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All or None  作者: blue birds
8/10

All or None : 序章2:姉妹世界β:手違いから始まる、黄泉の旅2:菊池大輔 : none

再生の物語が始まります。

ですが、その先に待つのは、all or noneという現実です。

それを踏まえたうえで、読んでいただけたらと思います。

broken key-none1


ー生の定義3:群れの中の個

             ー悪意1


自分らしく生きなさいと、学校の教師は僕に言った。

自らの未来を思い描き、そこに向かって努力しなさいと。


君たちの未来は、無限の可能性を秘めているのだとも、言った。



――――――そんなふうに授業を進める教師を視て、僕は思った。

ああ、この人はちゃんと、「教師」をしているのだと。


             ー悪意1:社会上の役割を果たす、個の言葉



broken key-all1

ー生の定義3 :個の集合である、群れー悪意1


ある戦犯が、処刑の間際に言い残した一言です。

彼は悲惨な戦争を誘発し、多くの悲しみを生み出しました。

にも関わらず、彼は死の間際まで、自身の行いを顧みることは無かったのです。



「戦争は、なくならないよ。たとえ全世界の人々が戦争を憎み疎んじたとしても、戦争は世界から消え去ったりはしない。

・・・・・・それが、人類の総意であり、選択なんだよ」



             ―悪意1:数千の個から成る、一個の意志



All or None : 序章2:姉妹世界β:手違いから始まる、黄泉の旅2:菊池大輔 : none




「ほんとうに、ごめんなさい! わたし、なんて謝ったらいいか・・・・・・!」




 もう何度目かも分からない謝罪を、死神見習いこと――島蕗鈴は、口にした。

 しっかりと頭を下げ、彼は――じゃ、なかったか。

 彼女は――、だ。なにぶん中世的な輪郭をしていたので当初は間違ってしまったが、どうやら、俺を此処に導いた死神は、少年改め少女だったようだ。



「いや、もういいって。おれだって、そっちの提案飲んだわけだし。

今回の責任は、あんたと俺で、五分五分でしょ? まあ、あん時はこんな事になるとは、さすがに思わなかったけどね・・・・・・」




 彼女は――鈴は一度ピクリと震え、再びスミマセンを口から零した。その後、おまけとばかりに大粒の涙を、これまた大きな瞳にのせた。

 彼女の青と金の二色の色が、左右の涙に投影される。

 俺はそれを視て、場違いにも「案外涙は宝石か?」なんて考えてしまった。



「まあ、ほんと気にしなくていいから。なんか、今日中に返してくれるって話だしね。

・・・・・・まあ、体が生きてるとはいえ、あの事故だったからな――――――

案外、またこっちに速攻で戻ってくるってことになるかもだけど?」




 唇を噛み締める少女をリラックスさせようと、軽口を叩いてみた。

 が、返ってきたの言葉は「スミマセン」。

 ――――いいかげん、うざくなってきた。「そんなんだから、こんな大事しでかすんじゃないの?」と口にしかけたが、やめた。


 見てくれは少女でも、相手は死神らしい。

 こんなところで変に絡んでを恨み買っても、後々面倒くなるだけだろうしな・・・・・・





俺こと菊池大輔は、飛行機事故で命を落とした。

・・・・・・落とした事に、されてしまった。希代のおっちょこちょい、島蕗鈴という死神の失態によって―――と、そんなふうに俺は、彼女と彼女の上司から説明を受けた。



なんでも「実際に死んだ」のは、「宮本慎也」ってやつらしい。

ちなみに、俺の名は「菊池大輔」。まったくもって、別人だ。彼とは、面識すら無かった。


そう、彼の名を知ったのだって、「こっち」に来てからだった。

・・・・・・けども、だ。

「あっち」で面識が無かったかと言えば、そうでもない。



彼の顔写真を死亡確認書で見たが、俺の「隣」に座ってた男だった。

一言二言、会話した記憶がある。まあ、それも所謂社交辞令レベルの会話で、言ってしまえば、それだけの関係だ。


それだけの関係だが、現状を鑑みると、話は別だ。

なぜなら、俺はそいつの代わりに、「間違って死んだ」ことになるのだから。

ただ。



(ただ、この娘が言うには、俺とそいつを取り違えて連れてきたって話だったが・・・・・・けれど、それはおかしな話なんだよな。

だってあのとき、俺は確かに、承諾した。

この娘に、「権利」を渡すと言ったはずなんだが・・・・・・)




