だからじゃろう」

「宇宙空間で造らなかったのか?」

「そりゃそうじゃ。だってガンマスF1に着いたら大気圏に突入しないといけないしな。勿論、世界各国の宇宙船がエジプトで造られた」

「納得」


ピピン。他の宇宙船から連絡が入った。


「大変じゃ、稲葉アール」

「どうしたの?」

「フランスの宇宙船とイタリアの宇宙船が座礁したようじゃ。帝釈天アールタイプに救難信号が送られてきた。先を急いだようじゃな」

「仲悪いから~」

「フランスとイタリアの宇宙船、どちらを助ける?」

「両方」

「だろうな。しかし、遠回りは帝釈天アールタイプの燃料を食うぞ」

「やベーな、究極の選択か。宇宙空間で座礁したって事は隕石かな?」

「岩石群じゃろう。どうする?」

「俺のメモリーにはどちらも親日国とあるし、決められないよ」

「じゃが一番近いのはワシらじゃぞ。300万キロメートル後方にイギリスの宇宙船がおる」

「じゃあイギリスにも助けてもらおう。帝釈天アールタイプから近い国はどっちだ?」

「イタリアじゃ。帝釈天アールタイプから10万キロメートル離れておる。フランスは13万キロメートルじゃ」

「宇宙船のダメージは?」

「人的被害は出ておらんようじゃ。帝釈天アールタイプで牽引しなくてはいかん。急げ、稲葉アール」

「分かった」


アールは帝釈天アールタイプの軌道コースを変えてイタリアの宇宙船を目指す。ダメージは深刻なものだった。船首と船尾のブースターに岩石が衝突していた。フランスの宇宙船も似た所をやられている。イギリスの宇宙船も救難に向かうために軌道コースを変えた。


帝釈天アールタイプがイタリアの宇宙船、エンツォ・フェラーリに到着して周りに隕石がないことを確認し、前方から牽引ワイヤーを取り付けた。イタリアの宇宙船のAI艦長、エンツォからアールに通信が入る。


「こちらエンツォ・フェラーリ艦長のエンツォ。帝釈天アールタイプ、ありがとう。流石同盟国だ。助かる」

「このままガンマスF1まで引っ張って行く。フェラーリだからって飛ばしすぎだ」

「済まない。フランス人の宇宙船、エッフェルは大丈夫か」

「グレートブリテンが助けてくれるそうだ。心配するな。仲良くしろよ?」

「ああ」


帝釈天アールタイプはエンツォ・フェラーリを牽引して軌道コースに戻る。燃料を2パーセント消費してしまった。

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