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イースの大いなる野望  作者: ダメ人間
第二章 特攻野郎Yチーム
17/21

十七. 温泉街の悪夢 その四

 阿久竹と六華は温泉街の宿で一泊することにした。もちろん2人の部屋は別である。

 阿久竹は夕食を終えて部屋でまったりしていた。


(あー今日は色々と疲れたな。)


 そう思いながらテレビをつけるとそこには衝撃のニュースが流れていた。


『速報!対イース人兵器完成間近か?』


「なにぃーー!!」


 阿久竹は大声で叫んだ。

 阿久竹の叫びを聞きつけて隣の部屋にいた六華が部屋に飛び込んできた。


「隊長殿!どうしたでありますか!」


「軍曹!このニュースを見ろ!」


 阿久竹と六華は2人で速報ニュースを見ることにした。



 異世界人対策組織『AWCO』の総大将、寺内瑛大てらうちえいたと技術開発部部長の仙水玲香せんすいれいかが記者会見を行っていた。

 2人は記者たちの前に置かれたテーブル席に座っていた。


※先に言わせて頂きます!筆者は軍の知識はありません!以上!


「寺内大将。対イース人の新兵器が完成されつつあるとお聞きしましたが本当でしょうか?」


 記者の1人が寺内に質問をした。

 記者の質問に対し、寺内はニヤリと笑みを浮かべてこう言った。


「ああ、記者殿の質問通り、対イース人の兵器が完成しつつあるのは間違いない。」


「「おお!」」


 寺内の断言により会見場はガヤガヤと騒がしくなった。

 騒いでいる記者たちに対し寺内は右手を上げて制した。


「記者の皆様方、これから技術開発部の仙水部長が詳しく説明いたしますのでお静かに願います。」


 寺内がそう言うと記者たちは仙水に対しカメラで写真を撮りまくった。

 カメラのフラッシュでピカピカとテレビの画面が激しく点滅した。

 しかし写真を撮られまくる仙水は腕を組んだまま一向に喋ろうとしなかった。

 そんな仙水の様子に記者たちが騒ぎだしたが、それでも彼女は喋ろうとせずに無言を貫いていた。

 そんな中、記者たちの1人が仙水の気持ちを察して周りの記者たちに静かにするように働きかけた。

 伝言ゲームのように次々と静かになるよう伝令が伝わり、ようやく会見場が静かになった。

 会場が静かになると仙水は腕組みを解き、右手をテーブルの上に乗っけて人差し指でコンコンとテーブルを数度叩いた。そして重い口を開いた。


「寺内大将がご命令になって静かになるまで3分34秒かかった。記者たち殿にはもっと迅速な対応をお願いしたい。」


 仙水のこの発言、そしてするどい目つきと右手の動作で会場の空気が一気に凍りついた。


『民衆が自ら黙るまでひたすら待つ。そして一種の独特の緊張感を持たせる。』


 これは某独裁者が実際に使用していた演説方法である。

 仙水はこれを実際に使用し、自分たちの言葉に重みを持たせようとしたのだ。

 そんな仙水に対し寺内が小声でそっと耳打ちをした。


「仙水部長。ここは軍内の会議ではないのだよ。もう少しやわらかめに頼む。軍人ではない国民が見ているのだから、あまりきつ過ぎるのはマズイ。」


「・・・わかりました。確かにきつ過ぎましたね。自重します。」


 仙水は記者たちとカメラに向かい頭を下げた。その動作で思わず記者たちも同様に頭を下げた。

 会場は完全に彼女にのまれていた。


(・・・確かにやり過ぎたな。癖というのは恐ろしいモノだ。)


 アースの軍隊では女性というだけでなめられるのだ。

 軍内でなめられないように常に強気でいた彼女は癖で強気な態度に出てしまっていた。

 しかしこの強気な態度のおかげで彼女は短期間で軍の幹部にまで上り詰めることが出来たのだ。


(うーむ。では少しやわらかめに喋るようにするか。)


 そう思い彼女は反省して軽く咳払いをして喋り始めた。


「ではでは新兵器について詳しく丁寧にわかり易く喋らせて頂きまーす。皆さんご静粛にね。」


 皆が心の中でズッコケた。

3分34秒ですが阪神は関係ありません。

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