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第二十三話 家族が出来ました



「もう済んだ~?」


 シロがにやにやとこちらを見てくる。


「ああ」


 そのからかいに不貞腐れたわけでもないが、いつまでも立っている意味もないかと、俺は座る。皆にも促そうとしたところで、何故か俺が胡坐をかいたその上にヒメが座ってきた。


「おい・・・」


「はい?」(にへー)


 その少女の顔はだらしなくゆるんでいた。


「なんでもない」


「そうですかー」(にこにこ)


「・・・・・・・」(あーもー可愛いな!)



「・・・・完全に、前の状態に戻ってる・・・」


「・・・・・?」





「それで、妹にしてくれるの?くれないの?」


「ああ、それ自体はいいぞ?アーシェは・・・俺の妹か娘ってことでいいか?」


「・・・・・。」(ふるふる)


 ダメなのか。どうしたもんか・・・。そもそも、こいつアーリアより歳は上か下か・・・初めに適当に決めたのが仇になったか。そもそも続柄なんて何でもいいじゃないか。家族は家族だろ。


 と、俺が悩んでいるところへ、シロからふざけた言葉が出てくる。


「娘よりペットが良いって」


「は?いやいや、適当なこと言うなよ」


「アーシェは頷いてるよ?」


「・・・・・。」(こくん)


「何で!?」


「そりゃ、まあ、ねえ?」


「はいー。一番長く傍にいても構わない立場ですからねー」


 完全にリラックスしながらヒメが賛同する。


「そうなのか!?」


 そんなヒメの言葉に驚愕する。


 むしろそんな立場があったことに驚くわ!何だよペットって!それは家族なのか!?いや、そういう考えも当然あるだろうが!なんか、なんか違うだろ!


「お兄ちゃんが体全体で何かを主張している・・・」


 座っているので限界があったが。


「と、とりあえず、アーリア達に相談させてくれ」


 あいつらならきっと拒否してくれるはずだ。


「アーリアはむしろ自分からペットに志願しそうだけど」


 いやいや、まさかまさか。




「・・・で、何の話だっけ?」


「・・・・・・・・・・・・何だったっけ?」


「・・・・・?」


「あ、そうでした。オーマのハーレムにシロちゃんとアーシェちゃんを・・・」


「ああ、そうだったそうだったぼくが聖剣っていう話だった」


「本気で忘れてたな」


「・・・・・。」(ふるふる)


「あれ・・・・?あのオーマのハーレムをと」


 聞こえなかったのかな、と続けようとするヒメに構わず、俺たちは会話を続ける。


「さて、じゃあ聞かせてもらおうか、聖剣について」


「うん、実はね・・・」


「・・・・・。」(こくん)


「むう~~」


 ヒメの野望については触れない方が良い気がする、三人一致でそう決まった。


 そもそも、これ見よがしに二人の前でいちゃいちゃしてそれでハーレムとか、図太いのか、貪欲なのか・・・。


 とにかくこの件に関しては俺がしっかりしようと心に決めた。




 そして、改めてシロの質問への回答が始まる。


「ん~まあ、聖剣って言うぐらいだから、特別な力があるんだ。持ち主を生き返らせるとか。持ち主の希望に沿って形を変えるとか、持ち主が強くなればなるほど、ぼくも強くなるとか・・・」


「待て今、さらっととんでもないこと言ったぞ」


「え?何かおかしかったですか?」


 ヒメは本当に分からなかったのか、首をかしげる。


「いやいや、流石に死んだ奴を何度も生き返らせるなんてありえないだろ!?人智も魔智も超越しすぎだ!」


「そうですか?勇者が死なないというのは割と有名ですよ?童話にもなってます」


「うそ?」


「本当です」


「初耳だ・・・。」


「アーシェちゃんも知ってますよね?」


「・・・・・。」(こくん)


 人族サイドでは有名なことらしい。


「それでも、代償が何かあるんじゃないのか?」


「ないよ?」


「うそだろ・・・・」


 高性能すぎる。それこそ、世の理を覆すレベルだ。だが事実として起こっていることから目をそらすわけにはいかない。


「?オーマだってたくさんの人を生き返らせたじゃないですか」


 固まったままのクオウたちに目をやりながらヒメが疑問を呈する。


「俺がやったのは・・・また毛色が違う。死んだものを生き返らせたのではなく、死にそうだったものを生きながらえさせた。それだけだ。死者が蘇るなんてこと、本来、伝説級の存在が全力を尽くして初めて実現する奇跡だ」


 その上、面倒な代償もある。一緒くたに出来るようなものではない。


「そうなんですか」


 なのに勇者が簡単に蘇ってくるから、俺は恐れているんだ。




「とにかく、それで勇者や、勇者でもないアーシェが復活するのはわかった。戦闘不能の場合に離脱するのも同じことなんだな」


「うん、そうだよ」


「なら、離脱するたびに所有者自身が強くなるのは?」


「・・・・・戦闘不能って、そうそう体験することじゃないんだ。それこそ普通の人なら一生に一回、あるかないか。それを死も含めて何度も何度も体験する。それってすごい経験値になるんだ」


