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マッドワールド(番外編)  作者: 海崎 音楼
2/2

かなりの長文だよー(´∀`=)

残酷描写もあります苦手な方は「ゴーストライフ?楽勝でしょ!」

の方をお願いします。

私の名前は海導 ノア。

私にはお兄ちゃんがいた。

今はもういない。

私のお兄ちゃんは死んでしまった。

お兄ちゃんとはよく遊んでもらった記憶があるが顔ははっきり覚えていない。

何せその時の私はまだ幼稚園児だったから。

お父さんは研究者でお母さんは家の事をしている。

でもお母さんも昔は研究者でお父さんと一緒のお仕事をしていたらしい。

動物の進化などの生物の研究をしているらしい。

お兄ちゃんはお父さんみたな研究者になるため頑張って勉強してとてもいい大学に行けたらしい。

でもお兄ちゃんは買い物の帰りの途中で通りかかった人にナイフで刺され死亡したらしい。

その後お兄ちゃんを刺した人はすぐに捕まったらしい。

事情聴取でその人はかなりの薬物中毒て事がわかった。

すぐ葬式もやったがその時の私は何が起こっていたのか理解できていなかった。

今私は中学生、お兄ちゃんの叶えられ無かった夢を叶えるため必死に勉強して小学校のうちに私立受験をして成績も学年上位になり来年からは高校生。

部活動もお兄ちゃんがやっていた剣道にした。

お兄ちゃんは二刀流なんてやってたみたいで私も真似してやってみたが流石にこれは無理だった。

お兄ちゃんが今の私を見たらなんと言うだろうか。


「ノアー。ご飯出来たわよー。」


「はーい。」


呼ばれた私はタッタッタと階段を降りて食卓についた。


「おはよう、ノア。今日はテストだろ?ちゃんと勉強したか?」


「もちろん!前回はオール100点は出来なかったけど今回はオール100点取るよ!」


「ははははは、それは楽しみだな。そうだ!このお守りとあげよう。」


と言って私に十字架のネックレスをくれた。

いつも朝はお父さんといろんな話をしている。

お父さんは帰りが遅いから話せるのはこの時間帯だけだから。

朝食を食べ終わると歯を磨きカバンを持って学校に行こうとする。


「おっと、そうだ。」


と私はそう言って仏壇の前まで行き


「言って来ます!お兄ちゃん。」


と言って学校に行った。

私はいつも学校に行く前やどっかに出かける時はこうやってお兄ちゃんに行って来ますと言う。

そう言うとお兄ちゃんが見守ってくれていると思うから。


「おはよう!ノアちゃん。」


と後ろから声がした。

振り向くとそこには幼稚園の頃からの友達一華さんがいた。


「おはよう!一華さん。」


「も〜なんでいつも、さん付けするのー?幼稚園からの仲でしょ?」


と毎朝そんな話をしている。

一華さんをさん付けしてしまうのは名前のせいだと思う。

ちゃん付けや呼び捨てにして呼ぶよりさん付けで呼んだほうがしっくり来るから、かな?


