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リトライ魔王の勇者攻略  作者: 京洛紫音
外伝―シャルの章―
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魔女と魔獣(Ⅷ)


「よし。ではこれからこの畑を耕そう。準備はいいかい? イーガル」


「畑ってなんだ。耕そうってなんだ」


 晴れた日の朝も早くに、はりきったおっさんの声とイーガルの声が畑の上を伝う。イーガルの疑問に、いつもなら嬉々として答え始めるシャルは今日はいない。別の場所でイーガル同様罰なるものを受けているらしい。


 昨日の外出が、罰の理由らしい。


 そういうわけで、今イーガルの疑問に答えるのはシャルではなくおっさんだった。


「時には自分の頭で論理立てて考えてみようか。目の前のものをよく観察して、それが何かを考えるんだ」


 しかしおっさんは教えない。自分で考えろと言う。目の前のものを見ろとイーガルを促す。


 ウィーチ診療所の裏手には畑というものがあった。イーガルの眼前に広がるのは、地面に草というものが規則正しく、ところ狭しと生え並ぶ異様な光景。草の高さは列ごとに異なっており、赤いものや黄色いものがついていて遠目には鮮やかに見える。


 見た。そして考える。


 背の高い草は身を隠す障害物だ。幾重にも重なる草の陰は壁のようで、その裏にいる何かの存在を隠してしまいそうだ。鮮やかな色は視点を散らす迷彩だろうか。微かな敵影すら背景と混同させる。このことから考えるに、畑とは、まず間違いなく姿を隠すための潜伏ポイントだ。そしてそんなものが拠点の近くにあってはいつ襲われるものかと気が休まらない。もちろん自分達が使うこともできるだろうが、自分達が使う利点より襲われる脅威の方が大きい。ならばいっそ無くしてしまった方がいい。


 つまり耕すとは「この畑を平らにして見晴らしをよくすること。だろ!」


 と、イーガルは自信ありげに、自らの見解を披露する。我ながら欲考えた。


「うん。正解だ! その通り。耕すと言うのは地面を掘り返しつつ適度にほぐして、後に蒔く種にとって居心地のいい状態にすることだ。地を整えると書いて整地とも言う。平らにするという表現はとても的を射ている」


 あっていた。


「うっし。それじゃ耕すぞ」


 イーガルは大きく足を振り上げる。どれくらいの力で踏みつければ畑を跡形もなく消し飛ばせるだろうか。


「おお、やる気満々だね。ならこれを使うといい。クワと言って耕すための道具だよ」


「くわ? 使い方がわかんねえ」


「うん。クワはこうやって、こうっ!」


 おっさんがクワなるものを振り上げてから腰を引く勢いで鋭く振り下ろす。それによっておっさんの前の地面が少し削れるが、それで畑が消滅したとは言いがたい。恐らく見本のために力を抜いたのだろう。


「わかった。じゃあ、せえのっ!」


 快い微笑みを浮かべるおっさんからクワを受け取り、勢いよく振り上げる。そした見よう見まねで力を込めてクワを振り下ろす。


「はあああああっ!!!!」


 全身全霊の一撃。


「あ?」


 しかし、クワの熟達度が足りなかったのか、いまいち力は伝わらず、イーガルの一撃は半端な攻撃力となって地面を叩く。


 それでもその一撃は大きく大地を揺るがし、一瞬世界が白く染まったかのような錯覚をその場の成人男性に与えた後、耕す予定だった不整地と、収穫前の実りを迎えた作物とが、まとめて宙に舞い上がっていた。


