決意の瞬間
前回に引き続きいいかげんな文章・・( ̄(工) ̄)
「実は私、神なのよ。」
意味がわからん。
いや、この時間を止めている状況から既にあり得ないが「神」ならばそれも可能なのかもしれない。
「いきなりこんな事を言って取り乱すのは当然だと思うけど本当の事なのよ。」
俺はこの状況を打破するために質問をしてみることにした。
「神様ってことは何でも出来るんですか?」
「もしかして時まで止めて見せたのにまだ私のこと疑ってるの?」
「なんか神様って年食ってる爺さんみたいなイメージがありましたからね。先生まだ若いじゃないですか。」
すると弓成先生、もとい神様が妖艶に微笑む。
「神様っていうのは全知全能じゃないのよ。私はまだ修行中。」
「『私は』ってことは他にも神様がいるんですか!?」
「そうよ。」
なんてこった!
一粒の米に7人の神様が宿っているというのは本当の話だったのか!?
こんなことなら日頃からきちんと米食っとくんだった!
「私は4代目の神様よ。神様っていうのは世襲制なのよ。」
「神様ってのも死んじゃうものなんですね。」
「まあ時が来ればね。3代目は隠居しただけでまだ生きてるわよ。」
神様って不老不死だと思ってたからちょっと意外だ。
「神様っていうのは1人1個宇宙を持ってるの。この宇宙は私が創ったものよ。それで自分の宇宙が消滅する時に神も死ぬのよ。」
「そうなんですか。ところで・・・」
俺は1番聞きたかった質問を直球でぶつける。
「神様が俺たちに何のようですか?」
弓成先生は俺の質問を聞くと、姿勢を正し、神妙な顔つきで話し始めた。
「実は3代目がまだ2億歳の時に3代目の宇宙で魔法戦争が起こってね。滅亡寸前まで追い込まれていたから、外部から手を加えて宇宙の均衡を保とうとしたのよ。まだ私が生まれてない時だから跡継ぎもいないしね。そこで1億年に1度他の宇宙から3代目の宇宙に使者を送る条約を交わしたの。おかげで3代目の宇宙は平和になり、今では歴代の神の中で1番の長生きよ。」
「へー。良かったじゃないですか。」
・・・
まさか・・・
「今年がその1億年目で俺たちに使者になれって言ってんじゃないでしょうね!」
「そ、その通りよ!感が良いわね!」
「ふざけんな!そんな魔法やら意味のわかんない世界で生きていけるわけないじゃないですか!しかもその宇宙は平和になったんじゃないんですか!?」
弓成先生は急にしどろもどろした応答になる。
「そ、そうなんだけど1億年に1度使者を送るのは約束なのよ!」
そういえば・・・
「なんで俺たちなんです?他にも適応者はいっぱいいるでしょ?」
「それは探すのがめんどくさかったのよ。」
「さようなら。」
俺はくるりと背を向け、職員室から出ようとする。
「ちょっと待って!この約束が果たされなかったらこの宇宙は消滅させられてしまうのよ!」
別に俺の知った事じゃないしな。
そして時が止められたままの音のない世界に俺の足音が響き、職員室のドアが閉まる音が・・・
「ビックカツ・・・」
・・・!?
「脅しか!?このヤロー!」
形勢が逆転したとみた弓成先生が俺をみる。
「盗癖があるって調書に書いてもいいのよ?」
卑怯者ーーー!!
「まあ1年経てば自動的にこっちの世界に戻るようになってるから安心して行って頂戴。」
なんで俺が魔法が使える異世界みたいな場所に・・・
いや、これはチート能力を
もらって暴れまくるチャンスかも!?
しかも、ありがちな悪魔とか魔王とか倒さないと現世に帰れないとかいう制約もないんだぜ!?
けっこういい条件かも・・・?
「どうするの?」
弓成先生が俺を急かす。
「やります!」
俺の瞳は希望に満ち溢れていた。




