第16話☆怒りの力
一行の遠い前方に関所の屋根が小さく見えてきた。
ラフォス
「やっと関所だな〜」
ルーク
「う…うんそうだね……」
ラフォスは足を止めて振り返った。
ラフォス
「?どうしたの?」
ダン
「え!?別に何もないよ……」
ダンの目はわずかに怯えの色があった。
ラフォス
「もしかしてさっきの……恐かったかな……?」
ルーク
「うん…まぁちょっと…」
ルークは少しうつむき加減だった。
ラフォス
「前もこんなことがあった……らしい。」
ダン
「らしいって?」
ラフォス
「昔おじさんと剣の特訓をしていた時だ……」
ルーク
「特訓?」
ラフォス
「あぁ、何年前だったかな?特訓の前日にカナテに行った時、フィナがスリに遭った。その事でイライラしていたし、いつも以上に頑張ろうと思った。で、特訓の最中おじさんは俺を挑発して俺はキレたんだ……」
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バーン
「どうした?そんなもんか?そんなんじゃフィナわ守ることなんてできないぞ!」
ラフォス
「くっ…………………………」
バーン
「!?」
(なんだこの感じ?)
ラフォスの目が殺気立っていく……
ラフォス
「………………」
ラフォスは素早くバーンへと距離を詰めた。
バーン
「!!」
(こんな速さ…まるでラフォスじゃない……それにこの感じ……間違いなく……)
ラフォス
「……………」
シュッバシュッ!
ラフォスは目に見えぬ程の速さで斬撃を繰り出す!
バーン
「くっ!!はっ!ふっ!」
(間違いなく………フォースを持ってる!)
キンッガキィィンキィン!
バーンは必死に剣で防ぐ!
キンッキンッ
ズバッ!
ラフォスの斬撃の一つがバーンの右脇腹を裂いた。
バーン
「なに!?」
(浅いが…まさかやられるとは……!)
ラフォス
「ハァハァハァ………」
ラフォスは少し落ち着いたようだ。
ラフォス
「!!おじさん大丈夫!?」
(僕がやったのか!?)
バーン
「あ……ああ……大丈夫だ……傷は浅いからな……ただ…ビックリしたよ………全く……」
(さっきのアレは……やはりあいつの息子か……)
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ラフォス
「今考えると、なんであの時キレたかわからないな……それにキレた時の記憶が無いんだ……さっきの時もね。」
ルーク
「そうなんだ……」
またしばらく歩くとニルビアの門が見えてきた。
ダン
「あっ!ニルビアの門が見えたよ!」
ラフォス
「よしっ。ちゃっちゃと済ましてフィナを探しに行きたいな!」
ルーク
「国王に簡単に会えるかな〜?」
ラフォス
「うっ…そう言われてみれば……」
三人は門をくぐった。