64話 今後の展望について、自治体における苦悩 2
「とにかく、優先しなくてはならないのは、戦力の確保だ。
その為の体制作りも含めてな」
全ては防衛の為である。
再び敵と戦わねばならなくなった時に、確実に撃退出来るように。
「やはり、資源の確保になるか、そうなると」
「無いと増産も出来んしな」
「それと、増える人口を支えるための農地も必要だぞ」
「どのみち開拓、開発、開墾は避けられんか」
結局、戦力を揃えて保つためにも、それを支える土台が無ければどうしようもない。
「当分は開発開拓に専念するしかないか」
戦力の充実はそれからになる。
だが、それらを放置するわけではない。
いずれ充実させるために、先に手をつけねばならない作業をするだけだ。
「まあ、整備計画だけはたてておくか」
着手は先でも、必要な物事の策定はしておかねばならない。
無理なく問題無く兵力を増強するために。
事前に決めておけるならそれにこした事は無い。
「詳細は軍部にもらうしかないが」
「どの程度の規模まで拡大可能かは、こちらで見定めておかねばならんか」
現在の経済・産業規模と、それらの成長具合。
人口の増大までも含め、予想される今後の新地道の規模。
それらによって支える事が出来る軍の大きさをある程度探らねばならない。
どうしても出て来る上限は、政治の方で考えておかねばならない事だ。
軍部にはそれを元に、自分達の改善・整備を決めてもらう事になる。
「武器の開発や改良も必要ですかな。
それが出来ないまでも、現状の武器の増産もしてもらわないと」
「何がどれだけ必要になるんでしょうかねえ」
「そこは本職に任せるしかない」
「あまり無茶が出てこないといいんだが」
出来ればよりよい物を提供したいが、無理がすぎる要望にならなければと思ってしまう。
出来れば現状で充分調達可能な範囲にそれらがおさまるよう願いもした。
それからも会議は続き、何をどうしていくかを定めていく。
役所をどう編成し、どう動かすか。
ならびに、企業など外部の存在に何を委託し、どのくらいの予算が必要になるか。
大学や研究機関などに働きかける事も含めて、やるべき事、出来る事を考えていく。
目の前に存在する明確な危機に対処するために。