「経験値・・・・確かにありえない経験だが、それで何で強くなるんだ」


「そりゃレベルアップするから」


「なるほどですね」


「・・・・・。」(こくん)


 え、何で、二人は納得しているんだ?レベルアップってなんだ?普通に強くなったことの比喩だよな?その過程を聞いているんだが。


「二人は理解できたのか?」


「はい」


「・・・・・?」


「それ以上の詳しい説明は?」


「無いよ?」


「ならいい、もう・・・・」


「「??」」


 むしろ、この常識の食い違いが一番の異常だと思う。





「だが、何故俺が生き返る?それにアルフレッドも」


「ん~アルフレッドは単純にアーシェの仲間だったからだね。仲間にまで及ぶ僕の力凄いでしょ」


「凄すぎる。それじゃあ、何か?俺が持てば魔王軍すべてが不死になるのか?」


「それは無理。仲間には強い結びつきが必要だから。それに例え結びつきが強くても近くにいないと復活はしない」


「ふむ、じゃあ俺が生き返ったのはヒメの仲間と認識されたからか?」


 確かにそういう意味では納得できるが・・・。


――さすさす


 何故かヒメが俺の手をさすってくる。何だというのか。


「お兄ちゃんの場合はそう単純な話じゃないんだよ。そもそもユーシアとそんな結びつきがあったの?」


「ないな」


「でしょ?お兄ちゃんのは、本当にぼくにとっても、誰にとっても予想外の出来事。バグだった」


「バグ?」


「ぼくはね、聖剣としてではなく、魔王殺しの剣として、もう一つ力を持ってるの。それが、『魔力吸収』。お兄ちゃん、つまり魔王を傷つけるたび、その魔力を奪うことが出来る」


「それはまた・・・・恐ろしい」


「ぶー。恐ろしいとか言うなーこんなに健気な妹捕まえてー」


「ははー、悪い悪いー」


 棒読みになっていなかっただろうか。


「棒読み止めろー!」


 なっていたらしい。


 それでも、本当に恐ろしい力であるはずなのに、それがこいつの力であるという時点で、あまり気にならない。言うまでもなく、俺ももう、こいつのことを信用していた。そう、どんな道具も大事なのは使い手だ。


「そして、もう一つ、持ち主とぼくが認めるには魔力の供給を受けなければならないこと。一回で良いから、魔力を送り込まれないと持ち主には認めない」


「だから父は勇者になれなかったんですか?」


「まあ、それもあるかな」


 クオウは魔力を一切使えないらしい。


「『魔力吸収』に魔力の供給による持ち主認証・・・か。」


 言われてみれば俺が死んだとき、共通点があった気がする。


「うん。お兄ちゃんの死因はだいたい聖剣で貫かれたこと。本当に運が良かった。」


「それは、運がいいのか?むしろ必然な気が・・・」


 俺を傷つけられる武器と言う時点で聖剣しか俺は思いつかない。純粋な魔力や力でも滅茶苦茶に大きければ俺を傷つけることも可能だろうが・・・死に至るほどは、それこそ人族ではありえない。


「と、とにかく、お兄ちゃんを倒した時、いつも通り、ぼくは魔力を吸収した。その時なぜか、お兄ちゃんを持ち主だと誤認してしまった。そして、その瞬間、生き返らせてしまった、というのがバグの内容」


「時間が巻き戻るのはなんだ?」


「それは、ぼくもわからない」


「・・・・・・ふむ、なるほどな。だが、それだと、過去の魔王でも同じことが起こったんじゃないか?」


「ううん、起こってない。だからこれは様々な事情が重なって起こった奇跡のようなバグ。ぼくは、ぼくやお姉ちゃんのお兄ちゃんへの愛が大きかったからだと思ってるけど」


 何を大真面目にいってるんだこいつは。


――ぎゅー


 ヒメが手を絡めて握ってくる。


「・・・・・・・まあ、だいたいはわかった」


 いくつか仮説も立てられるが命を素材にして確かめる覚悟は無い。それにユーシアの件がネックだった。

 時が戻る・・・・もしかしてあの魔法が関係しているのだろうか?




