表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初心者でも世界を創れますか?  作者: 陽菜
第一章  独り暮らし満喫編
8/41

インベントリーの中身

アプリを考えるのに一晩かかってしまいました…。


 

 お風呂を出てさっぱりした私は、淡いカーキ色のパスケットチェックのチュニックと紺色のサブリナパンツを発見して着替える。

 ありがたいことに、クローゼットの奥にはちゃんと下着もタオル類も用意されていた。

 さっき来た時には気づかなかったが、お風呂の脱衣場には《洗濯物入れ》と(日本語でも英語でもない文字で)書かれた筒状の籐籠があったので、先ほどの作業で汚れたシャツやオーバーオールを入れてみる。あっという間にその存在が消えていたので、おそらくこれも女神様仕様でクリーニングされたに違いない。


 現実社会に戻ったら、何もできなくなりそうな気がする・・・。


 早速キッチンに立った。

 探索中覗いた時にはシンクやコンロまで背が届かなかったのだが、今は私が使いやすい高さに自動調節(オートマティック)されている。いちいち封印が解けた時に作り直すのも大変だし、本当に便利だよね。包丁もお鍋もいいサイズなんだもん。

 さて、今晩の料理は材料を見てジャガイモのニョッキとミネストローネ(もどき)にしようと思う。


 ジャガイモを洗って二つに切り、水を張ったお鍋に入れて火にかける。トマトとナスと粗微塵にして別のお鍋に入れハタッと気づいた。

 調味料がない!!!!!

 慌ててパタパタとあちこちの扉を開けて探すが、調味料入れはあっても、その中身がない・・・。

 火にかけたばかりのお鍋を見つめる。


 今日は素材の味で勝負しよう・・・。


 茹でたジャガイモと、トマトとナスのスープ(出汁なし)の夕飯は、それなりには美味しかった。美味しかったけど・・・。

 一番先に検索して見つけるのは、調味料の材料だと心に深く誓ったのであった。

 その後で食べた白桃の甘さと美味しさに泣けてしまったのは、許されると思う・・・。



 食事を終え、木製のテーブルに座りインベントリーを出現させる。中に入っているタブレットを出そうとして・・・。


「あーーーーーーーーーっ?!!!」


 なんと、あれほどまでに欲していた調味料がインベントリーの中にあったのだ。塩や砂糖、胡椒やオイルなど一式入っている。

 各々袋や瓶に入っているものを取りだしたのだが、なにやらメモが付いていた。


『とりあえずの量だから、もっと欲しかったら自分で作ってね♪』


 女神様、・・・先に言って欲しかったですが、とりあえずありがとうございます。


 ステータスをチェックしておいて、インベントリーの中身をチェックしていなかったのはうっかりだった。改めて中身のタグを開く。







 ・冒険初心者(ビギナーズ)セット   × 1


 ・アランニール神(めがみさま)特製 冒険者セット   × 1


 ・体力回復液ヒットポイントポーション   × 10


 ・魔力回復液マジックポイントポーション   × 10






 ・新しい世界の創り方 アランニール神(めがみさま)編集 ソフト    × 1


 ・エンデワース国語辞典 ソフト   × 1


 ・優しい家庭菜園 エンデワース版 ソフト   × 1


 ・困らないための植物の見分け方 エンデワース版 ソフト   × 1


 ・分かりやすい!動物・魔物図鑑 エンデワース版 ソフト   × 1


 ・今日からあなたも錬金術師! 錬金レシピブック ソフト    × 1


 ・ワンランクアップ 食材加工 エンデワース版 ソフト   × 1


 ・食材から学べる料理全集 ソフト   × 1


 ・加治屋を目指すあなたに! 武器防具編 ソフト     × 1


 ・エンデワース世界地図 最新版(都市別略図付き)ソフト   × 1


 ・初めての魔法 生活魔法編 ソフト   × 1


 ・最新ファッションカタログ エンデワース版 ソフト    × 1


 ・る〇ぶエンデワース<創刊号> ソフト   × 1




 ・タブレット型PC   × 1


 ・オカリナ   × 1


 ・筆記用具セット   × 1


 ・釣り道具一式(自動釣りあげオートマティックピッキング方式)   × 1


 ・家畜の種セット   × 1










 う~ん・・・。

 ほとんどがタブレットにインストールするソフトだった。使わなそうなものもあるけど、とりあえず全部取りだしてインストールしておく。

 それにしても《る〇ぶ エンデワース》って・・・。しかも創刊号・・・。これは、人型の地に下りる前に読むことにしよう。参考になるかは分からないけども・・・。


 筆記用具はタブレットとかで読むだけじゃなくって、メモとか書き留めたい事もあるから助かるかも。調合部屋にあった、なんちゃって本も有効活用できそうだしね。

 オカリナは、吹いた事がないけれど時間があれば吹いてみようかな?音階さえ分かれば、何か吹けるかもしれない。それに、言葉が文化が伝わらなくても音楽は万国共通!上手くいけば、異文化交流も夢じゃないよね♪


