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おっさんとダンジョン  作者: シロガネ
9/11

ハチ話 おっさんと二階層

 クイーンブンブンとの戦闘が終わって数十分。

 目の前にある階段を登る前にと、休憩をしていた。

 さっきの戦闘での負傷者は割り振りをしっかりと出来ていたためかほとんどおらず、少ない負傷者もヒーラーがすぐに治せる程度のものだった。


「ジョー、アイト。言いたくなかったら言わなくてもいいんだが、今回発現したスキルについて聞いてもいいか?」


 スキルとはその者の切り札となるものが多いため本来スキルについて尋ねることはタブーである。まあ、ほとんどの場合使っているうちに内容がばれてしまうのだがそれでも本人にスキルについて直接尋ねるようなことはしない。

 だが、今回はダンジョンといういつ死んでもおかしくないような場所だ。命の危険がある以上仲間の戦力は知っておきたかった。


「いやあ、さすがにオウカさんでも_______」

「いいですよ」

「えー、ジョーさん。教えるんですか?」

「ああ、オウカさんなら信頼できる。それに何か考えがあってのことでしょう?」

「そうだな、命がかかわってくる以上どの程度の戦力か知っておきたくてな。ありがとう」

「いえいえ、全然いいんですよ。私たちのスキルはですね________」


 はっきり言ってジョーたちのスキルは反則級だ。まあ、死の危険を感じる間もなくやられてしまえば効果がないのだが、力量の差が広い相手と戦うときにも勝てる可能性がある、言わば逆転の力なのだ。

 それにしてもジョーとアイト二人とも同じスキルを発現するとは、何かスキルの発現には条件のようなものがあるのだろうか。


「それと、オウカさん。クイーンブンブンを倒した時にこれが出てきたんですけど」


 そう言ってアイトが赤い石を差し出した。


「これは?」

「分かりません。でも、魔力を含んでいるようです」


 アイトに言われて石に集中してみる。すると微量の魔力が石から漏れているのを感じた。

 何かの魔法道具なのかもしれない。


「そうだな、これはサポーターに持たせておけ」

「分かりました。それでどうするんですか、オウカさんもうそろそろみんな回復してきたと思うんですが」

「そうだな、ありがとうアイト。もうそろそろ行こう」


 そうして俺たちどこに続いているかわからない階段を慎重に上った。


 ******


 階段を登った先、二階層とでも言うべきだろうか。とまあその二階層にたどり着いた。

 そこに広がるのは一階層とは比べ物にならないほど禍々しい光景だった。

 一階層は草原なのに対して、二階層は紫色の太陽が浮かぶ墓場、植物は枯れ果て、所々にある水溜まりは毒なのだろうか、紫色をしている。

 しかし、一階層はただ草原が広がっていたのに対して、二階層は人ひとり分くらいの幅の道のようなものがある。

 この道を進むべきだろうか、だがこの道が罠という可能性もある。


「どうしますか、オウカさん。この道進むんですか?」


 前方にいるアイトが叫ぶ。


「ああ、進もう。下手に道以外を進んでも迷うだけだ。一階層みたいに進んでりゃ勝手につく訳では無いだろう」

「分かりましたー!」


 アイトの威勢のいい声とともに進み出した。




 しばらく進んでいるうちに、スケルトンやゾンビなどのアンデットモンスターが出てきたが、どれも低級だったため、難なく倒した。

 だが、おかしな所がある。


「オウカさん、これって…………ループしてませんか?」

「ああ、そうだなループしている」


 前方にいるアイトの言う通りさっきから同じ道を何度も通っている。

 道を進んでいくが、突如濃い霧が出てきてその霧を抜けた頃には元の道に戻されている。


「オウカさん。これってやっぱり道間違ってるんじゃないですか?」


 アイトの言う通り間違っているのかもしれない。多分あの霧によって元の場所に戻されているのだろう。

 理屈は分からないが多分原因は分かる。

 だが、どうすればいい。

 諦めてほかの道を行くか。


「オウカさん。やっぱりほかの道を行きましょう。これじゃあ無駄に体力を減らすだけです」


 ジョーまでもほかの道を勧めだした。


「ああ、そうしよう」




 数十分後、俺たちはまだ最初の地点から進めないでいた。


「オウカさん。どうするんですか?これ進めないですよ」

「ああ、そうだな。とりあえずここで休憩をとる」


 各自休憩をとりだした。


「オウカさん。どうしますか?」


 ジョーが尋ねる。

 どうするべきなのだろうか。一度外に戻るべきだろうか。

 多分原因はあの霧だろう。

 だがあの霧をどう対処する。

 何かの魔法だろうか、せめて霧の正体が分かれば何とかなるんだが。


「ジョー、この霧は何かわかるか?」

「何かってただの霧じゃないんですか?」

「違う、俺が言ってるのはこの霧の成分だ。ただの霧じゃないだろう」


 俺は魔力などを感じ取るのが苦手なため、ここまで小さい粒だと何が含まれているのかわからない。


「えーと、………………あっこれは聖気ですね」


 聖気か、聖気とは魔力と対なる存在とされていて主に聖職のパラディンや牧師などがつかえる。効果としてはアンデットにめっぽう強いことや、回復効果がある。

 また、無から有を作り出す魔力に対して有を無にする効果があり、高度な技術があれば聖気で記憶を弄ることもできる。


「そうか、聖気か。よし、全員集めてさっきのクイーンブンブンから出てきた石を持ってこさせてくれ」


 俺の読みが正しければあの石が攻略の鍵だ。

 魔力を含んだ石というのは自然界に存在する。

 その石はほとんどの場合魔法士数十人分の魔力を含んでいるのだが、普通の石と見分けがつかない上に割った瞬間魔力が外に拡散するので用途がない。

 そして今回。この霧は聖気によるものだ。

 そしてさっき言ったように聖気と魔力は对なる存在。そんな存在どうしをぶつけあったらどうなるか。答えは、お互いに打ち消し合う、だ。


「よし、みんな集まったな」


 全員が集まったことを確認して俺は魔力を含んだ石を地面に叩きつけた。その瞬間、ものすごい量の魔力がうずまき、霧と共に消えた。

 何人かが驚いたような顔をする。そして、何人かが理解したような顔をしていた。


「よしこれで進めるだろう。行くぞ」


 そう言って進み出した…………が、しばらく進むと毒沼があった。そしてその真ん中に階段があるのだ。

 毒沼を進むには魔毒ガエルという魔物の皮でできたスーツが必要だ。

 そしてしばらく周りを探索したが、特に仕掛けもなく。一度戻ってスーツを作ってこようという話になった。

 そうして、俺達は二度目のダンジョン探索を終えたのであった。

二度目のダンジョン探索を終えたオウカ。

次の探索までしばし休憩をとる事にした。

しかし、オウカの日常に黒い影が忍び寄る!?

次回おっさんとダンジョン「キュウ話 おっさんと日常」乞うご期待


更新遅くなってすいません。次回は早めに投稿できそうです。

面白かった、続きが読みたい。という方はブックマーク評価の方よろしくお願いします




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