 話をまとめる。


「じゃあなんだ、俺が今生きているのはお前のおかげか。もったいぶって何かと思えばむしろ自慢することじゃないか」


「でも、ぼくはお兄ちゃんを何度も殺した」


「それが何だ?お前はただ使われただけ、そうなんだろ?」


「そうだけど・・・でも―――」


「でも、今、俺は生きている。だったら気にすることない。お前も頑張ってくれてる。むしろお前がいなけりゃ、俺はユーシアに殺されていたかと思うとぞっとするしな」


 そう言い、俺はシロを手招きする。そして素直に近づいて来たシロの頭をヒメも一緒になって撫でる。


「俺にとっては最高の立役者だ。お前がいてくれて本当に良かった」


「ありがとう、シロちゃん」


「う~~~~、お兄ちゃんたちがぼくを攻略しようとしてる~~~~」


「何だよ、攻略って・・・でもそれもいいかもしれないな」


「え?」


「なあ、シロ。勇者の武器なんかやめて俺の武器にならないか?言い方が悪けりゃ相棒でもいい」


 正直のどから手が出るほど欲しかった。何のリスクもなしに不死になる。そんなふざけてるとしか言いようがないほど絶大な力が、奪えるものなら奪いたかった。


 いや、それでなくてもシロという存在には家族として傍にいてほしい。


「あ、・・・・・・うん・・・うんっ!ずっとなりたかった!お兄ちゃんの役に立ちたかった!」


「だから、もうすでに力になってくれてるって」


「にへへ、だってぼくの心も体も、もうお兄ちゃんのものだもん」


「は?」


――ピクッ



 え、ちょ、ヒメの反応が怖い。


「えー・・・どういう意味、だ・・・?」


「言っだよね?ぼくは持ち主の望む形に姿を変えるって。お姉ちゃんは刀、アーシェは槍って風に」


「あ、ああ。それがどうした?」


「だからね、今のこの姿はお兄ちゃんに望まれて形成されたんだ」


「お兄ちゃんを初めて貫いた時、ううん、お兄ちゃんをぼくの持ち主だと認識した時に、初めてぼくの存在が形成されたんだよ?お兄ちゃんが意識して呼んでくれないから姿は出せなかったけど」


「オーマ・・・・」


 ヒメ。


「・・・・・。」


 そしてアーシェ。


「やめてその目」


 濡れ衣だ!と言いたいところだが、そもそもこれはどういう罪なのか。


「お兄ちゃんを持ち主と認識するたびに、ぼくの人格、そして、この姿が作られた。そして、リアン国から持ち出されたあの日、ようやくお兄ちゃんの前に出られた」


「・・・・・・」


 こいつはこいつで語りに熱が入ってるし。


「多分、お兄ちゃんはただ、少しでも多くお姉ちゃんを助ける可能性が欲しかった。だから望んだんだと思う。自分と同じ力を持つぼくを」


「あ・・・・」


「そ、そうだよな!そういう理由だよな!」


 思えばこいつは平然と記憶を奪ったとか言っていたが、そうか、俺の力のコピーだったわけか。


「うん。でも姿形はお兄ちゃんの無意識の理想が現れてるかもしれないけどね!」


「ちょっ!おま!なんでわざわざ爆弾を!?」


「・・・・・!」


 アーシェ!そこで嬉しそうにするな!別に俺は小さい子供が好きでもなければ、お前だってそこまで小さくないだろ!


「・・・・・オーマ?」


「は、はい」


 俺の胡坐の上からこちらを向くヒメ。


「大丈夫です!今夜、ノーマルにしてみせます!」


「何の話だ!!!」




「まあ、そんなわけで、ぼくの力は何度もお兄ちゃんから奪って手に入れた力なんだ」


「ふむ。じゃあ今のお前の魔力は俺を超えていたりするのか?」


 既に四回は殺されている。・・・・俺、そんなに死んでるのか・・・・。


「ううん。奪う魔力は一部だし、人格が形成されてから何度か魔力を使ったから。実は今も、もうほとんど枯渇状態・・・。『あれ』がなければ、そもそもこうして会話することさえできなかったと思う」


「『あれ』?」


「ああ、そっか・・・うん。『真・魔王の角』、あれのおかげでぼくは最後、お姉ちゃんと接触して説得することが出来た」


「『真・魔王の角』・・・シャルが作った奴か」


「うん。あの魔力が無ければ、今もお兄ちゃんたちは殺し合っていたかもしれない。もちろん今が回避できていると言えるわけじゃないけど」


「そっか、シャルのおかげでもあるのか・・・」


「シャル・・・私と旅をしていたそうですが、どんな方なのでしょう?」


「変な奴だったな」


「ちょー、お兄ちゃん、しつれー」


「なら、どう表現するんだお前は?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・変な子だったね」


「・・・・・。」


「いや、まあ良い子ではあったと思うよ?うん」






「オーマ?今は、その角は?」


「ん?俺の部屋にあるけど?でもシャルがいないし今は・・・」


「欲しいです!私もオーマの角、欲しいです!」


「・・・・・。」


 私も欲しい、とアーシェ。


「やめろ二人して言うな。俺の角は一本しかない」


 そこへシロが口を挟んでくる。


「もう一本頭にあるよね?」


 折れってか!わざわざ封印解いて折れってか!


