荘厳な廊下
俺は今だだっ広い廊下を歩いている。
ここは異世界にある西洋風のお城。
つまりこの建物の中に王様がいるという事だ。
ちなみに、あらゆるところに荘厳な装飾が施されており、金色に眩く光っている。
また、壁には等間隔に絵画が掛けてあり、肖像画の目がこちらを
・・・見ている。
俺が動いても目玉が動いて俺を見てくる。
「怖ぇーー!」
〈ダダダダッ〉
「侵入者だー!」
廊下の向こう側から簡用な鎧をつけた兵士達が走ってきた。
異世界来て始めてのピンチ到来!
俺は早速、能力を使う事にした。
「俺の身体よ透明になれ~!」
というわけで身体が透明になりました。
なんか簡単すぎて逆につまんないな。
「ど、どこ行った!?消えたぞ!」
兵士Aが叫ぶ。
「もしかしたらその辺の部屋に逃げ込んだのもしれん!捜索しろ!でないと御主人様に示しがつかん!」
兵士Bも叫ぶ。
てか目の前に居るんですけどね、俺。
まあ透明ですけど。
慌てて捜索を開始する兵士達の間すり抜け、俺は城の探検を続ける。
そんな俺の前に一際大きなドアが現れる。
この中に王様がいるのかな?
「失礼しまーす。」
俺はドアの内側にいる人に話しかける。
すると中から渋くて太い声が響いた。
「だれだ!?名を名乗れ!」
!!
やべっ!今気付いたけど、いつもの癖で、失礼します なんて言っちゃったよ!隠密行動してたのに!!
こうなったからには仕方がない。
別に危なくなったら能力使えばいいんだし。
俺は腹をくくった。
「俺は・・・侵入者です!」
自爆した。
めっちゃテンパって自分から侵入者ですなんて言っちゃったし!
俺は能力を使ってその場から逃げようとした。
するとドアの向こう側から笑い声が聞こえてくる。
「はっはっはっ!自らを侵入者だと名乗るとは面白い奴よ。何か目的があってきたのであろう。入るが良い!」
なんか褒められたのか?
俺は恐る恐る目の前の荘厳なドアを開けた。
するとそこは大広間のような場所だった。
そして奥には王様と思われるいかつい大男、その横に奥さんと思われる40代くらいの女の人、そして端のほうに俺と同じくらいの年の金髪ロングヘアーの女の子がいる。
王族ファミリーか!
「なっ!?」
俺が、先ほどよりもさらに豪華な部屋の内装に目を奪われていると、王様の驚く声が聞こえた。
「な、なんですか!?」
俺は何か不謹慎なことをしてしまったのかと思い、動転する。
「黒眼ですと!?」
何!?この国では黒い目はタブーなの!?
「ようやく来てくれましたか!お待ちしていました!こちらへどうぞ!」
なんか急に態度変わった!
なんで!?
なんか黒眼って希少種なのかな?
「でもお越しになるなら、先に手紙でもくだされば盛大にお迎えしましたのに。まああの神様の事ですから仕方ないかもしれませんが。」
え?なに!?神様の事知ってんの!?
どーいう事だ!?




