第7話☆火災
ルーク
「な……!これは一体!?」
ラフォス
「火事なのかよ!?こんな時に!」
ルーク
「くっ……とりあえずフィナちゃんを探そう!」
ラフォスは何も言わず頷いた。
だが炎により所々崩れていて中に入るのはかなりの危険がつきまとう。
案外大きくない建物をぐるりと見て回ったがフィナの姿はおろか生存者すら確認できなかった。
ラフォス
「どうしよう。中に入れない……」
ルーク
「でもほとんど崩れていて見るまでもなく…」
ラフォス
「ルーク!」
ルーク
「いや…そういう意味じゃなくて見るまでもなく誰もいないって事だよ…おかしいね……」
そこに入り口から男が突然飛び出してきた。
ラフォス
「おい!!大丈夫か!?」
男
「な…んで…こんな事……に……!」
……だが重度の火傷を負い、息も絶え絶えといったところだ……
ラフォス
「フィナはここにいないのか!?」
男
「く…そ………」
男の体からフッと力が抜けた。
ルーク
「駄目だ…息がない……」
ラフォス
「そんな…」
ルーク
「もしかしたらフィナちゃんはここにはいないのかもしれない……」
ラフォス
「…?どういう事だよ!?」
ルーク
「まずこの火事は恐らく人為的なもの……」
ラフォス
「え…!?」
ルーク
「一通り回ったけど、火元が一カ所じゃない……」
ラフォス
「でもそれとフィナがいないってなんの関係があるんだよ!?」
ルーク
「それにこのタイミング……火を放った犯人がフィナちゃんを連れて行ったんじゃないかと僕は思う……」
ラフォス
「……確かに……ってフィナちゃんって言うのヤメロ、なんかキショイ…」
ルーク
「まあいいじゃないか(笑)」
ラフォス
「よくないよ……でもこれからどうしよう…」
ルーク
「生存者はいなかったし…手掛かり、無しか……」
途方に暮れる二人…
ーーーーーーーーー
それよりも二、三分前。燃え盛る大聖堂の前に立ち尽くしている男が。
*
「な…これは一体……!?」
男は焦って辺りを見回すと見知らぬ男が2人いるのを発見した。
*
「誰だ…?まさか……あいつらがこれを……!?」
男は矢立てから矢を取り出しラフォスの背中に照準を合わせた。
*
「……!!」