小さな火種
サブタイトルが思いつきません(^^;;
俺は王様に、大和人だということがばれない程度にサラの警護兼執事をする事になってから、約1時間。
この城っぽい家に使えている使用人に連れられて部屋の前に来た。
「ここがあなた様の部屋でございます。」
使用人が深々とお辞儀をする。
俺は軽く頭を下げてから部屋のドアのノブをひねる。
中には32畳くらいの部屋があった。
元の世界の俺の部屋4倍はある。
「けっこう広いもんだな。まあ俺は、伝説の大和人だもんな。当然か!」
とりあえず俺は部屋の中を探検する事にした。
この部屋には、入口を除いて4つのドアがある。
1つ目のドアを開けると、そこはトイレだった。
まあ普通の水栓トイレかな。
ボットントイレとかじゃなくて良かった。
2つ目のドアを開けると、そこはクローゼットだった。
持ち物何にも持ってきてないけどね。必要になったらつくればいいだけだし!
3つ目のドアの向こうにはベッドルームがあった。8畳くらいかな?
至って普通だ。
4つ目のドアの向こうには、豪華な部屋があった。
「ここはなんじゃ!?」
しかも部屋の広さが半端ない。
さっきの部屋を軽く凌いでいる。
150畳くらいかな?
とりあえずまたベッドがあった。
上からシルクのカーテンのようなものがかかっていて、お姫様ベッドみたいだ。
悪趣味すぎる・・・
俺は乱暴にそのカーテンを取り払う。
そしてそのベッドに横になる。
思えば今日いろんなことがあったな。
いきなり神様に脅されてこの世界に転送され、無理やりサラの執事をやらされ・・・
それだけじゃん。
よく考えてみればまだこの世界に来てから2時間くらいしかたってないし。
時計をみると、時計の短針は6をさしていた。
しかし俺は襲ってくる眠気に勝つことは出来なかった。
「・・・う・・・そう! そうー!」
誰かが相槌をうっているようだ。
「爽!起きなさい!」
〈ドゴッ!〉
腹に強烈なパンチが入った。
「何ここで寝てんの!?」
目の前にサラがいた。
え? 俺は跳ね起きる。
「ここはどこ?」
「ここは私の部屋。」
「嘘つけ。俺はここの使用人に連れられてここに来たんだぞ。」
「それは隣の部屋!」
「じゃあここにくる時に使ったあのドアは!?」
「あんた執事でしょ?私にもしもの事があった時はすぐ助けてもらわないとって思って部屋繋げてもらったの。ていうか鍵かけてあったのにあんたが壊したんでしょ?」
「え?」
ドアの方に目を向けるとそこには鍵の壊れたドアがあった。
俺は壊したっけ?
「多分あんたの馬鹿力で壊したんでしょ。」
これも神の力か?
扱いづらいぞ。
非常に。
そして俺の前には阿修羅のようなサラがいる。
「それはさておき私のベッドが壊されてるんだけど?」
サラの目線の先にはちぎられたシルクのカーテンがあった。
「ああ、それは悪趣味だったからとった。」
「裁きの炎随、焔風!」
俺の頬を熱風がかする。
「熱っ!いきなり魔法使うなよ!」
「あんたを侵入罪と器物損壊罪で逮捕するー!」
こうして俺の記念すべき異世界1日目は幕を閉じた。




