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元引きこもりの冒険譚  作者: ユルスネコフ
こんにちは、引きこもり
4/41

引きこもりに余裕はない

どうも、ユルスネコフです


今日書いた分はこれで最後です

これからもどんどん書くつもりですので、よろしくお願いします


―――――――少し前のとある城にて―――――とある騎士視点


「はっ!かしこまりました」

「我が国の民は先ほどの地揺れに驚き困惑しておる早急に原因を調べ、民を安心させてくれ」

「わかっております、私の身はこの国に捧げております。それは国王であるザハテス様だけではなく、国民のためにも身を粉にして働かせていただきます」

「うむ、それでは行って参れ!!」

「はっ!」


私はこの国の王ザハテス様に呼び出され、この国を襲った不穏な揺れを調査するよう命じられた

あの揺れは明らかに何かが起こった証拠

ならばそれを調べるのはこの私の責務だ

私は数人の部下を連れ、揺れの中心であろう場所に向かって馬を飛ばした


そこで見たものは大量の犬型魔物が何かを貪っているところだった

っ!!助けなくては!!

そう思った私は部下の制止も聞かずに走り出し

「大丈夫か!?今助ける!!」

そう言って腰に差してある剣を抜き、襲われている者に当たらぬように大胆且つ慎重に魔物を蹴散らし始めた


「隊長!なんかよくわからないですけどお手伝いしますね!」

「ああ!襲われてる者には剣を当てないよう注意しろ!!」

「はーい」

ふざけた返事ではあるがこいつの剣技はすごいものだ

なんせ剣で野菜の皮を剥けるほどだからな


っと…そんなこと考えてる暇は無かったな

襲われてる者を早く助けてやらねば!


「あ、隊長、多分襲われてた人?がいましたよ」

「なに!?ならば周りの魔物を手早く駆除するとしよう!……はぁぁ!!!!」

今まで抑えていた力を一気に開放し、本気で魔物の駆除をはじめた


「はっ!ふぅ…これで最後だな、お前たち!その者は無事か?」

「はい、大丈夫だと思いますよ」


そうか…民を助けられて本当に良かった

そう思いながら部下が救助した者の元に駆け出した

「で、隊長…この人なんですけど」

「ふむ…?このような国民は見たことがないな、最近流れてきた者か?」

「いやいやいや!そこじゃありませんよ!この人ぐっすり寝てますよ!?」

「助かったと安堵して眠ったのではないのか?」

「それが、助けたときにはもう眠ってたんです…もうぐっすりと」

「あの状況で寝てた!?弱いとは言え一応は魔物だぞ!?それに攻撃されながら眠るとは…単純に痛みに鈍いのかそれとも……」



なんて話していたら

「さむっ!ってあれ?あの犬どこ行った!?」




―――――イサミ視点に戻ります


「さむっ!ってあれ?あの犬どこ行った!?」

やけに肌寒いと思って目を開けてみると知らない人が俺を覗き込んでいた


「ふむ、起きたのか。自分がどういう状況だったのか把握してるか?」

「状況?今の状況だと知らない女の人に話しかけられてるってとこですかね」

「貴様!フラスカ様を知らないというのか!!」

いや、知らないけど?…なんて言うと怒られそうだから言わないけど


「よせ、別に私のことを知っているかどうかなんて些細なことだ。それよりも目を覚ます前のことは覚えているか?」

「んー…あー、あの犬で暖を取って寝てましたね、俺。何気にあいつら暖かいんですよ。…もしかしてそのことが言いたいんですか?」

「は?魔物で暖を取っていた?しかも暖かいから寝た?…ありえない」

「あいつらの攻撃は痛くも痒くもなかったですし、途中通りかかった人も痛くないっていってましたけど?」

「確かに痛くはない、だが極微量ながらもダメージは受ける。長い間攻撃を受け続けていると死ぬぞ!?」


え、まじ?

あんな攻撃でも喰らい続けてると死ぬの!?

あーこわっ、これからは気をつけよう


「で、だ。貴様はどこの出だ?我が国の民ではなさそうだが…」

「えーっと?まずここはどこですか?」

やっべぇ、すっかり忘れてたけど異世界に付いたらまずは出身聞かれるのが定番だってあのクソ爺も言ってじゃねぇか!


「ここがどこかわからないのか?ここはフロイデン国だ。…もしかして記憶がないのか?」

あー、記憶喪失か…そういう設定にしといたほうが楽かな…乗っとくか

「確かに記憶があまりありませんが…ふろいでん?という国も記憶にないですし、もしかしたらそうなのかもしれません」

適当に何も考えずに言っちゃったけど、大丈夫か?


「そうか辛かっただろう…よし!私が近くの町まで送ってやろう」

え、まじ?この人めっちゃチョロいわ

「隊長!素性の知れない者をこの国において置くのはよろしくないかと思われます!ここは一度上に相談するか今ここで排除するべきかと私は考えます」

「しかし、このままではこの者が飢え死にしてしまうではないか!それにこのままだと探すのが大変になるだけだ。ならば近くの村で預かってもらい、その間に上の判断を仰ぐべきじゃないか?」

「確かにそうかもしれませんが、私はこの場で排除してしまっても構わないと考えます」

「それが一番手っ取り早いな。だが、その判断は早急すぎる。ここは一度町に預け、上の判断を仰ぐ。これは決定だ、さっさと近くの町までいくぞ!」


あ、この人隊長だったんだ

つまり女騎士で女隊長ってことか…いいな

「一応言っておく、隊長はああ言っているが不穏な態度を取ったらすぐに首と胴が離れると思え、いいな!?」

あっぶねー、不穏な態度は取ってないけど不穏なこと考えちゃった

あの爺さんみたいに読心術使えるやつ居なくて良かった…



「お前は私の後ろに乗れ」

「あー、はいはい」

どうせならあの女隊長の後ろが良かったな…こっちも女だけどツンツンしててあんまり好みじゃないし


心の中でため息を付きながら馬にまたがり、町に向かって走り出した

――――が、そんな簡単にいくわけがなかった


「うわぁぁぁ!落ちる落ちる!!」

「暴れるな!私の腰にしっかり手を回せ!しがみついていろ!!ってどこ触ってる!そこじゃないもっと下だ!!」

「落ちるぅぅぅ!!」




ラッキースケベがあったというのに俺は馬から落ちるという恐怖で頭がいっぱいだったせいでなんの感慨もなく、ただひたすらに女騎士の腰にしがみついているしか出来なかった





初めて馬に乗るとすごく怖いですよね…



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