「ふぁー、眠い。朝までネットやってたからかな?あーテストで寝ちゃいそう。」


一華さんはいつもネットで遊んでいるみたいでたまに学校を休んでいる。

何やってるの?と聞いても悪者と戦っている!としか答えてくれない。


「あははは、寝ないよう頑張って。」


そう言って学校に入っていった。

一華さんとはクラスが違うからここからは離れてしまう。

その後はテストをやって昼食を食べ下校といった流れ。

今日はテストだけなので帰りがいつもより早い。

テストの出来が良かったので少し浮かれた気分で帰ろうとしていた。

これから悪夢が訪れるとも知らず。


「ただいま。」


私はすぐに異変に気が付いた。

いつもならすぐ返ってくる「お帰り」と言う言葉が返ってこない。


「お母さん?いないの?」


私はリビングに繋がっているドアを開けるとそこには目をそらしたくなるような光景があった。

お母さんは倒れていて赤色の液体が広がっている。

椅子にはお父さんが腰をかけている状態でこめかみに穴が空いている。

私が出かけた後に抵抗することも無く殺されたのだろう。

その証拠に暴れた後などが無い。


「お、、、母、、さん?、お父、、、さん?」


だが当時の私はそんな細かいところまでは見えていなかった。

今の状況を理解するのに頭がいっぱいだった。

いや理解したく無かった。

理解した時には


「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、、、」


ただただその場に崩れ落ち頭をおさえ泣き叫ぶ事しか出来なかった。

その声にきずいたお隣りさんがすぐに駆けつけすぐに警察に連絡してくれた。

警察はすぐに駆けつけくれたが犯人が捕まる事が無かった。



それから数年後私は警察官になり特殊捜査一課に所属した。

ここでは未解決ファイルの捜査や犯人の説得などといった物を取り扱う場所だ。

私は私の家族を奪ったやつを見つけるためにこの捜査一課を選んだ。

回りからはあるだけで邪魔な一課などと非難の目で見られている。

私は今、龍崎 斗真とうまという男とバディを組んでいる。

この男も私と一緒の事件について捜査をしているみたいだ。

こいつは正直何を考えているのかわからない男だ。

捜査の途中突然いなくなったと思ったら、突然現れ重要な手がかりを掴んでくる事もある。

しかし何も無い時は捜査とは別の話をしてくる。

一緒に食べに行こうとか一緒に出かけようとかそんな事ばかりだ。

そんな暇があるなら捜査しろと言っていつも断っている。

だがある時斗真は凄い情報を持って来た。

私の家族を奪った奴らのアジトを見つけたらしい。

今はその場所に車で向かっている途中だ。


「ねぇ、斗真この情報がガセじゃ無く本物で奴らを捕まえれたら一緒に食事に出かけてやってもいいかな?」


「まじっすか!それは嬉しいですね。、、、」


最後に何か言っていたみたいだが聞き取れない程小さかったので気にしていなかった。

それより今の目の前の事に集中だ。


「ここ?」


見た目はぱっと見廃墟になったホテルだ。

場所も結構山の中だ。

確かによく考えれば不自然なものだ。


「はい、慎重に行きましょう。」


と言ってM92を構えゆっくりと進んで行った。

ホテルの中を探し回ったが人の気配がまるでしない。


やはりガセか?


そう思った時無線通信機から


「ノアさん、下につながる隠しドアを見つけました。」


と声がした。

もちろん斗真の声だ。


「わかったすぐ行く。」


私はそう言って電子マップを開き斗真の位置を確認しすぐに向かった。


「早かったすね。」


「このドアか?」


「はい、本棚の後ろにありました。」


ガチャとドアを開けると確かにそこには下に続く階段があった

ゆっくりゆっくりと降りて行きまたドアがあった。

ドアを開けるとそこには廃墟のようなボロボロな感じでは無く壁、床、天井が全て真っ白で研究室を思い浮かべる。


「なぜこんなところにこんな場所が?」


「まぁとりあえず捜査を続けましょう。」


そう言われいろんな部屋を探したがよくわからない機械がたくさんあるだけで人がいない。


「この部屋でラストか。」


そう言って開けると細長い道が続いていた。

奥に進むと広い空間に出た。

中央まで進むと来た道がガシャンと閉ざされてしまった。


「なんだ!?」


「ククククク、やっとあなたをここまで誘い込めた。」


「斗真なにを、ク!?」


バリバリっと電流が身体中に走った。

背中を見るとスタンガンを押し当てられていた。


「ノアさん、ちょっと気が緩んでませんか?ダメですね〜」


「斗真、、、どう、、して。」


「どうしてですか、その答えは僕があなたの探していた犯人ですから。」


斗真はアハと不気味に笑った。


「きーーーさーーーまーーーーーーー!」


体を動かそうとするが神経が麻痺して動かない。


「アハハハハハ、いやー実に面白かったよ。君があの事件の犯人を捕まえようとしている隣に犯人がいるその光景。笑いを堪えるのに必死だったよ。」


「殺す!殺してやる!この手で殺してやる!殺す!殺す!殺す!殺す!」


「はいはい、女の子が殺すなんて言葉言っちゃいけないね〜。僕はあのデータさえ素直に渡しておけば殺さずに済んだんだよ?君のお父さんめんどくさい事にあのデータの居場所を言わなかったんだよね。家中探しても無かったからほんと焦ったよ。でもその後すぐに君が持っているって言う事がわかったんだ。ネックレスに隠すとは盲点だったよ。しかも君いつも肌身離さず持っているんだものこう言う手を使うしか無かったんだよ。」