「ヒメには後でやるから・・・・」


 アーシェにはやれない、と暗に含ませる。


「・・・・・。」


 嘘だろ、まじかよ、とアーシェ。


「ごめんねアーシェちゃん。これは譲れない。ううんオーマの為にも譲っちゃいけないんだと思う」


「・・・・・。」(こくん)


 アーシェは諦めてくれた。


 良かった。いろいろな意味で良かった。




「・・・・それで、私が、勇者が、狂化した件ですが・・・」


 そうだ、それが問題だ。もし、聖剣が関わっているなら―――今度は俺が・・・


「あ~それはただ、勇者だからだよ。勇者が精神的な理由で魔王を倒せなくなった時、頭の中をいじくって、ただ魔王を倒すためだけに狂戦士と化す。そういう呪いが、勇者召喚の儀式には含まれてるんだよ」


「なんて、恐ろしいものを・・・」


「・・・・・・その儀式といい、その方法が記された書といい、誰が作ったんですか?」


「・・・・・。」(こくん)


「全ての元凶ってことだよな」


「ごめん・・・・・それは、言えない」


「は?」


「ロックがかけられてる」


「ロック・・・・?」


「だから、言えない」


「ロックってことは、お前の持ち主である、俺なり、以前の勇者なりがかけたってことか?」


「ううん」


「なら、シロを造った人が?」


 ヒメの質問に。


「それも、言えない」


「さっきの質問は否定して、今の質問を拒否している時点で、造った奴で確定だろうな」


「あうあう」


「その創造主や元凶は俺の知らないやつか?」


「言えない」


「なら、俺が知っている人物の中に、お前の創造主や元凶はいるのか?」


「ううん」


「ゆるゆるじゃねえか」


「ぼくは悪くない」


「知らないやつなら今はどうしようもないか」


 それでも、俺の最終目標は決定した。




 絶対にそいつを―――



―――殺す。






~選択肢~


・お前の正体は?


・ヒメは、記憶が戻ったのか?


・何故、俺から聖剣を奪った?


・勇者とは何だ?


・俺たちを取り巻く異常の真実は?


・もういい




 んー、全部聞いたよな・・・?


「・・・・もういい」


 ん?でもまだ何か聞かなければいけないことがあったような・・・・?


「役に立った?ぼく役に立った?」


「ああ、ものすごく」


 頭を撫でる。


「ふふん~」


「て、わけで、ヒメが持っててくれ」


 ヒメに聖剣を手渡す。


「あの、オーマ?」

「お兄ちゃん?」


「ん?なんだ?」


「何で私に渡すんですか!」

「何でお姉ちゃんに渡しちゃうの!」


「え?いやでも、ヒメは勇者じゃないんだから別に問題ないだろ?これでヒメは死なないわけだし一安心だ」


「それだと、オーマが死んじゃうじゃないですか!」

「それだと、お兄ちゃんが死んじゃうでしょ!」


 そんな二人して凄まなくても。


「俺が?そんなわけないだろ、俺は魔王だぞ?」


「何回も死んでる人が言わないでください!」


「四回だよ?もう四回死んでるんだよ!?」


「それはそうかもしれんが」


「とにかく!シロちゃんはオーマが持っていてください!」


 聖剣を突き返される。


「そうだよ。お姉ちゃんはお兄ちゃんが守ればいいの!」


「いやでも、守れなかったし・・・」


「何でそっちは自信なさげなんですか!」


「お兄ちゃん。良い?お兄ちゃんが死んじゃったらそれこそ、全部水の泡になるの。たとえ、お姉ちゃんやアーシェが死んだとしてもお兄ちゃんさえ生きていれば、また再起が図れる。だからお兄ちゃんはぼくを手放しちゃダメ。分かった?」


「それでも俺は、もう・・・・二度とヒメを失いたくない」


「オーマ・・・・」


「もちろんその努力はする。そもそもお姉ちゃんが傍にいれば、お姉ちゃんがぼくを所有した場合と同じ効果が得られるんだよ?」


 つまりは仲間として近くにいればヒメも復活する、と。


「でもその場合、俺も死ぬ必要があるよな。そのとき、俺だけ時間を戻って、ヒメがただその場で蘇るだけだったらどうする?」


 アーシェとアルフレッドで実験したことだ。仲間がいる場合、全滅でなければ復活は起こらない。


「それでも!お兄ちゃんは!ぼくを!手放さない!わかった!?」


 もはや理ではないらしい。ただ、シロの言うこともわかるのだ。きっとこの主張はただのわがままだ。


「・・・・・わかった」


 だから、了承して、聖剣を受け取った。


「・・・・・。」

「・・・・・。」


 それをヒメとアーシェが何か考え込むように見つめていた。




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