大空と大地
先生が王族だという意外な事実。
しかし先生は俺を、父親である王様から守ってくれるらしい。
「それで今日ここに貴方を呼んだのは、この世界のことについて説明しようとおもってね。」
それはありがたい!
「この世界では魔術と体術で格闘します。それで、魔術には魔力、体術には体力を要するんだけど、貴方には魔力が常人100倍、体力が常人の200倍あるわ。」
え!?魔力が常人の100倍あるってのは前に誰かに聞いたけど、体力無いぞ!?
元の世界でも体育は別に得意って訳でも無かったし。
そんなことを考えつつふとサラをみると、こちらを睨んでいる。
「あんた自分を卑下しすぎよ!それともあたしたちをバカにしてるの?」
なんで怒ってんの!?
リオン先生もため息をついて呆れた表情してるし!
「あのね、元の世界ではどうだったのか知らないけど、この世界では100メートル全力疾走するだけで体力の50パーセントを持ってかれるのよ。」
「嘘ですよね!?みんな戦う時にジャンプしたり走ったりしてるじゃないですか!」
「あれは魔力を体力に混ぜてアクションしてるのよ。だから貴方みたいに魔力の補助なしで戦いの動きが出来るのは、一握りのエリート体術士だけよ。」
「だから体術士は貴重なんですね。」
「最初に貴方を見たときに、魔力を使用せずに私のナイフをよけた時は、正直びっくりしたわ。」
「でもそれは想像能力で筋力倍増させてましたから。」
俺は想像能力というチートを使っているからな。
でも魔力と体力の値すらチートなのか。
俺に常人と同じところはあるのだろうか?
「ところでその筋力倍増なんだけど、私が見たところそこまで効果が無いようなのよね。」
え?
どーゆーこと!?
「筋肉を創って稼働性などを上げたとしても、魔法の速さには負けるのよ。だからあなたも、魔法を体力に混ぜて戦闘する仕方を覚えて欲しいの。まあ最終的には魔術をマスターして欲しいけどね。」
「なーるほど!」
魔力を制御しなきゃいけないのか。
やっぱり異世界に来たら、魔法を扱えるようにしないとね!
「まず魔法には魔力を使うんだけど、その魔力にはいくつかの属性があります。そして属性っていうのは先天的に決まっているものです。まず、火、水、風、土。これが基本4属性。四貴族の象徴ね。サラさんは火の貴族、ファイア家の末裔よね?」
サラは先生にむかって頷く。
「つぎに基本4属性から派生した、雷、氷、霧があるわ。そして基本4属性を全て合わせた、大地。大地属性はかなり稀よ。」
なるほど。
「そして光属性と闇属性。これはこの世界でも数人しかいないわ。そして最後に、これは伝説なんだけど、大空属性っていうものがあるそうよ。」
へー。
それで・・・
「先生、俺の属性は何ですか?」
これが重要だ。
光とかがいいな!!
「あなたの属性は大空よ。」
あら・・・
「大空属性って伝説の属性何じゃないですか?」
「貴方自身が大和人で伝説の人なんだから納得がいくでしょ?」
ま、まあ納得がいくようないかないような。
「大空属性の特徴って何ですか?」
「・・・破壊、よ。」
「破壊?どういうことですか?」
「この世の全ての万物を消し去る天災の大空。これと対を成しているのが、この世の全ての万物を創造する原始の大地。」
「でも俺って創造能力もってるから大地属性なんじゃ?」
するとリオン先生が妖艶に笑った。
「全てを破壊する大空属性をもった、創造能力者、大和人。だから興味深いのよ。」