 不満顔で振り返るイーガルの視線の先で、おっさんは微笑みを凍りつかせていた。







 その後、おっさんから怒濤の訂正を受け、全力からは程遠い溜めでクワを振り下ろす。前方6歩分しか畑を削れていないがそうするよう強要されてしまった。


 それから太陽が昇りきるまで二人は無言でさくさくと畑を耕していった。たまに出てくるもぐらの魔物を5匹ほど倒しながら、気付けば当たりは柔らかい地面に変わっていた。





「ふう。一段落かな。お昼にしようか」


「まだ、畑が残ってる」


「畑は残すものなのだが。そもそも今の作業は畑を作っていたんだよ」


「?」


 未だに誤解がある様子のイーガルを見ておっさんは苦笑する。


「なんというか。シャーリィは辛抱づよいよなあ」


「なんであいつがでてくんだよ」


 脈絡なく出てきた名前に顔を渋くしながら、イーガルは畑とは別の草が薄く蔓延っている地面に腰を下ろし、昼食の準備を始める。昼食は手作りのお弁当。イーガル作だったりする。これも罰の一環だそうだ。おばさんに作らされた。



「それで、最近はどうだね?」


「は?何が?」


 突拍子のない質問のされ方に、イーガルは当然とぼけるような反応になる。何を聞かれているのか?


「ここへ来てしばらく経つからさ、うちの居心地はどうかな?」


「居心地はいい」


 前の棲み家に比べればはるかに。イーガルは素直にそう思った。襲ってくる魔族はいないし、食料は定期的に用意される。多少の制限はあれど、それが苦にならないほどに楽な生活だ。


「そうか」


「ああ」


 肯定だけして黙りこむイーガルを見て、おっさんは嬉しそうに頷きながら、一方で何か考えるそぶりをする。そして口にする。


「うん・・・。ぶっちゃけ君はシャーリィのことどう思ってるんだい?」


 またも疑問符必至の脈絡のなさだった。


「どうって?」


「好きかい?」


 具体的になった質問に、イーガルは答える。


「ああ」


 好きだ。


「好きなのか!?」


「え、いや・・・。好きだけど」


「えーーーー!!」

(えーーーー!!)


 予想していなかった答えに、おっさん(+覗き見している魔法使い)は完全に虚を突かれた形で狼狽をあらわにする。イーガルもイーガルでその反応に驚く。


「なんだよ急に」


「具体的にシャーリィのどこが好きなんだ!」


(そうっすよ!今まであんな態度だった癖に!!)


「・・・・別にどこがとかは無いけど」


「じゃあなんで好きなんだ!?」


 おっさんはかぶりつくほどの勢いでイーガルに質す。


「なんでんなこときいてくんだよ!」


「父親だからさ!」


「わかんねえ!」


「あーこほん。とりあえず落ち着こうか」


「お前だけな」


 仮初めながら瞬時に冷静さを取り戻す辺り医者という存在として流石と言えるだろう。


「しかし不思議だ。好きならなぜ君はシャーリィに対してああも冷たい態度を取るんだい?」


「は?そんなのうざいからに決まってんじゃん」


「あれえ!?」

(んんー?)


 好きなのにうざい。正反対とも思える二つの感情が両立していることにまたもおっさん(+シャルがつく名前の人)は驚く。


「構ったらそれだけ調子乗るだろ、絶対。それがうざい」


「なるほど。でも好きだと?」


「まあ」


 命の恩人だから。アーリアを助けてくれるから。食べ物をくれるから。それもある。けれど。


「うざいくらい近いのが、今はなんか、嫌じゃない・・・・から」


(なべんだ!)


 シャルが心の世界の真ん中で力なく崩れ落ちる。


(・・・・・うぅ。嫌悪感のあまり心の声まで変なことになったじゃないっすか。何を言い出すんすかあの駄犬! あー、変なこと聞いたせいでなんかまたむかむかしてきたっす。思えば、あいつに会うたびにこんな風に胸が・・・・・。ん?)


「はー。んー。なんというか、あれだ。おじさんきゅんきゅんしてきた」


(きゅんきゅん?)


