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【仕切りなおし】異世界防衛戦記 ~トンネルの向こうは戦場だった~【打ち切り】  作者: よぎそーと


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35話 襲来 12

「じゃあ、そっちにはまだ色々残ってるのね」

 通信機で周辺の部隊に話しを聞いていくタクヤは、あちこちにある物資を確認していく。

 これから逃げ延びるためにどうしてもそれらが必要になる。

 事前に確認しておかねばならなかった。

「そしたら、そっちに行った時に使えるようにしておいてね。

 補給所の奴がうるさいかもしれないけど、その時には上手くやっておいてよ」

 こんな事をあちこちの戦線にいる連中とこなしていく。

 伝令を飛ばしてあちこちの部隊の連中とつなぎをとり、無線でのやりとりが出来るようにしていた。

 指揮官があてにならないので、現場で連携をとるしかない。

 無能と言ってはかわいそうだが、満足な教育をうけてない幹部や指揮官は頼りにならない。

 事後報告という事で事を進めるしかない。

 幸い、タクヤの所の指揮官や幹部は、これらについて何も言わない。

 最初は銃口を突きつけて言う事を聞かせようとしたが、その必要もなかった。



「じゃあ、お願いします」

 あっさりとそういった指揮官の声に、タクヤは面食らった。

「自分がそこまで優秀だとは思ってないので。

 それに、現場には現場のやり方があるでしょうから。

 上手くやってくれるならお任せします。

 あと、必要なら俺の名前を出してくれてもかまわないので」

 そんな事を平気で言う。

 職務放棄になりかねないが、そこは何とも思ってないらしかった。

 本来ならば、指揮官や上司は部下を束ねていう事をきかすもののはずであるのだが。

「それが出来るならそうしますよ。

 でも、無理です。

 それに、俺よりあなたの方が仕事が出来そうだし。

 任せた方が上手くいくでしょうよ」

「はあ……」

 ここまで呆気なく仕事を任されるとは思ってなかったので、タクヤは気の抜けた返事しか出来なかった。

 だが、そう言ってくれて実際にやらせてくれるならありがたい。

「それじゃ、早速」

「ええ、お願いします」

 タクヤの言葉に指揮官はそう言って頭を下げた。



 おかげでタクヤの仕事はかなりやりやすくなった。

 何はなくともタクヤのいる場所の部隊はこれで掌握が出来た。

 近くに陣取る部隊には現場の者から話しをつけていくしかなかったが、それもどうにか上手くいった。

 それらの指揮官には、タクヤのところの指揮官に話しをつけてもらった。

 おかげで余計な手間が減っていった。

 そうして話しが通った所との間でトラックが行き交っていく。

 物資を移動させていくためだ。

 突破された敵が目の前にいるため、タクヤ達の陣地はそう長くは保たない。

 その為、隣の陣地への移動が急がれていた。

 問題になるのが物資である。

 置いていくのも勿体ないので少しでも多く移動させている。

 持ち運べない分はどうしても出て来るので、それらは諦めるしかなかったが。

 だが、当初の予定よりも事は上手く進んでいた。



「あとはここから逃げるだけだな」

 森山にそう言ってタクヤは状況を見計らっていく。

 逃げるにしても、敵に背中を簡単に見せるわけにはいかない。

 そんな事をすればすぐに襲いかかってくる。

 出来るだけの支援攻撃を受けながらの撤退が望ましい。

「迫撃砲は?」

「今、展開してもらってます。

 あと少しで設置が終わるとか」

「なるべく急いでもらいたいな」

「使い方を知ってる奴を向かわせてるから、もうすぐでしょう」

 その言葉通り、タクヤ達の所にいる迫撃砲を操作出来る者が移動していた。

 そもそも使える者が少ないので、送り込まなくてはどうにもならなかった。

 一度設置すれば、あとはそれほど難しくもないので、砲撃には手の空いてる者をあてる事が出来る。

「ついでにやり方もおぼてくれればいいけど」

「さすがにすぐには無理ですよ」

「だよなあ」

 分かってはいるが言いたくもなる。

「ま、それまではこっちの方の敵を少しでも倒しておこう」

「ええ、何とか踏ん張ってみますよ。

 でも、出来るだけ早く逃げ出したいですね」

「まったくだ」



 突破した敵の流れを挟んだ向かい側は既に撤退している。

 その為、流れこむ敵の勢い大きくなっていた。

 それらが背後にまわり、戦闘も始まっている。

 これ以上この場に留まるのは不可能だった。

 その為の撤退である。

 現場の死守などやってられない。

 やるにしても、もう少し効率よくやらねば意味がない。

 上からの命令には背く事になるが、タクヤはそう判断して行動をしていた。

 どうせ死ぬなら、無意味にすり潰されるのではなく、敵にそれなりの打撃を与えておきたかった。

 そう思いつつ、とりあえず目の前の敵を攻撃していく。

 撤退予定地から連絡が入ったのはそれから十数分ほど経ってからである。



「迫撃砲、準備出来たそうです」

「じゃあ、やってもらってくれ」

 後方から連絡が入り、その時が来たのを感じ取る。

 タクヤはすぐにこの場にいる味方に通信を入れていく。

「よーし、おまえら。

 トンズラするぞ。

 砲撃がきたら決めた通りに動け」

 あちこちから「了解」と返ってくる。

「置き土産も忘れるな」

 そう付け加えた。

明後日12:00に続く予定

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新しくやりなおしてる↓
『異世界開拓記 ~トンネルの先は異世界だった~』
https://ncode.syosetu.com/n8924fg//

前編にあたる話はこちら。
『異世界開拓記 ~トンネルの先は異世界だった~』
https://ncode.syosetu.com/n5916es/

ブログのほうでも幾つかは掲載している。
『よぎそーとのブログ』
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/
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