102話 中間大陸における業務 13
手間はそれだけではない。
モンスターがいると思しき地域まではそれなりの距離がある。
そのため、駆除をするにしても活動拠点が必要になる。
その為の場所をどうするかでまた悩みが出てしまう。
何せ大量の部隊を動かすのだ。
それなりに広大な場所が必要になる。
司令部に食堂、燃料や弾薬の集積にそれらの補給する設備。
これらを設置する場所が必要になる。
どのみち、一日で全てが終わるとは考えられない。
短期間だけでもその場に寝泊まり出来るようにせねばならない。
さすがに常駐する必要はないだろうが、一時的に集結する場所は必要になる。
その為の場所選定も必要になっていった。
様々な機材も。
モンスターが大量に出て来ただけでこれである。
可能な限りの安全性と、作業効率を追求したらやむをえないのだが。
それでも与える影響は大きくなってしまう。
当初の計画にも修正が必要になっていく。
遅延はどうしても避けられない。
せねばならない作業ではあるが、その為に各所にかかる負担は尋常なものではない。
今回の駆除で必要な人員を各所から引き抜く事になる。
物資も当然ながら必要になる。
それらを集めてる間、他の部署の作業を一時停止にせざるえない。
駆除が終わって作業を再開したら、今度は遅れた分を取り戻す為に無理をする。
事情が事情なので多少の遅延、計画の延期はやむをえない。
だが、事業としてやってる以上、遅延や遅滞は極力避けたいところである。
それらが起これば、その分だけ損失も増える。
やむをえないとはいえ、それらは出来るだけ避けたいというのが、一井物産としての考えではある。
もっとも、こういった予想外の出来事は織り込み済みでもある。
計画も、何かしら問題が発生して、作業の停止や停滞が発生する事を組み込んでいる。
今回の出来事はその一つであり、極端に大きく進捗が滞るというものでもない。
それにこれまでの開拓において、こういった事態はしょっちゅう起こっている。
今更慌てるような事ではない。
それでも手間がかかるので、出来れば発生してほしくないというだけだ。