「あいつには言うなよ。うざくなるから」


 イーガルの目が冷たくおっさんを見つめる。その目に居心地を悪くしたのかおっさんはいずまいを正すように正座してイーガルに対面する。


「とにかく、そういうことなら私は二人のことを応援しよう」


「応援・・・?」


「娘を君にあげよう!」


「いらねー!」

(あげるなっす!)


 よくもまあ心にもないことを。一瞬、そんな考えがイーガルの頭をよぎる。以前、夜に聞いたことを思い出したのだ。


(俺たちは、ここにいるべきじゃないんだろ)




 その時、世界が揺れた。大きく大きく、気持ち悪さを感じるほどに揺れた。


(なんすか、この揺れ!)


 その時、遠くからイーガルを呼ぶ声がした。シャルが診療所の方から大きく手を振っているのが見える。その手がシャルには歪んで見えた。


「あんだってー?」


「聞こえーー・・・ー!!!


 世界が異常なほどに揺れる中、鮮明だった思い出の主の声すら小さくなっていく。だというのに渦中の存在たちは何事もなく物語を続けていく。


(これは・・・まさか)


 たった一人、異変に直面するシャルは、いつの間にか眼前に迫っていた黒い波を見つめる。その波が自分に襲いかかるのをなすすべもなく見つめた。


 黒い、真っ黒い、邪悪なまでの、魔力の波。


 覚えがあった。


(なんでまた・・・、あの暴れん坊勇者様は!)


 シャルを飲み込む黒い波が、ある人物の魔力であることに気付きながら、それでも抗うことは出来ずシャルは流されていく。


 体が有ってなお耐え難かった重圧を、イーガルの心の中、寄る辺もない精神体で受けたシャルは、激流に流される小枝も同然だった。


(帰れるんすかね、これ)


 完全に諦めながら、シャルは落ち着いて現実逃避していた。








 薄れゆく意識の中、変な声が聞こえた。



ーー体験版はここまでとなります。これよりは物語の続きをダイジェストにてお送りします。




「・・・・・はぇ?」


 思わず変な声が出た。






・ダイジェストそのいち


 ウィーチ診療所にて。


「イーガルイーガル」


「イーガル遊ぼ」


「イーガルおいでーこっちだよー」


「もっと私に構えー」


「お手、肉球、肉球を差し出せ」


「あぁ、やっぱり尻尾はいい。もふもふでもこもこで」


「うりうり、ここがええんか、ええのんか」


「この柔らかな触感とキメ細やかな肌触りだけで今年一年はいける」


 どうしてこうなったのか。


 俺はいったい何をやらかしたのか。


 俺が悪いのか? いや俺は悪くない。


 なら誰が悪いのか。


 決まっている。


「いい加減にしやがれ!」


「あ、怒った」


「ちょっとーーーしただけで調子に乗りやがって!近寄るな!話しかけるな!俺に触れるな!どっかいけ!」


「やだー。この尻尾は私の枕ー」


「このやろ・・・」


「私が悪いんじゃない。イーガルのもこもこが悪い。私を捕まえて離さないイーガルの尻尾が、ひいてはイーガルが悪いの。ゆえに私は悪くない。証明終了。大人しく私のクッションに甘んじて」


「俺の体はもこもこじゃねえ!!」


 もこもこの意味はいまいちわからないが語感と使い方を理由に否定する。


「じゃあ狼になって。イーガルの狼の体はすらっとしてて、もこもこじゃないこと請け合いだから」


「本当だな!」


 イーガルはシャルを引き離すために狼の姿となる。氷狼の『氷』の部分は完全に抑制した状態で。また冷気を撒き散らそうものなら大人どもに何を言われるか分かったもんじゃない。 


