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イースの大いなる野望  作者: ダメ人間
第一章 ノンストップ・イースフル
4/21

四.TSUISEKI その二

「ククク阿久竹よ。例のモノが出来たぞ。」


 そういってイースフルのマッドサイエンティストこと草壁狂四郎くさかべきょうしろうは阿久竹に依頼されていたモノを渡した。


「おお!ついに出来たか!」


 阿久竹は渡されたモノを見て大いに喜んだ。追跡作戦を部下に説明した際に草壁に頼んでいたモノがついに完成したのだ。


 阿久竹が頼んでいたモノはバイクであった。しかしただのバイクではない。

 バイクは時速300キロをゆうに超えるスピードを出すことができ、バイクに取付けた翼を広げれば空を飛ぶこともできるのだ。その他にも様々な機能を兼ね備えたイース人の技術を集めたバイクである。

 このバイクの欠点といえば装備が多すぎてゴチャゴチャとした見た目の悪さぐらいだろう。

 阿久竹はこのバイクを使ってアウトサイダーを追跡しようとしていた。


「俺の天才的な頭脳を持って作り上げた最高傑作だ。名付けて『ノーデンス』。大事に扱えよ。」


「ああ勿論だ!これでアース人に一泡吹かせてやることが出来るぞ!」


 阿久竹は草壁の最高傑作であるノーデンスを触りながらやる気十分、元気よく答えた。



 4月26日(火)天気は晴れ。


 阿久竹率いるイースフルは北九州の門司港に来ていた。

 門司港はレトロな地域として親しまれており、福岡の観光名所の1つである。

 阿久竹が門司港での戦いを選んだ理由は山口県との県境にあるからだ。


(門司港でアウトサイダーと戦いわざと敗れる。アウトサイダーたちは南に向かって移動するはず。北に行くことはまずない。なぜなら門司港からすぐ北に行けば山口県に入ってしまうからだ。)


 阿久竹は再度自分の考えを整理した。

 アウトサイダーはあくまでも『AWCO福岡支部』の切り札なのである。『AWCO山口支部』の切り札ではないのだ。


「弥生!準備は出来たか?」


 阿久竹は門司港のとある学校の周辺に部下を配置するよう弥生に指示していた。

 今回アウトサイダーたちが着地するのをこの学校になるようにしたのだ。


「こちらはOKよ!そっちこそ準備は大丈夫?」


 弥生の返事を聞き、阿久竹はノーデンスにまたがり調子を確認した。

 ノーデンスのエンジンを動かすと凄まじい爆音が周囲に響いた。

 ノーデンスの調子は良好だった。

 部下たちと連絡をするための無線機器の調子も完璧だった。


「大丈夫だ!問題ない!」


 阿久竹は弥生に返事をした。


 アウトサイダーを追跡するのはリーダーである阿久竹が自ら行うことになった。

 というのもノーデンスを上手く運転できたのは彼だけだった。

 ノーデンスはじゃじゃ馬でクセがあり阿久竹以外のメンバーは上手く運転できなったのだ。


 今回阿久竹の考えた作戦の流れはこうだった。


1.学校の周辺でインスマスを暴れさせる。

2.学校にアウトサイダーが到着。

3.インスマスをすぐにアウトサイダーに近づけさせる。

4.学校でインスマスをご臨終させる。

5.アウトサイダーはご満悦でゆっくり学校から基地に戻る。

6.学校周囲に配置した部下たちの連絡に合わせて阿久竹が追跡開始。

7.fin


 まさに正気とは思えぬ完璧にアレな作戦であった。


 しかしこうでなくてはならないのだ。

 まともな作戦では絶対に歯が立たない。

 つまり奇策しかない。

 そうイースフルが勝利するためにはアホな作戦しかないのだ!


 準備を整えたイースフルのメンバーたちはリーダーの指示を今か今かと待ち構えていた。

 阿久竹は深く深呼吸して無線機器をつかって皆にしっかり聞こえるよう大声で指示を出した。


「ではこれより追跡作戦を開始する!ゲートを開け!」


 阿久竹の指示によりアースとイースを繋ぐ巨大な扉が学校付近の空間に突如出現した。


 空間に出現した扉が開き、中からイース人の誇る巨大人型ロボット『インスマス』が姿を現した。

 インスマスの出現と同時にけたたましい警報が周囲に鳴り響く。

 アース人とイース人の開戦の合図であった。


「みんな準備はいいか?よし!では作戦開始!」


 4月26日(火)天気は晴れ。

 

 この日阿久竹は今後の自分の運命を大きく変える事態に遭遇する。


 その事態が幸か不幸か・・・それはこの時点では誰にもわからなかった。

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