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第4話 奇跡の生きる世界

超不定期更新なうです





 「天狗ですよ」そう言った瞬間、彼女はの背中から漆黒の翼が広がり羽が舞い散る。


「天狗………ってあの天狗!?」

「はい、天狗です」


 天狗っていうと鼻が長くて山伏姿のイメージがあるんだけど………長くないよな、鼻。

 でも背中から生えた翼は本物っぽいし………


「一応説明しておきますが…天狗といっても地域や言い伝えによって姿形は異なっているんですよ?あと私は純粋な天狗ではありません。人間とのハーフです」


 ばんなそかな…………なんて言ってる場合じゃない!

 どうやら目の前の美人さんは本物の天狗で、しかも人間とのハーフらしい。

 で、そんな天狗様がなんでこんな所にいるのかを聞いてみる


「貴方も見たでしょう?あの鬼を始末する為に現し世に出て来たんですよ。あの鬼は頭が悪くて放っておくと片っ端から人間を食べてしまうから……困ったものです」


 なるほど理解………出来るわけないだろ、てかなんか自然な流れで説明されたけど本当に妖怪っていたんだな……

 ん?というか現し世?なんだか違う所から来たみたいな言い方だな


「はい、違う世界から来たんですよ?」


 ・ ・ ・ は?


「正確に言うとこの世界の裏側から来ました、と言うべきですかね」


 う、裏側?裏側ってブラジルか?いつの間に妖怪はブラジルに引っ越したんだろうか……


 「当たり前のようにボケないで下さい。裏側というのはこの世界に隣接している…………いや、表裏一体な?……まぁもう一つの世界と認識して下さい」


 ………頭が追いつかん、そんなもんがマジで存在するってのか……


 「ありますよ、鬼や私のような存在がいるのだから不思議ではないでしょう?そしてその世界に貴方も来てもらうんですけどね」


 そうか、俺もその世界に行くのか!

 …………………………………………は?


 いやいやいや、ちょっと待て!なんでそうなる!?話が急に飛んだんですけど!?なんでその世界に俺が行かなきゃならないんだ?


「安心してください、抵抗しても無理矢理連れていきますから」


 何処をどう安心しろと!?……イカン……イカンな、このままでは本当に連れてかれる雰囲気がある。何とかしてこの場から逃げなければ……いや、その前に俺が連れてかれる理由が分からん。

 そうだ!そうだよ!俺が連れてかれなきゃいけない理由なんてないじゃん!


「貴方が人ならざるものになったのを放置出来るわけないでしょう」


 はい、ソウデスヨネ。

 薄々わかっちゃいたがそれではいそうですかと連れていかれるわけに行くか!


 そして俺は瞬時に逃走を図る……………と同時に足払いされ、拘束された


「グエッ!」

「だから逃がすわけないでしょう…これ以上暴れられるのも面倒なのでこのまま転移します」


 転………移?ヤバイ!このままだと連れてかれる!

 今もほら!なんか地面に魔法陣みたいなの出来てるし!


 クソッ!


「はーーなーーせーー!」

「ちょ!?暴れないでください!……なっ!術式がっ!?このままだと転移地点がズレてっ…」


 そうしているうちに視界が光に包まれていく。


 あぁ…………せめてもう一度コミケに行きたかった………









 視界が光に満ちていき、転移が始まる。転移の術式が乱れたまま。


 ま、不味い……このままだと非常に不味い。コイツが暴れたせいで術式が乱れてしまった………これで転移なんてしたら目的座標と全く違う場所に出てしまうじゃないですか!知っている場所ならまだ希望はあるけれど…………。

 クソッ!とりあえず修復出来る範囲で術式を修復しなくては!

 まったく………転移術式なんて専門外もいい所なのに………


 などと思考しながらも彼女は凄まじい速度で術式を修復していく。専門外とは言っているが、これも彼女の才覚の為せる技だろう


 ──これでとりあえず知っている地域に転移するまでには修復出来ましたね………。

 しかし、本来ならこのくらいで壊れるような術式ではないのですが………まさか偽物を掴まされた?………いや、その可能性は低いはず。では何故………?


 そして修復された術式が完全に発動し、より一層強い光が放たれる。彼女の思考もその眩い光に飲み込まれていくのだった








 ちょっ………ま、眩しい。

 そう思った次の瞬間には視界が徐々にクリーンになっていった。


「うっ…………なんだ?俺本当に転移してって………うおっ!?」


 ドサッ


 そんな音とともに5mほどの高さから地面に落ちた……………顔面から


「ムグッ!?………痛ってぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

「貴方は何をやっているんですか」


 そんな呆れたような声とともに例の天狗様が降りてきた。

 そして、その天狗様は俺とは違い優雅に着地する。


「いやいや!普通顔から落ちるだなんて思わないだろ!おかげで顔面が大惨事だよ!」

「そのくらいで騒がないで下さい。そもそも空中に出てしまったのは貴方が暴れたせいなんですから」


 くっ………この天狗め、普通の人間だったら異世界に転移どころかあの世に転移してしまうわ………


「はぁ、少し落ち着いて深呼吸してみたらどうです?幸いこの森は私が知っている場所の様なので遭難して死ぬという事は無くなったのですから。もっとも、それで死ぬのは貴方だけなのでそんなに問題では無かったですが」


 いや大問題だよ!!!なんだよ誘拐されて転移したら遭難して死亡って!全く笑えんわ!……………って、森?


 そして綾人は気づいた。自分が転移した場所が本当に異世界なのだと。

 辺を見渡すと鬱蒼と茂った木々、煌々と光る池、そしてその池から生える巨大な水晶の柱、その周りを飛び回る小さな光、さらには見たことの無い様な生き物達まで……

 そこには地球上では絶対に見られないような神秘的な光景が広がっていたのだ


「スゲェ………………」


 そんな景色に感動して呆けていた俺に微笑み、天狗は言った


「ようこそ〈奇跡の生きる世界〉へ」




次話はもっと長くする…………ように心がけます

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