 そうしたイーガルの弁えがシャルの前には最悪手に変わる。


「もこもこ天国はここにあった。もう離さない。私を駄目にするお布団、もふもふイーガル。さんきゅっぱ」


『離せー!!』







・ダイジェストそのに


 過去の魔王城にて。


「一応聞いておこうか。何をしてるんだ、くそガキ」


 禍々しい邪悪な魔力を発する男がイーガルを睥睨する。単なる背丈の違いが、まるで何倍もの力の差に思えてしまう迫力がそいつにはあった。


「お前が魔王か」


 けれどイーガルは怯むことなく言葉を返す。


「質問に質問で返すな。ほらこれ見ろよ」


「泣いてないのじゃ、怖くなんかないのじゃ。でも殺されるかと思ったのじゃ~ぐすん」


「カリンが年甲斐もなく涙目になってるじゃねえか。何したんだよ」


 男の後ろで赤い服の女がさめざめと強がっている。その女を魔王かと思って殺そうとしたところを、今目の前にいる男に止められたのだ。


 イーガルのターゲットが変更される。


「お前がこの世界で一番強いんだな」


「話聞いてねえし。可愛げのないガキは救えないな」


「お前を倒して、俺が一番強くなる。俺がこの世界を変えてやる」


 その瞳には確かな決意と怒りをこめて。


「おーおー、やれるもんならやってみろよ。その代わり」


「うおらあ!」


「聞けよ!」








・ダイジェストそのさん


 ミツメの町にて。


「オーマさん、こんばんは」


 子連れのアルフレッドが現れた。頭にドラゴンはいない。


「こんばんは。アーシェとは会えたみたいだな」


 向こうでわいわいやっているヒメとアーシェを見つけて、オーマは察しをつける。


 見ているとどうやらヒメとアーシェが距離をとって向かい合っていた。戦いを始めるらしい。町中で加減できるのだろうか、あいつら。


「おかげさまで。オーマさんにはお世話になりました」


「別に」


 大したことはしていない。むしろアーシェが俺をつれ回したのだ。いい迷惑だった。


「照れ屋さん」


「あ?」


 アルフレッドと手を繋いでいる蒼い髪に赤い半袖のシャツの子供が、オーマをからかうようなことを言う。


(ああ。あの時いた俺をふっとばしたやつか)


 苦い思い出に表情が渋くなるのを感じる。


「ご、ごめんなさい」


「別にいいが。それで、これからのこと話したんだろ?アーシェはどうするって?」


「オーマさんについていきたいそうです」


「お前は?」


「僕は、ここでアーシェと別れようと思います」


「そうか」


 特に疑問に思うこともなく納得する。


「今までアーシェに全部任せっきりだったことに気付きました。だから僕は一度」


「ああ、そういうの言われても困るから」


「え?」


「それがお前の決めたことなら、勝手に実現して勝手に貫くしかないだろ。俺にできるのは応援くらいだ」


「あ、ああ、そうですよね。なんか語り出すところでした。でも・・・オーマさん、応援はしてくれるんですね」


「まあな。頑張れよ」


「ひねくれ屋さん」


「リウ駄目だって。シンも変なこと言わせない!」


 その子供がリウとして、シンって誰だ?


「別に良いが。おいお前、名前は?」


「リウ」


「ならリウ、アルフレッドのこと頼んだぞ」


 そう言ってオーマは手を伸ばす。リウの頭へと。


 だがその手は。


――ぱしんっ。


 手痛く弾かれてしまった。


「当たり前」


 頭を撫でるのを失敗した。


「おお、初めて拒絶された!」


「なんか喜んでます?」


「危ない人屋さん」


「ちょっと嬉しーー」


――びゅおん!


 その時、オーマの横を死が駆け抜けた。


「え?」


 今、え、なに?


