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初心者でも世界を創れますか?  作者: 陽菜
第一章  独り暮らし満喫編
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世界の始まりを創ってみる

まだまだ、設定説明です…。

『まず、この水面が海に当たるものなんだけど、どの辺りに大地を創るか決めたら、手を入れてみて?』


 女神様は水盤に手を突っ込むような仕草をして見せる。私は半信半疑で女神様の横に立つと、ドキドキしながらも水面に手を突っ込んでみた。海の部分は水なのに、その先がなんだかフヨフヨしてる。パウダービーズのクッションを握ってるみたい。


『で、クルクル掻き混ぜてイメージを思い描きながら、手を持ち上げて。まだ大地を創る段階だから修正出来るし、だいたいの感じでいいから』


 とりあえず、真ん中から創っていいよね?

 面倒だから、目玉焼きなイメージで中央に大きな山が聳えてて、その周りを段々となだらかな土地にしていって海に繋がる、みたいな?


 掻き混ぜながらイメージを浮かべ、そっと手を持ち上げた。

 ポトリと手から雫が落ちた後、水盤の上に薄っすら靄がかかる。

 やがてそれが晴れると、そこには私が想像した通りのミニチュアな土地が出来ていた。ただ、水面がまだまだ広いから島みたいにも見えるけど・・・。


 目を瞬いて見つめている私に、女神様はふんわりと微笑んでくれる。


『おめでとう。貴女の初めての世界ね』

「ありがとうございます。何だかまだオモチャみたいですけど・・・」

『基礎が大事なのよ。これからカスタマイズ出来るし、新菜の世界がどんな環境なのか、とても楽しみだわ!』


 それから女神様は、カスタマイズの仕方を教えて下さった。要はイメージを描きながら創りたい場所に触れればいいらしい。

 水面と土地の境目を、土地の広がるイメージで触れると、ふわんと靄がかかってから10㎠程その部分の土地が広がっていた。

 もっと細かくカスタマイズしたいなら、スマホの要領で宙を指で拡大するように広げると、水盤の島がシュルシュルと大きくなる。感覚になれなくてビックリしてしまい、慌てて縮小させると、元に戻る。

 その様子に、女神様は楽しそうにクスクスと笑った。


『一々創るのが大変なら、基礎だけ創った後に設定して、時間を進めると言う手もあるの。・・・ただこの方法だとランダム要素が高いから、どう変化するのか分からなくて、たまに思いがけない世界になるのよね』


 苦笑しながら、女神様はその方法も教えて下さる。タッチパネルのように宙に触れると、文字が現れた。横書きのその文字は見たことがない文字だったけれど、読める。海と平野と丘陵地・山の分布比率を打ち込み、そこから派生する川や湖の数、森林部分の割合なんて言う区分まである。


『生物を誕生させると、環境さえ整っていれば、あっという間に増殖していくわ。基本的なものを創っておけば、進化もしていくし。ただやっぱり、人型の方が増殖し易いわね。

 基本的なものを創ると、こっちの項目も増えていくから』


 やはり、この状態だと実感湧かないな・・・。まだゲームみたい。


 女神様に創造を教わりながら、ボンヤリと思う。

 でも、始めちゃたんだから、頑張らないと!


 気を引き締め直して、土地に触れたり、設定してみたりするうちに、何とか私の想像に近い世界が完成した。


 中央に聳える一番高い山から山脈を広げ、さりげなく土地を三つに分けた。各々の場所に国を起こせればいいなと思ってる。

 どの土地も肥沃で水も豊富にあり、森の緑もよく茂っていた。コレなら多分生物も住みやすいと思う。

 生物は、私のいる地球の私が知る範囲の動植物をアレンジして配置みた。

 ウサギには小さな角があったり、水の中で生活する鳥だったり、熊の胸にある模様がハートマークだったり・・・。

 パンの木なんて言う木を聞いた事あるから、それらしいものを植えてみたり(味は分からないけど・・・)。


 …まぁ、動物も植物も進化してもらう予定だから、どうなるかは、私にも未知数なんだよね。

 何でもかんでも決めてしまったら、成長していけないと思うし、観察してみてその都度修正しよう・・・。


 三つの土地にそれぞれの人型を配置する。

 人間と獣人(亜人も含む)と魔人。

 魔人は魔力や知力に優れ、獣人は身体能力に優れ、人間はその中間な感じで。

 その増加率はある程度まで増えたら、低くする感じ。

 増え過ぎたら、絶対領土争いになる。

 今の所土地は余り過ぎるくらいにあるけど、用心にこしたことはない。私はビビリなのだ。


 最初からファンタジーにするって決めてたから、ドラゴンとかももちろんいるけど、魔獣や幻獣なんかはもう一つ離れた場所に小さめの島を創って、その森や山岳部奥に配置してみた。


 人型と一緒だと住みにくそうだよね?

 早速討伐されたら可哀想だし、滅ぼされても困るし。

 飛んで行ったり、海を渡ったりした分は、それも進化って事で・・・。


『さあ、だいたい形になったわね』


 女神様は満足そうに大地を見つめて、うなづく。


『この世界の名前は何とつけるの?』


 女神様に問われて、考えていた名前を口にする。


「エンデワースと…」


 意味はないけど、言葉の響きに私なりの想いを込める。


 どうか、平和な世界になりますように。


 私の願いを乗せて、世界は今ゆっくりと動き始めた。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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