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おっさんとダンジョン  作者: シロガネ
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ジュウ話 おっさんと戦争①

 それは唐突だった。隣街の『ジ』がこの街『モノ』に対して宣戦布告をしてきた。

 この国『パル』では内戦はよくあることだ。

 そもそも五大都市も内線によって出来た街だ。

 今回の戦争は『モノ』が「ダンジョン」の資源を独占していると言う『ジ』の言い分に『モノ』が「まだ危険なので解放することが出来ない」と応えると、『ジ』の領主がキレて始まったという、なんとも幼稚な理由である。

 我が街『モノ』は領主は居ない。じゃあ誰が統治しているのか。

 それはギルド長だ。元はちゃんとした領主がいたのだが、ギルドの力が強すぎていつの間にかギルド長が治めることになった。

 それもあってこの街は冒険者の街と言われているのだが…………話が逸れるのでこの話は次の機会に。

 と、まあそんな訳でこの街は戦争へと巻き込まれたのだが…………


 街に変わりはなかった。


 先程にも言ったようにこの街は内戦によってできた街それ故に戦争に対する意識が低いのである。

 そして、俺は今どこにいるかと言うと。


「はーい、それじゃあ次は布陣についての説明をする」


 生徒30名に対して授業を行っていた。

 遡ること三日前


「お前さんにひとつ頼みたいことがあるんじゃが。聞いてくれるか?」


 ギルド長室で俺はギルド長の話を聞いていた。ここに入るのは二回目だが、一回目のような重苦しい空気はない。


「なんですか?」

「戦争があるのは知っておるだろう?」

「はい」

「それに合わせて軍学校の生徒達にお主の戦術などを教えて欲しいんじゃ」


 軍学校、それは主に平民や貧民の子供達が行く学校で卒業後、軍へ入れる他、入学中に給料が出るので人気の学校だ。


「まあ、いいですが………………子供たちを戦争に出すつもりなんですか?」


 少し威圧をしながら言う。


「…………ああ」

「何故だっ!!」


 机を叩く。だが、ギルド長は動じない。


「何故子供たちまで巻き込むっ!!いくら軍学校とはいえ巻き込む理由はないだろっ!!」


 ギルド長は淡々と告げる。


「人手が足りんのだよ」


 この街は冒険者の街だそれは悪い意味でも冒険者の街だった。

 冒険者が多いため、治安は悪くない。それ故に兵隊の数が少ない。

 冒険者たちは自由だ。

 つまり、戦争に参加するもしないも自由ということで参加する者が決して多くはない。

 それらの理由故に戦争に対する人手が圧倒的に足りていないのだ。


「…………でも」

「オウカくん、君の気持ちは分かる。だが、そうせざるを得ないんだ。街から徴兵してもいいが、街の空気を見たか?あんなに戦争に対する意識が低いもの達を参加させて勝てると思うか?それなら軍学校の生徒達を参加させる方がよっぽど勝算があるのだよ!!」


 ギルド長の意見は最もだ。だが、小さな子供までも戦争へ参加させていいものか。


「君ならできるはずだ」

「何がですか?」

「死なない子供達を育てろ」

「無茶だ!!戦場で1人も死なない軍隊なんて出来るものかっ!ギルド長は_____」

「じゃあ、そのまま戦場へ送り込むだけだ」


 分かっている。ギルド長は立場故にこんなことを言っているのだ。


「分かりました。俺が指導します。ですが一つだけ条件があります」

「なんだ?」

「俺の指導に口を挟まないでください」

「分かった。学校の者にも言っておこう」


 俺はそうして、軍学校の臨時教師となった。俺が担当するクラスは一年三組。

 そして今、俺はそのクラスで座学の授業をしている。


「はーい、今回は布陣についての授業をする_____」


 授業を終えた。さっきの授業が初の授業だったのだが、一つ気になることがあった。


「お前ら、ひとつ聞いていいか?」

「なんですか?」


 1人の生徒が言う。


「戦いにおいて最も重要なことは?」


 すると1人の女子生徒が勢いよく手を挙げる。確かシリカとか言う名前だ。


「はい、軍の規則に従うことです」

「分かった」


 これはまだいい。確かに司令に忠実なのはいい事だ。


「じゃあ次は?」


「命を賭して命令を遂行することです」


 ああ、やっぱりこれだ。これは確かに軍では大切なことかもしれない。

 だが、戦場で大切なのはそれじゃない。


「それは違うぞ、大切なのは死なないことだ。死ぬ寸前まで戦い。死にそうになったら逃げる。それが戦場において大切なことだ」


 生徒がざわめく。まあ、無理もない。軍で教えることと真逆のことを言っているのだから。


「先生。質問してよろしいでしょうか」

「なんだ?」

「何故、死なないことを優先するのですか?」

「戦争でお前らにできることで大切なのはなんだと思う?」

「命令に従う…………ですか?」

「確かにそれもそうだ。だが答えは数だ」


 すると、なるほど、というように生徒が頷く。


「つまりは、そういう事だ。戦場において、大切なのは数を減らさないこと、そうすれば自然と死なないように動かなければならないだろ?だがもちろんヒビって直ぐに引くというのはダメだ。そして、その引き際を次の実技で教える。お前らグラウンドに出ろ」

「「了解です」」


 そう言って生徒達が、グラウンドへ出た。

 果たして、こんな教え方でいいものか。そんなことを考えながら俺もグラウンドへと向かうのであった。

ということで、唐突の戦争です。しばらくダンジョン探索はないと思います。

面白かった。続きが読みたいという方はブックマーク評価の方よろしくお願いします





次回予告?そんなの知らないなぁ





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