 地面の石畳がめくれ上がる。猛風が吹きつける。がきんがきんと金属の接触する音がこだまする。それらが一斉に起こってオーマの頭を埋め尽くす。


「その程度じゃないよね!まだまだ行くよ!アーシェちゃん!」


「・・・・・。」(もちのもちもち)


「あいつら・・・」


 先ほどオーマの横を駆け抜けたのはどうやら流れ槍だったらしい。石畳にクレーターを作って突き刺さっている。


 ひゃっはーのし過ぎだ。


「あー、えっと、うちのアーシェがすみません」


「いや、こちらこそ、うちのヒメがすまない、ほんとごめん」


「が、頑張ってくださいね。これから、二人分」


「ああ。そうなるのか」


「なりますねえ」


 ヒメとアーシェという怪物二人を、俺は制御することができるのだろうか。


「ぱぱ、あれやりたい」


「え゛」


「そっちにも一人いるのかもな」


「あははは・・・」





・ダイジェストそのよん


 ドコカノ平原にて。


「危ない!」


「がっ!?」


 突然ヒメに突き飛ばされる。伸びる景色の中、俺を突き飛ばしたヒメは、俺のいた場所で刀を抜き、空に向かって斬り払う。


 その刀は空を切る。文字通りの空振り。当然の筈の結果にヒメは驚愕しているようだった。その驚愕はすぐに俺も共有することとなる。


 刀を空振りしたヒメの向こう側に、黒い鎧甲冑が刀を構えて存在していた。黒騎士。そう呼ぶしかない風体をした敵によって構えられた刀は、俺がその存在に気づくよりも早く、ヒメに対して振るわれていた。


 本来なら防ぎようがない、致命的な隙を突かれた一撃だった。だがその相手がヒメなら話は別だ。ヒメは当然のようにその一撃に合わせて刀を戻していた。


 ぶつかり合う刀と刀。その接触は一瞬だった。


 ヒメがその場から姿を消した。正確にはぶつかった刀の威力によって遥か彼方へと弾き飛ばされたのだ。


 それまでがほんの一瞬の出来事で、俺がそこまで理解できた時には、既にアーシェが打ち負けて横たわっていた。


(なんだこれは)


 急激な状況の変化に思考が追い付かず、頭がぐるぐると回る。ヒメが、アーシェが負けた。その信じられないような出来事に、思考が完全にストップしていた。


 そんなオーマに対して黒騎士は刀を振り上げ炎を纏わせる。


『我が剣に集え、炎煌灼熱の猛り。神を滅す魔の輝きを』


 その声はくぐもっていて正体の判別には至らない。さらに混乱することに黒甲冑が放つそれは俺の技に良く似た最凶の一撃であった。


 誰だ。こいつは。


「全員走れ!死に物狂いで逃げろ!!」


 辛うじて我に返り、シャル、リン、たまちゃんに撤退を命令する。


 同時に自分は彼の技と同等の魔法剣技、『降魔・炎凰聖剣』を放つ準備をする。


 並び立つ双つの火柱。だがその勢いは確実に向こうが上だ。


 せめてもの抵抗に、黒騎士の黒い兜の奥を覗こうと睨み付ける。二つ炎の輝きに照らされたその奥に一瞬だけ火より更に赤い輝きが見えた気がした。


「・・・で、なんでお前ら逃げてねえの?」


 問いかけた先は、今もオーマの傍らにいる仲間たち。なぜ逃げていないのか。疑問に思うオーマに仲間たちは当然のように答える。


「ふん言わせるな」


「そうっすよ。そんなのわかりきってるじゃないっすか」


「ああ、全くだね」


「お前ら・・・、ったく」


 残った仲間はヒメやアーシェとは比べようもないがそれでも最高に心強いーーー


「お前が逃げんと我らも逃げられんのだ!」


「そうっすよ!さっさと逃げろっす!逃げてっす!」


「オーマ、愛の逃避行と洒落こもうじゃないか」


「アアソウデスカ」


 まったく。


 だがここで逃げることはできない。アーシェを一人残す気はないからだ。考えるべきはどうやってアーシェを連れて逃げるか。


 気付けば黒騎士のあげる炎までもが黒々としてきていた。


「やばいって」


 さっさと戻ってこねーかな。ヒメ。









 以上で体験版を終了します。続きは製品版でお楽しみください。




「て、体験版ってなんなんすかーーー!!!」



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