67話 今後の展望について、自治体における苦悩 5
何にしても、とにかく数が必要だった。
まずはこれらの拡充が必要不可欠である。
今回の戦闘で消耗してしまった分の補充も必要なので、まずはここからやっていく必要がある。
銃などの兵器ももちろん、それらに装填する銃弾・砲弾が必要である。
その為の生産設備の設置が求められた。
教育施設が求められた。
扱える人が求められた。
何もかもがとにかく足りなかった。
「どこから手をつければいいやら」
今後の方針や行動を策定する会議で、そんな声が漏れた。
とにかくやるべき事は多く、優先順序をどうつけていけば良いのか分からない。
必要というなら、あらゆるものが必要であり、後回しにする事が出来るものなど何もないのだ。
それでも、一気に全てを進める事が出来るわけではないから、何かを先にして、他の何かを後にするしかない。
どこかで割り切らねばならないが、さて、それをどうするかで悩んでしまう。
ただ、本当に新規開発が当面は必要なさそうなのがありがたかった。
そうなると年単位での準備が必要となる。
それが必要無く、既存の生産設備の拡大だけでどうにかなるのは助かった。
効率的な生産体制のために改善などは必要になるだろうが、それでも新規開発よりは手軽である。
だとしても、大量の資金や資源は必要になるのも確かなので、これまた時間はかかる。
比較すればやはり短い時間で済ませる事は出来ても。
「けど、これでどうにかなるのはありがたいよな」
そんな感想が会議の席であがる。
実際、居合わせた者達もそれは感じていた。
新地道の軍が保有してる兵器、特に戦闘機や戦車、艦船などはそう目新しいものではない。
基本的には旧式兵器の改善改良拡張したものがほとんどだ。
大幅な発展をとげ、元が分からなくなってはいても。
それらが充分な戦力になってる事がありがたかった。
「最新兵器でなくてもいいのは助かる」
もし、新型を揃えねばならなかったら、必要な手間も負担も今とは比較にならなかっただろう。




