TiPs-セントラルにおける基礎魔学1:魂と、体
TiPs-セントラルにおける基礎魔学1:魂と、体
よく魂の器が体なんて表現をされますが、それは間違いなんです。
なぜなら、魂と体は、同じものなんですから。
トランプの表と裏という感じでしょうか?
二つは区別できますが、分けることはできません。
そのため、私たちは常にどちらか一面しか観測できず、また、それゆえに見えていなくとも、その裏にある存在に気を配らねばなりません。
これを彼の姉妹世界で例えるなら、アルファから観測できるのが体で、
βで観測できるのが魂ということになります。
中略
さて、いわゆる不老不死を叶える技術としてまず第一に挙げられる「ヒトガタ」。
これは人の観世界を再現しうる人形に、個人の魂を入れて稼働させるものです。
ですが、ここで言う魂なんですが・・・・・・みなさん、もうお分かりですね。
ここで言う魂には、所謂「体」も含まれます。
正確には、皆さんが扱う魂の「裏面」に、「体」があるということです。
そのため、この手の魔術を扱う際にもっとも気をつけるべきことは、「魂」と「ヒトガタ」との相性ばかりに気を取られてはならないということです。
もし、その愚を犯せば、魂の裏にある「体」と「ヒトガタ」が反発を起こし、術式を台無しにしてしまうことさえありえます。
皆さんの中には、魂と体を引き離せば良いという意見を持つ人も少なくはないでしょう。ですが、本来魂と体は表裏一体の一個であるため、それは叶いません。
かつてそれを試みた実験もありましたが、その結果はーーー言うまでもないでしょう。
ですが、今から200年ほど前は、それが学説の主軸としてあったのです。
そう、「他人の魂」を、「他人の体」に移し替えて、生きながらえる試みがなされていた時代です。
しかし、それはーーーー