 冒険初心者(ビギナーズ)セットを開けてみると、基本的な武器(片手剣・短剣・長弓・盾・矢・ロッド・(スタッフ))と防具(部分鎧各種・革鎧各種・ローブ・マント)とロープとか水袋とか保存食とか火打石とか、そういうもののセットだった。ゲームっぽいけど親切設定で入れてくれたっぽい。だがしかし、その隣の項目を見て思わずため息をついた。


 アランニール神(めがみさま)特製冒険者セット、内容が初心者セットのチート版と思われる・・・。開けてみるのが怖いので、狩りに行く時に開けさせていただきます・・・。


 釣り道具が入っていたという事は、近くに川か池があって魚がいるんだろう。もしかしたら、水車が回ってる小川にもすでに何か住みついてる可能性もあるし。獣は捌いた事がないが魚なら捌ける!大物が釣れるといいな~。


 家畜の種・・・、見つめて悩む。

 家畜は動物よね? 動物は胎生か卵生で生まれてくるはずで(スライムとかの分裂増殖は別)、種っていうのは植物の増え方のはず・・・。そんな設定したっけ??進化の過程でそうなっちゃったのかな?

 家畜は牛乳だったり卵だったりで必要なので、明日にでも検証してみよう。お肉の件でも影響があるのかもしれないし・・・。

 私は菜食主義者(ベジタリアン)じゃないので普通にお肉は食べるし、むしろ鶏肉は大好きだ。鶏の唐揚げに関しては、愛してると言ってもいい!もしお肉に関する入手問題が解決されるのなら、薬草採取?以外で家の外に出る必要はなくなるし、シールドが常時展開されてるので身の安全は保障されているから、相手に攻撃する必要もない。逆に自分が世話をした家畜をお肉にしなければいけなくなるので、その辺の感情の持って行き方を悩むのだけれど・・・。



 さて、やっと本来の目的である、女神様への報告メールを打つべくタブレット型PC(略してタブレットに統一)を立ち上げる。

 エンデワースにおける季節の有無についてと、畑を豊かにするための農作物や薬草についての検索も忘れてはいけない。

 まず、調べ物をしてからにしよう。分からなかったら報告のついでに女神様に聞いてみる事にする。


 季節に関しては、太陽がエンデワースの真上が軌道になっているのではなくやや南寄りになっており、さらにエンデワースが縦に自転しつつ太陽の恒星状態なので地球と同じように季節があるらしい。丸くないエンデワースが自転しているというのも不思議な話ではあるけれど、そういう事なのだから仕方がない。


 エンデワースの人型の勢力範囲についても、私なりのゆっくり設定ではあるのだが、エンデワースの歴史からいけば一千年単位で変化するのは当然で(そうじゃないと文化が発生しない・・・)、住みやすい土地に移動しているうちに、(エンデワースが山を中心に目玉焼き状態なのは変わらないのだけれど)三つに分けたはずの人口分布は各種族の土地と樹海っぽいものを加えて四つに分かれていた。

 解りやすく言うと、私が住んでいるこの山を中心に北側が魔人族、南側が獣人族(亜人を含む)、東側が地人族(人間?)、西側が樹海。西側の離れ小島に竜族や幻獣達を住まわせているので、案外良い配置になったのかもしれない。

 ただそのせいで制作当初よりもやや土地が狭くなっている。といっても広いは広いので、欲を出さなければ土地も緑も豊かだし水もあるので十分生きていけるはず。

 鉱脈に関しては北の魔人が有利かもしれないが、南の海の豊かさも負けてはいない。地人族の土地は農業が盛んに行われてるようだし、各土地の特徴も出始めていた。

 私時間で一週間もすれば、中世ヨーロッパぐらいの文化に発展しているだろう。となれば夢のファンタジー世界である!その辺りでエンデワースの時間の流れを私時間に合わせ、ゆっくり進めていけばいい。


 次はエンデワース独自の植物について。もちろん今後のためにも調味料の基となる植物の確保は最優先事項である!!


「えっと、砂糖の木に塩の石と胡椒の木・・・塩以外は貴重なんだ(塩の石は沿岸部で割とすぐに見つかるらしい)。この辺に海はないから降りないといけないのかな? でも創った時はここも元々海だったんだから、岩塩とかもありそうな気がする。油の実っていうのもあるのね~、地球だと絞るのに大変だけど、この実の大きさなら一つでも十分いけそう。あとは人型達の精製能力がどこまで進化するかによって変わるかな? あ、唐辛子の花もある!こっちだと実じゃなくて花が辛いのか・・・」


 名前はもちろん微妙に違うのだが(表記ももちろん違うが)、私の頭の中で自動変換されるとそういう表現になる。

 新たに植物を生み出すのも大変なので、やっぱり地球基準で少しずつアレンジ進化させてみたらこうなった。地球とは全く違うものだったらそれはそれで楽しそうなんだけど、これも分かりやすくていい。


 ピロロン♪


 近くで機械音のようなチャイムが鳴る。ゲームだと、メールが届いた時の音。

 画面の上を見ると <アランニール神 からメールが届きました> というメッセージ。


 まだこっちから送ってないのに、もう来ちゃった!?


 慌ててウィンドウを開くと、気軽そうな文章が目に飛び込んできた。










最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。


説明過多の文章についてなど、ご意見やご感想等よろしければお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