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無題  作者: 結城智
第1章 ~中学2年の夏~
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第1話 絶好調

 見えざる者。いや、神様から『ループ』の力を授かってから、一ヶ月の月日が流れた。


 ループの力のおかげで、僕の人生は今までにないくらい好調で、本当にいいのだろうか、と思うほど、僕はやりたい放題にループを使用していた。


 授業で小テストがあった時やわからない問題を先生に当てられた時、一度は失敗を経験するが、すぐに数分前に戻り挽回する。だから、小テストは必ず100点だし、先生に当てられた問題が難問であっても難なく回答できた。


 そして、それは部活動でも同様であった。


 僕はサッカー部に属している。練習試合が行われた時、自分がどの位置にいれば、ボールが回ってくるか、一度経験すれば予測できるので、普段決められないゴールも決められた。


 もともと僕の学力は中の下くらいで、部活動でもレギュラーではなくベンチにいる存在。にも関わらず、この一ヶ月間という短期間で、他人の見る目が変わっていくのが明白だった。


「こないだの小テストだが、満点だったの、学年トップの本田。後、名取の二名だけだ。名取に関してはここ最近、ずっと満点だな。これからもこの調子で頑張れよ」


 と、先生には褒められるのと同時に、クラスメイトには尊敬の眼差しで見られるようになる。サッカー部では「今度の大会。名取、お前のレギュラーも考えている」と、顧問の先生に後押しされる発言まで引き出せるようになった。


 でも、いいことばかりではない。大して目立たく、冴えないクラスメイトが急成長する姿を見ると、凄いなと素直に思うより、面白くないという妬みを持つ人間がいるのが現実だ。


「なぁ、名取。この問題わかる?」


 小テストが実はカンニングなんじゃないかと疑っている奴は、勉強なんて普段はしないくせに、わざと難問を僕に質問してくる。当然、その時はわからない場面が大半だったが。時間を戻し、問題を解ける状態にして返り討ちにしてやった。


 しかし、そういった対応ばかりしていると、一日という時間が非常に長く感じる。やり直しが多く、戻る先の時間が離れれば、離れるだけ、僕の一日は人より数時間ほど、長くなってしまう。一日、30時間っていう状況もあったくらいだ。


 なので、ループを使い始めた最初の一週間は脳も消耗しきって、土曜日はぐったりとしていた記憶が新しい。ループは時間を戻せても、記憶まではループできないので、脳は当然疲れる。


 それでも僕は、この能力を手にして良かったと思う。


 妬みを持つ者はいるが、そういう嫌がらせのような行為は一ヶ月と続かず、周りは本当に頭が良くなり、サッカーがうまくなったと認めざるを得なくなっていく。そんな状況に対し、僕は優越感に満たされていた。


 基本、僕は目立たない部類のタイプだったが、周りの評価が変わった途端、女の子にも話しかけられる回数が多くなる。そうなると、僕も自然と周りを意識し、容姿も気遣うようにもなっていった。

人はよく、人生うまくいっている時ほど注意しろ。と言うが、今の僕にその言葉は当てはまらない。だって、失敗してもやり直し出来るのだから。

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