103話 中間大陸における業務 14
「……ようやくか」
作業における指示を見て呟く。
手にした指示書には、モンスター駆除の日程などが書かれていた。
採掘予定地への偵察が頓挫してから一ヶ月ほどが経過している。
その間、モンスターの出現した地域を中心に調査に回されていた。
また、より多くの弾薬をもって、採掘予定地に出向いたりもした。
なので、本来の目的の方は達成している。
だが、本格的な地質調査などをするためには、邪魔になるモンスターをある程度は駆除しなくてはならない。
それにタクヤ達も参加させられる事になっている。
「休む暇もないですね」
「まったくだ」
タダヒロの言葉に頷く。
作業後の休息は与えられてるのだが、休んだ気が全くしない。
休みが終わればまた同じ作業に投入されていたからだろう。
目的が達成されずにいる事が、休みを休みと感じさせなかった。
そのせいで気分が重いままである。
「でも、これで区切りがつくな」
結果がどうなるか分からないが、駆除が終われば一段落はつく。
その後にまた作業が待ってるだろうが、気分を切り替える事は出来る。
人間、一つの事に長期間携わってると気分が滅入っていく。
区切りも仕切りもなく、延々と続いてるというのは、結構な負担になる。
この一ヶ月はまさにそんな調子であった。
「本当に、長かったですね」
「たかだか一ヶ月だってのにな」
その一ヶ月が本当に大変だった。
いつ終わるのか、いつ終わるのかと気を揉んでいた。
本来の業務と平行して行っていたから、というのもあるだろう。
今のタクヤ達は偵察が主業務となる。
これとモンスターの駆除を、ほぼ平行して進めていた。
実質的に二つの業務を掛け持ちしてるような状態である。
偵察の方は開店休業に近い状態だが、タクヤ達にかかる負担が大きくなるのは当然だ。
その事が気分を重くしていたのだろう。
なので、これが終われば元の業務に戻れる、元の業務だけをやればいいという事になる。
実際には、今後も様々な業務を平行して行う事もあるのだろうが。
その事については全く考えず、考えつく事もなかった。
とにかく今この状態が終わってくれる事だけに意識が向いていた。
終わりが見えるというのは結構大きな要素である。
延々といつまでも続くか分からないというのとは違う。
何が辛いといって、終わりがないというものがかなりつらい。
特に仕事というのは、何かしらの区切りが必要である。
今まではそれが見えなかったから辛いというのがあった。
そこから解放されるとあって、タクヤ達は早くも緊張から解放された気分になっていた。
「もうちょっとだけ頑張るか」
「そうですね。
あと少しですし」
そう言いながらタクヤ達は仕事に向かっていった。
実際には、それほど簡単にはいかないだろうと思いつつ。