奴はそう言いネックレスを剥ぎ取られた。


「返、、せ!貴様が、、触る、、な!」


「おおー怖いね〜。そんなに睨まなくてもあのデータを回収したら返してあげるよ。」


奴はそう言いポケットから小さいタブレットを取り出し十字架の先端部分を取り外しタブレットにつなげた。


「回収完了!はいこれ返すね。」


クソ!意識がもうろうとして来た。


「君はもうよう済みだけどどうしようかな?返すわけにもいかないし、、、そうだ!このデータの初実験体にしてあげるよ。よかったね、君の大好きなお父さんが見つけた研究で死ねるかもね。」


そこで私の意識が途切れた。



「こ、ここは?」


目を覚ました私は白いテーブルの様な物に張り付けられていた。


「ヒッヒッヒ、お目覚めですか?」


と声がした方を見るといかにもマッドサイエンティストといった感じの見た目をしていた。


「おーおーそんなに睨まないでください。せっかくのお美しいお顔が台無しですぞ?ヒャヒャヒャ。

そう言えば自己紹介がまだでしたな。私の名はフィージ、君のお父さんと同じ研究をしていた者です。

ある時君のお父さんは独断でその研究の最終段階までいった。しかし君のお父さんは組織のやる事に不満を覚えデータを盗んだ裏切り者だ。」


「黙れ!貴様らの様な奴らと一緒に働くのが嫌になるのは当たり前だ!」


「なんとでも言うがいい。この研究が完成すれば莫大な金が手に入る。君が最初の実験体だ光栄に思うがいい。」


フィージはそう言いながら近くにあったパソコンを操作した。

すると隣の壁がプシューッと開いた。

そこから緑色の液体が入った注射器を取り出した。


「ヒッヒッヒ、見るがいい。これが君のお父さんが開発した物だ!まぁ見ただけでは何かわかるわけないか。これは人間の体の仕組みを組み替えるのだ。人間とは知能のみを発達させてここまで世代を続けさせる事が出来た。しかし物理的な強大な力を発達させ世代が続いている生物や己を守るためだけの力を発達させ世代が続いている生物などがいる。その生物達は皆一つの部分しか発達していない。だがそれを一つの生物に全て組み込んだらどうなる。紛れもなくその生物は生き物の頂点に立つだろう。そんな生き物欲しがらない奴がいるか?答えは、否だ。もっともそれを欲しがる組織はどこだか知ってるか?軍だ。その力さえあれば国の一つや二つ、いや全てを支配することも可能にしてくれるのだ!」


「そんな事出来るはずがない!そんな事、国連が黙ってない!」


「ヒッヒッヒ、国連も動かしているのは所詮欲にまみれた人間だ。くだらん約束や同盟など簡単に崩れてしまうんだよ。さてこれがどれほどの力を与えるのか試そうじゃないか!まぁ体が耐え切れずボン!と爆発する確率も低くはないがな。」


そう言いながら私の腕に注射器をさし中の液体を入れられた。


ドックン!


「グァ!?、、、グ、、」


体が、、、熱い。

血が、、高速、、で、、逆流している、、みたい、、、だ。

体が、、、爆発しそうだ。

お父、、、さん、お、、母さ、、ん、お兄、、、ちゃ、、ん


そこで私の意識が途切れた。


「ふむ、見た目に変化無し。じゃあ今のうちに運んでくれ。」


フィージはそう言って手を叩くと扉が開き武装した人が入って来て彼女を別の場所へと運んで行った。



それから数時間後に目が覚めた。


「ここは。」


また違う場所に私はいた。

白くてとても広い空間だ。

物は何も無い。

今は鎖や手錠で繋がれていない。


「お目覚めですか?」


どこからかフィージの声がした。


「おっと、探しても私はいませんよ?あなたには戦ってもらいます。」


そう言った瞬間壁がプシューッと開き中から機械で周りをコーティングされた不気味な生物が現れた。


「なんだ!?こいつは。」


「ヒッヒッヒ、そいつはいわゆるキメラ。ライオンをベースとした混合獣です。さあ始めてください。」


フィージがそう言った瞬間キメラが動き出した。


「ガァーーーー」


腕を振り上げ鋭い爪で切りかかって来た。


「クソ!」


反応が遅れて避ける事が出来ず腕で受け止めた。

ズン!と重力と風圧が一緒になって襲いかかって来た。

しかし潰れる事もなく腕がもげる事なく腕に小さい切り傷がついて少し後ろに下がった程度だった。

そしてその切り傷もすぐに塞がった。

キメラは休ませる間もなく攻撃を仕掛けて来た。

爪による連続の斬りつけ、避ける事しか出来ない。

しかし避ける事数分にある変化が起こった。


バリ、、バリバリ


突如体から電気が発生した。

それと同時にキメラが突っ込んで来た。

そして体にまとう電気にあたり真っ黒焦げになった。


「な、なんだ!?」


「ヒッヒッヒ、素晴らしい。人は脳に信号を送り体を動かす。その際に微弱な電気が発生しているのだ。

しかしあの薬を投与する事によって発生する電気が量が増えたと言うことか。最高の実験結果ではないか!次はどんな変化が起こるのか楽しみじゃないか。次は対電気キメラを投入しろ。」