あの、絶望的な状況で。

死期を悟った俺の前に、この娘が現れた。

そして、必死の瞳で、俺に訴えたんだ。



「どうでも、いいんだよね? どっちでも、いいんでしょう?

 だったら、「それ」をちょうだい。ぜったいに、「それ」が必要なんだっていってる人がいるんだ」



――――そう、彼女は俺に言ったんだ。

生きる権利を、譲ってくれと。

・・・・・・それに、俺は承諾した。

実際に、俺は死のう生きようが、どうでも良かったのだから。


だが、俺がその一連のやり取りを彼女らに伝えた時、

当の張本人である少女は、「そんなことは頼んでない」とか抜かしやがった。

あまつさえ、「そんな事を頼むなんて、いくら私でも絶対にあり得ないです」と。




・・・・・・・・正直、その対応にはイラッとしたが、受け流した。

俺の言葉に驚きを隠せない少女の瞳が、俺にそうさせたんだ。



(彼女が俺に頼んだんだと、思ったんだけどな。

けどまぁ、本当にそうかって言われると、自信がなくなるんだよな・・・・・・)




俺に切実に訴えかけていた、あの時の、「少年」の瞳。

見間違うはずも無い、蒼と金のオッドアイ。そう、あれほど異質な瞳を、見間違うはずが無い。


見間違うはずが無いんだが・・・・・・・



(あのときの「少年」の瞳は、左が蒼で、右が金だった。

それは、間違いないと思う。けど、この娘の、それは――――)




俺は再び、眼下の少女に目をやった。

そんな俺に気いたのか、少女が俺を見上げる。



交差するのは、二人の視線。

そして、俺の瞳に飛び込んでくるのは、「左が金色、右が蒼色」という、記憶にある少年とは左右対称の、でも、記憶の断片を引っ掻くような、そんな不可思議な少女の瞳だった。












TiPs~そう遠くない、未来





ある一人の男が彼岸に渡り、命の輝きに触れた。

かつての彼は自身の生に価値が見いだせず、生きる屍として呼吸していた存在だった。

けれど、彼は旅を経て変わった。

それは、手違いから始まった黄泉の旅路だったが、

その旅路の果てに、彼は「生の価値」を意味を見いだした。




そして。





そして、そんな彼岸の対岸で。

もう一人の男が、運命に打ち勝った。

手放せぬ生への執念の果てに彼は。

ーーーー歪んだ生を歩む事を選んだ彼は、彼自身の選択故に、その存在に歪みを抱え込んだ。

抱え込み、苦しみ、悩み抜いた末に、彼はねじれた生の定めを乗り越えーーーー彼は、彼女へとたどり着いたのだ。いや、「彼女ら」へと、たどり着いた。









・・・・・・・ふふ。

そこが、この物語のゴールだよ。

今回の物語の、最大の見せ場さ!



さあ、始めよう!僕が連れて行って上げる!

目指すべき場所は、「魂の輝く場所」!


そこには、生を願う2つの魂に、一つっきりの「権利」。



片方の魂は、一度生きる権利を放棄した愚か者で、

もう片方の魂は身の程知らずに死を受け入れなかった愚か者!





始めよう!始めよう!いざ、目指そう!

魂の輝く、その約束の場所でーーーーーーーーーーーーーーその醜さを、思い知らせてやる。







次回は、all編です。


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