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【仕切りなおし】異世界防衛戦記 ~トンネルの向こうは戦場だった~【打ち切り】  作者: よぎそーと


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42話 突破と合流

「それじゃ、行くぞ」

「おう、やってくれ」

 通信機からの声に返事をする。

 それと同時に陣地周辺への攻撃がより盛大になっていく。

 敵が迫ってくる方向への、迫撃砲などによる一斉射撃。

 それらが敵の流れに分裂を発生させていく。

 同時に、敵の向かってくる方向とは逆の方面にある出入り口が開く。

 陣地を取り囲んでいた敵がそこに向かっていこうとする。

 それより早く、中から出てきた装甲車が飛び出してきた。

 車体上部に設置されていた砲塔。

 そこから突き出る20ミリ機関砲が目の前の敵を破壊していく。

 そのまま装甲車は履帯を回転させながら進んで行く。

 後続の車輌もそれにならって続いていった。



 自衛隊に配備されていた96式装輪装甲車。

 兵員輸送が可能な装甲車であるこれを、新地道では更に改造して用いていた。

 不整地が多い異世界を考慮して、車輪を履帯に変更。

 上部に砲塔と機関砲を搭載。

 最高速度を犠牲にして踏破力を増していた。

 また、後部の兵員搭乗部分の屋根は開閉が可能で、中にいる兵員が立ち上がって外に攻撃が出来るようになっている。

 ここに無理矢理12.7ミリ機関銃を設置し、側面への攻撃を可能としていた。

 限定的ながら正面や背面方向への攻撃も可能である。

 もちろん、搭乗してる兵員・戦闘員の手持ち武器でも攻撃は可能だった。

 今も搭乗してる兵員達が、12.7ミリ機関銃を、手にした7ミリ歩兵銃を使って周囲の敵を攻撃している。

 持ち込んだ大量の弾薬を惜しげもなく使いながら。

 96式装甲車改造、新地道において1号装甲兵員輸送車と名付けられたそれは、押し寄せられた敵に切り込んでいく。

 敵の列を分断しながら。



 その後ろを今度は軽装甲機動車がついていく。

 大型の四輪駆動車のような外見をした装甲車は、車体上部にサンルーフのような開閉口がある。

 そこに12.7ミリ機関銃を設置し、周囲への攻撃を可能としている。

 砲塔とまでいかないが、簡素ながら銃手を守る防弾板が設置され、多少の安全性を確保していた。

 これももともとは自衛隊で用いていたものを異世界にあわせて改修した結果だ。

 新地道では2号装甲車という名前で採用されている。

 火力・装甲ともに1号装甲兵員輸送車には劣るが、安く、それなりに使い勝手が良いので数は多い。

 また、一般車両の改造である戦闘車輌よりは強い。

 これが先頭を走る1号装甲兵員輸送車の突破口を拡大・維持しつつ進んで行く。

 車内からも窓を開けて歩兵銃での射撃が行われている。

 押し寄せる敵はこれらによって次々に撃破されていく。



 その後ろには、一般車両を改造した戦闘車が続く。

 いずれも四輪駆動の野外向きのものばかり。

 ハッチバックやピックアップと種類も様々だ。

 いずれも12.7ミリ機関銃を搭載してるのは共通している。

 そして、後部の荷物搭載部分に弾薬と兵員を乗せている。

 糾弾の補助や、歩兵銃による攻撃のためだ。

 装甲においては2号装甲車に劣るが、火力だけなら遜色はない。

 これらも押し寄せる敵を撃破して先へと進んで行く。



 この車輌の間を、バイクやバギーが走っていく。

 攻撃されたら即座に撃破されるこれらは、他の車輌やトラックの間で守られるように進んでいく。

 いずれも、牽引車を引っ張ってるのは言うまでもない。

 そうでなくても、二人乗りは当たり前である。

 少しでも多くの者を運ぶための手段だった。

 そして、手のふさがる運転手にかわって攻撃する役目でもある。

 バイクではそれも難しいが、バギーならばかなり楽に出来る。

 牽引車や後部に座る者達は、手にした銃で近づく敵を撃っていく。



 そして、トラックはそれらの後ろ、全体の中央あたりに陣取っている。

 燃料や弾薬などの荷物をのせてるこれらは、前後に守られるように走っていく。

 また、兵士を乗せたものも多く、それらは動く機銃座・砲台になって近づく敵を撃破していく。

 生命線であり、引火すれば大惨事を起こす荷物を乗せながら、彼等は目的地へと向かっていく。



 車列後半は、一般車改造の戦闘車両、2号装甲車、1号装甲兵員輸送車と続く。

 最前列と最後尾を最も戦闘力が高いものが守ってる形になる。

 追いかけてくる敵を撃破し、車列に近寄らせないにはこうするしかない。

 突破するのも大変だが、追いかけてくるのを退けるのも同じく苦労する。

 数は圧倒的に敵が多い。

 それらの中を突き進んでいかねばならないのだ。

 突破しても衆からにじり寄ってくる。

 振り切っても追いかけてくる。

 それらを倒していかねばならなかった。



「分かっちゃいたけど、きついな」

 バギーを動かしながらぼやく。

 敵の数は多く、その中を突破するのは難しい。

 敵の勢いが衰えていればまだ良かったのだろうが、残念ながらそれはまだ先である。

 味方の苦境を考えて飛び出したが、はやまった考えだったかと思ってしまう。

 だが、今更後には退けない。

 幸い、残ってる味方陣地までそれほど離れてもいない。

 もともと繋がってる戦線である。

 分断されたとはいえ、間の距離は300メートルといったところ。

 横断も、出来ないという程では無い。

 途中の補給所跡を巡って物資を強奪して合流する事も、不可能ではない。

 あくまで、予想や想定の上では。

 実際に成功するかは全く分からない。

 たった300メートルが、とてつもなく長い距離に感じられた。

続きは17:00

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新しくやりなおしてる↓
『異世界開拓記 ~トンネルの先は異世界だった~』
https://ncode.syosetu.com/n8924fg//

前編にあたる話はこちら。
『異世界開拓記 ~トンネルの先は異世界だった~』
https://ncode.syosetu.com/n5916es/

ブログのほうでも幾つかは掲載している。
『よぎそーとのブログ』
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/
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