奴がそう言うと扉が開き中からキメラが3体投入された。


「まだ来るのか。」


一体のキメラが突進をして来た。

避ける事は出来たが避けたところにすぐさまもう一体が追い打ちをかけてきた。

今度は避け切れずまともに食らった。


「クッ!?」


後ろに飛ばされたがすぐに体制を整えた。

そこにまた一体が襲いかかって来たが今度は横に避けキメラの脇腹に一発入れた。

するとバキバキと嫌な音を立てキメラが吹っ飛び動かなくなった。


こ、こんなに、、、


今の状況に理解が遅れている間に残りのキメラが先に動いた。

一体が爪で攻撃を仕掛け少し遅れて反応して避けたところに見事な連携でもう一体が嚙みつこうとしていた。


「そんなに食いたいならこれでも喰らいやがれ!」


そう言って拳をキメラの口の中に入れ電気を流した。

少しの間ビクビクと痙攣した後動かなくなった。

こっちも腕を噛まれ血が出ていたがすぐに血が止まり傷も跡無く消えた。

最後の一体となったキメラは警戒をして距離をとっていた。

彼女はすぐ近くにあったキメラの死体の鋭い牙をへし折りそれをキメラに向かって投げた。

牙が見事にキメラの目に吸い込まれて行った。


「ガァーーーーー!?」


視界を奪われたキメラはメチャクチャに暴れ回っていた。

キメラの死体を持ち上げ暴れているキメラに向かって投げた。

キメラの死体が重なって身動きがとれなくなっている隙にキメラの命を奪った。


「ヒッヒッヒ、素晴らしいサンプルがとれた。力は申し分ない次だ、回収しろ。」


彼がそう言うと彼女がいる部屋に武装した人がたくさん入って来て手に持っている銃を構え彼女に向かって撃った。

彼女の腕に注射器みたいな物が刺さった。

彼女はそれを抜いたがその場で倒れてしまった。



目を覚ましたらまた知らない場所に移動していた。

今度は椅子に座らされ手と足を固定されていた。

力づくで外そうとしたがびくともしない。


「クソ!」


「ヒッヒッヒ、力ずくでは無理ですぞ。それは特殊金属を使っているからな。昨日の戦いは見事だったですぞ。」


何度見てもムカつく奴だ。

殺してやりたい。

この手でじっくり痛ぶりながら殺してやりたい。


「いい目しますねー。殺意に溢れたその目。実に、実にいい!その目がいつまで続くのか試して見ましょう。最初は再生力の実験です。私は手を汚すのは嫌なので私の助手が相手してくれますよ。綺麗な顔はせっかくなので傷つけないでおいてあげますよ。一応仮定では部位が無くなってもトカゲの尻尾のように生えて来るはずなのでそこまでやっても大丈夫ですよ。」


そう言うと後ろに立っていた武装した人が動いた。

腰にあるナイフを取り出し彼女の指を一本切り落とした。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、、、」


あまりの激痛が走り血も大量に流れた。

しかしすぐに血が止まり無くなったはずのところに指が生えて来た。

痛みも徐々に収まって来た。


「凄いぞ!凄いぞ!凄いぞ!時間にしてわずか5秒で再生した!まさかこれほどまでとは!」


狂ったかのような笑い声が室内に響いた。


「では助手君私は別の研究をしているから君は続けたまえ。」


そう言って部屋を出てって行った。

その後彼女は毎日何回も手の指、足の指を切り落とされた。

時には手首、足首をも切り落とされた。

爪といった細かい部分も剥がされたり体に電流を流されたり高温に熱せられた銅の板を手に押さえつけられたり毒を投与されたり手足を液体窒素で凍らされたり放射能を浴びせられたり銃で撃たれたりした。

