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またこの季節がやってきた

作者: αβ

またこの季節がやってきた。

街中で桜の花が咲き誇っている、この季節。


花に劣らず、街の人々の目もきらきらと輝いている。

これからもここで過ごす人、新しくここに訪れた人。

今日もたくさんの人で溢れている。



この風景を見て、ふと思い出した。





君と出会った日も、ちょうど二年前の……この季節だった。





☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..


4月中旬、俺はとある部屋の前で1人佇んでいた。



(ほ、本当にここでいいんだよな……?)



俺は以前、一緒に遊んだりバトルをしたりするチームを結成するのでメンバーを募集する、という掲示を見かけてそのまま応募したのだ。

そして2日前結果発表があり、何とそれに受かっていた。



(めっっっちゃ緊張する…………でも、折角受かれたんだし、ここで引き下がる訳にはいかない……!)



意を決して、中に入ろうと扉を開けた。

と、思ったら既に誰かいるみたいだった。



「(とりあえず何か言わないと…)…こ、こんにちは」



「あっ、こんにちは。初めまして」



その人は俺に気づいて振り返り、返事をしてくれた。

なんて返せばいいのか分からなくて、俺は少し慌ててしまった。

俺のその様子を見兼ねてか、そのまま言葉を続けてくれた。



「えっと、これからよろしくお願いします」


「は、はい、こちらこそ」



☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..


この後は他のメンバーもたくさん集まってきて、一気に賑やかになっていった。

皆で一緒にゲームして遊んだり、色々なところへ出掛けたり、新しい出会いや別れもあって、時には喧嘩したこともあった。

とても充実していたし、何より楽しかった。

そして…………俺もそろそろ、この気持ちに決着をつけないと。



「(あれからもう2年か、時間が経つのってあっという間だな…)」



今日は皆でチーム結成2周年を記念したプライベートマッチの予定がある。ちょっと忙しくて遅れてしまったけど、もう始まってる頃だろう。



「遅れてごめん、まだやってる?」


「あっ来たー!次の試合から一緒にやろ」


「うん」



まだ終わってはないみたいで良かった。

そして集まった皆で記念写真を撮って、たくさん遊んで……日が暮れるまで楽しく過ごした。



「2周年おめでとう、これからもよろしくね」



そう言って、今日は解散した。


………………今年も言えなかったな。

頭では理解しているのに、相手に伝える言葉にすることが出来ない。俺にはそれを言うための勇気もないのかもしれないけど。



「……俺って肝心なところでダメだな」



ため息混じりにそう呟いた。



「なにがダメなの?」


「え?……」



後ろに人がいることに全然気が付かなかった。

しかも……



「……いちご、何でここに?帰るのこっちだっけ」


「ううん、違うよ」


「じゃあ何で……?」


「あのね、伝えたいこと……伝えなくちゃいけないことがあるの」



俺は驚きと少しの疑問を抱きつつ、彼女の方をしっかり見た。

いつになく真剣な表情……が、少し緊張しているような気がするのは気のせいだろうか。



「…………棺、実は私ね…… _________」

なんて言ったのかはご想像にお任せします:D

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