91話 中間大陸における業務 2
何をやるにしても土地の確保が必要になる。
その為に、まずは平地を更に均すことから始められていった。
森林を切り開き、土地を確保せねばならない。
でないと、施設を作る事など出来はしない。
その為の作業員と機具、それらを守る為の戦闘部隊が送り込まれていく。
もともと現地にいた者達がひらいていた場所に、仮設宿舎が作られてそこに寝泊まりする事になる。
続々と設置されるプレハブ宿舎と、そこから周囲に飛び出していく作業員達。
それらと共にタクヤ達も外へと出ていく。
伐採作業の周辺で警戒にあたり、モンスターの接近に備えねばならない。
その際には、大部分が徒歩で移動する事になる。
木々の密集具合次第だが、車輌での侵入が困難だからだ。
バイクやバギーならば移動も可能な場合があるが、そうでなければ足を使っていくしかない。
モンスターに対する優位性の一つである速度が失われてしまう。
だが、作業員を守る為にはそうせざるえなかった。
そんな人類にモンスターは遠慮無く襲ってくる。
とはいえ、その規模はそれほどでもない。
比較的小型のモンスターであれば20体から30体くらい。
より大型の恐竜タイプだと、4体か5体くらい。
これらが一日に一回くらい襲いかかってくる。
いずれも歩兵銃や機関銃で対処可能ではある。
ただ、木々の生い茂る森の中なので、どうしても射程が限られてしまう。
遠距離から攻撃出来るという銃の利点が、ここでは大分制限されてしまっていた。
それでも、隙間もない程に密集してるわけではないので、接近される前に倒す事は出来る。
伐採も、それを考えて先に射撃の妨げにならないよう、周辺の木々を間引くところから始めていく。
それでも木々の影に隠れるモンスターも出てくるが、何もしない場合よりは戦闘がしやすい。
作業効率は多少落ちるが、損害を出すよりは良い。
木々を切り倒し、残った根っこも掘り起こされていく。
それらは回収されて木材に利用されていく。
建材になるものはさほど多くはないが、何らかの形で利用されていく。
そうして残った平地は、多少の造成がなされていく。
後続の人員のための宿泊場所を設置する為である。
今はまだその為の作業しかしていない。
開拓の為の作業ではあるが、開拓そのものというわけではない。
必要な人数を常駐させるための下地作りの段階である。
まだ、必要な施設の建設にまでは至ってない。
まだまだそこに手を出せる段階ではないのだ。