その度に言葉では表せられないほどの痛みが走った。

しかし切り落とされた部位は再生スピードを増していった。

それを5日くらい続き今の彼女にはもう痛いという感情が麻痺してしまった。

そして6日目彼女は自らの力で自分の腕をもぎ取った。

すぐに生えて来た腕でフィージの助手の手を握り電気を流し絶命させた。

応援が来る前に固定されていた部分を切り落とし自分の体を自由にさせた。

応援に駆けつけた集団が麻酔銃を撃って来たのを死体で防ぎながら突っ込んで行った。

体にまとった電気を放ち応援部隊を焦がしていってその部屋から出た。

白い廊下を走って進んで行いく。

次々と応援が来るが圧倒的な力でねじ伏せて行った。


なぜだろう、初めての場所なのになぜか道がわかる。

どこから応援が来るのかもわかる。

音だ!私の足音が壁に反響して脳内にマップができている。


頭の中のマップを信じて進んでいくと広い空間にたどり着いた。

そこは斗真に裏切られた場所だった。


「ヒッヒッヒ、逃しはせんぞ!」


という声とともにまたドアが閉まった。

フィージはキメラの背中の上に乗っていた。


「ふふふふふ、丁度いい。私は貴様を殺したいと思っていた。今この場で殺してやる!」


「ヒッヒッヒ、それは出来るかな?この薬を使えば今の貴様でも勝てるとは限るまい。」


と言って例の薬をキメラに打った。

薬を投与されたキメラはだんだんと大きくなって最初の倍くらいの大きさになった。


「ヒッヒッヒ、さあコード003奴を生け捕りする必要はない殺せ!」


フィージは声を荒げながら言ったがキメラは攻撃を仕掛けてこなかった。


「どうした!コード003奴を殺せと言ったんださっさと動け」


フィージがそう言うとキメラは上に乗っているフィージを振り下ろした。


「どぁ!?何をする!コード003私の言うことを聞け!」


「ダマレ、ニンゲン、ワタシ、サシズ、スルナ!」


キメラはそう言って鋭い爪でフィージの腹を貫いた。


「ガハ!?、、、ば、バカ、、な」


フィージは爪に刺さったまま生き絶えた。

キメラはそれを振り払い死体は壁の端まで飛んで行った。


「ニンゲン 、コロス、ワタシ、ツヨイ」


そう言うと目が赤く光りその場から消えた。


「な!?どこに行った!」


消えたと思ったら横から強い衝撃が来た。

全身がバキバキという音をたてて吹っ飛び壁にぶつかった。


「ガハ!?」


速い!


彼女はすぐに起き上がりキメラを目で追った。

しかし目に追えぬ速さで背後を取られ爪で貫ら抜かれた。

フィージと同じように振り払われた。

また体が壁に打ち付けられた。

頭に強い衝撃をくらい小さい脳震盪を起こした。

そこにキメラが足で彼女を踏んだ。

彼女の体はメキメキと音を立てていた。


「グ、、、ァ、、」


「ニンゲン、シブトイ、ハヤク、シネ」


キメラは口を大きく開けて腕を引きちぎった。


「グ!?、、、」


次は頭を食べようとしているのか彼女の目の前で口を開けて嚙みつこうとしていた。


私、、、ここで死ぬのかな?

お父さん、、、お母さん、、、お兄ちゃん、、、今そっちにいくよ。


彼女は死を覚悟して目を閉じた。

しかし来るはずの痛みがこなかった。

それだけではなく上にあった重量感が無くなった。

彼女はそっと目を開けるとキメラは少し震えながら後ろに下がっていた。


「カラダ、アツ、、イ、イ、タ、、イ、イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ!」


狂ったかのように暴れ出してすぐにピタッと止まりキメラの体が膨れ上がり破裂した。

周りにビチャビチャとキメラの肉片が飛び散った。


「なにが起こったんだ、、、」


キメラは薬の力が強過ぎて体が耐えれず爆発してしまった。

しかし彼女はまだそこまで理解していなかった。

彼女が混乱している間にいくつかのドアが開いた。

各ドアから武装した集団が入って来た。

しかし一つのドアから他とは違う格好をした集団が入って来て武装した集団を攻撃していた。

彼女にはその集団に覚えがあった。

彼女が所属している一課とは別に変わった一課があった。

一般的に公開されていない特殊部隊、

DAT(Different Ability Team)


「なぜ彼らがここに。」


次々と起こる出来事に意識をとられ飛んで来た麻酔弾が腕に当たった。

視界がグワングワンと歪んでいき倒れてしまった。

もうろうしている意識の中運ばれて行く感じがあった。



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