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All or None  作者: blue birds
3/10

All or None : 序章1:姉妹世界α:生きる権利の強奪、死せる運命の歪曲:宮本慎也 : All

道理をねじ曲げてでも、生きていたい。

その想いが向かう先は、果たして。

TiPs~俺は、何者だ?


他人の躯を乗っ取って他人を名乗り、他人が属する社会において、他人として生きている。


ああ、俺は、俺じゃない。

・・・・・・でも、この魂だけは、俺のものだ。

これさえあれば、俺は俺だと言える。



そう、これが、おれだ。

他の誰でもない、正真正銘の、俺の、ホントウだ。この、あいつへの愛情だけが・・・・・・


これさえあれば、俺はいつかまたーーー「俺」になれるんだよ・・・・・な?











 All or None : 序章1:姉妹世界α:生きる権利の強奪、死せる運命の歪曲:宮本慎也 : All




 それは一瞬の出来事で、痛みは無かった。

 


 俺を乗せた飛行機が片翼を失い、順当に海へと墜落したーーーただ、それだけのことだたのだから。そう、一言で言えば、それが、俺の最後だった。運が悪かったんだろう。






「・・・・・・」





 そこは、海の底だった。光も届かない、深淵の底。

 人間の体は浮くというが、俺の死体はどうやら飛行機とともに暗闇へと心中したらしい・・・・・・だからこその、闇だ。身を切るような冷気だけを俺に向ける、真っ暗な世界。




 これでは、俺の死体があがることも無いだろう。




 それは、「あいつ」にとって、不幸なことなのか、幸福なことなのか。


 死体が上がらなければ、「あいつ」はまだ、俺が生きていると信じることが出来る。

 いつまでも、信じ続けることが出来る。そう、記憶がーーー俺への、あいつの愛情が薄れる、そのときまで。ゆっくりと、俺を忘れていくことが出来る。



 だが、それまでの時間は途方もなく長いものになるだろう。そして、空虚な時間を過ごすことになる。意味の無い、むなしい時間を・・・・・・だ。



 だが、死体が上がれば、その時間が「あいつ」に訪れることは無い。

 代わりに、俺を失ったという――容赦のない現実を、突きつけられるだけだ。


 ・・・・・・突きつけられる現実に、あいつは耐えられるだろうか?

 容赦のないそれはひょっとすると、あいつの心を砕くかも知れない。

 けれど、それを乗り越えさえすれば、あいつは無為な時間を過ごさなくてすむだろう。



 代わりにあいつは意味のある時間をーーー「お腹の子」と、歩んでいけるはずだ。

 ・・・・・・そう、俺と、あいつで、育んでいくはずだった大切な、「俺たちの子」を、たった、ひとりでーーーーーー







『死ねない』












 ーーーーたった、一人で。

 あいつは、育てていかなくちゃならない。












『死ねるわけが無い』









ーーー無理だろうが何だろうが、あいつは、やらなくちゃならない。

だって、おれは、もう、帰れないんだから・・・・・・










『まだ、終われない』








ーーーー仕方が無いんだ。










『まだ、逝けない』












ーーーー諦めるほか、無いんだ。














『逝けるはずがない』ーーーーーーーーでも、諦めるほか無いんだ!



 けれど、死にたくない・・・・・・生きていたいんだよ!

 あいつらのところに帰らなければ、いけないんだ!





 どうやったらこのご時世、身ごもった女が独りで子供を育てられるって言うんだ! ふざけるな! 俺は、帰らなくちゃならないんだよ!



 

 あいつがーーーー恵美が、いてくれたから、俺は、幸せになれた。恵美に出会えたから、俺は、幸せになれたんだ!

 おれは、あいつにでかい借りがある! 返しても返しきれないほどの、恩が残ってんだ!

 だから、俺は、あいつに、「お腹の子を幸せにする」って、俺は・・・・・・!!!!!あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!






 これは、天罰なのか?

 なあ、神様よ、これが、罰なのか? 




 ・・・・・ああ、認めるよ。恵水に会うまでの俺は自他ともに認めるくらいの、屑だった。ああ、認めてやるよ。かつての俺は、生きてる価値のない人間だった。意味の無い人間のだった。要らないゴミだったさ。


底辺だった。生きている価値なんて無かった。おれだって、いつ死んでも良いって思ってたよ!



 でも、なんで、「今の俺」なんだよ!

 俺はもう足を洗ったんだ。今の俺は、違うんだよ! 「あのときの俺」とは、違うんだ! まっとうに、生きようと、してた!



 だから、こうして、頑張って仕事してたんじゃないか!

 あと少しでそれも終わって、数時間後にはあいつらのところに、俺は、いるはずだったんだ!





 ・・・・・・帰らなくちゃならないんだよ。

 帰らなければならないんだ!死ねない。死ねない。

 死ねるかよ。ゆるさねぇ。




 ぜったいぜったい、ぜったいぜったいぜったい、絶対に俺は。

 どんなことをしてでも、あいつらのところに、かえる。こんなの、受け入れるか。




 どんな手段を使っても、帰る。どんなことしてでも、帰る。


 どんな、ことでも、するから。

 たのむ。死にたくない。死にたくない。たのむ。






 俺はーーーーーーーーー、帰れるなら。

 あいつらのところに、帰れるなら。その願いが、叶うのなら、どんなことだって、俺はーーーーー






















<君の「願い」と覚悟を、受け入れよう>














エラーコード:01A2の指摘を受理ーーーー解析中です。

了解及び、許可。

gold gateが訂正をパスしました。


アカシックレコードの訂正を開始します。

レコード座標○○における記述を訂正します




オーストラリアー東京ビジネス航空で死亡した人間<宮本慎也>の項目を誤認記述と認めます。ならびに、訂正項目として、<菊池大輔>を提唱――――許可。



gold gateによる修復を開始します。







クリア。これより、物語の記述を再開します。


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