女神様の思いがけないプレゼント
やっとエンデワースに降り立ち?ました。
でもスローライフまでの道のりは遠いです。
ピチュピチュピチュ・・・。
小鳥の鳴き声がする。少しくぐもって聞こえるけど、でも鳥の鳴き声。
もう朝なんだ。
気だるい微睡が勿体無くて、目を閉じたまま寝返りを打って掛け布団を引き上げる。まだ目覚ましは鳴っていないから、珍しく早く覚醒したらしい。
何だか変わった夢だったな・・・。女神様指導の元に世界を創造育成だなんて。
ふふふ、物凄く親切な女神様だったし。めちゃめちゃ美人で、あんなに優しいなんて、普通の一般人?だったらモテモテだよ。笑顔が死んじゃったお母さんに似てた気もする。あんなに美人じゃ無かったのに、何でそう思うんだろう?
つらつらと思いながら、布団の暖かさと柔らかさを堪能する。
うちのベッドってこんなに気持ちよかったっけ?もう少し硬かった気もするんだけど気のせいかな?
微睡が解けて、ゆっくりと瞼を開く。目を瞬いて、暫し。
もう一度目を閉じて、自分を落ち着かせる。深呼吸三回。
再び目を開けると、視線の先には夢の中の水盤がふよふよ宙に浮いていた。
バッと起き上がって、周りを見渡す。
ベッドの足元の暫く先には、木製の可愛らしい丸テーブルと椅子のセットがあり、テーブルの上には小さな鉢植えが飾ってあった。その更に先には大きな窓があり、ベランダに続いている。視線を戻して水盤の横には、出っ張るようにしてウォークインクローゼットらしき扉があった。
目を瞬かせながらベッドから抜け出すと、ゆっくり水盤へ近づく。
ミニチュアの大地や山々の連なる緑豊かな景色。間違いなく私が夢の中で作り上げたエンデワースだった。
「夢の中で夢を見る事って、ないとは思うけど・・・」
念の為に右手で頬を抓ってみる。・・・痛い。
「本当に来ちゃったんだ・・・」
呟いて、エンデワースの中央に位置する、飛び抜けて一番高い山の山頂が光を放っている事に気付いた。
何か異常が発生した?!
慌ててエンデワース越しに宙をタップし、拡大してみる。
拡大した先に見えたのは、山の山頂に木々と植え込みに囲まれた庭付き(畑らしきものも見える)の小さなログハウスだった。
更に拡大すると、ログハウスの屋根を透過して、丸く浮かぶエンデワースを覗き込む白金髪の少女の姿が見る。
「?? ・・・もしかして、今私がいる場所?? でもそうしたらこの娘は何処に・・・」
何気にぽりぽりと頭を掻くと、白金髪の少女も私と同じように頭を掻いた。え・・・・・・??
私が両手で頭を抱えると、視界の少女も頭を両手で抱える。・・・え・・・????
ちょっと待って、落ち着こう。さっきからビックリしまくってるけど、とにかく落ち着こう。
私は踵を返して、鏡がないか辺りを見渡す。
くそー、この部屋ワンルームの私の部屋の倍はある。
そうして(推定)クローゼットの扉が姿見になっている事に気付いて、駆け寄った。
見詰める事暫し。姿見に押し当てた両手がワナワナと震え出す。
「・・・、誰ーーーっ?!!!」
鏡が写しだしたのは・・・。
肩口の辺りで綺麗に切り揃えられたサラサラストレートの白金髪。
大きく見開かれた大粒の瞳は、光の加減によって青にも緑にも見える。
愛らしく高揚した頬の赤さは、肌の白さ肌理の細かさを際立たせていた。
桜色の唇は呆気にとられたように、ポカンと開けられている。
雲を食べて生きていると言われても信じそうな、天使のように整った顔立ちだった。
それに輪をかけるがごとく、小さく華奢な身体はベビーピンク、フリル増し増しのネグリジェを着ている。
そしてあろうことか、もし目の前の姿が私ならば、どう見ても五・六歳の幼女になっていたのだった。
「女神様〜?! この姿でどうスローライフしろとっ?!!!」
届くはずもない叫びを、私は空に向かって放っていた・・・。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。




