騒ぎの予感
今日はホーリー魔法学校に転入する日だ。
「あんた何緊張してんの?」
今話しかけてきたのはサラだ。
サラの家から学校までは自動転送装置のようなもので来た。
そして今からこの学校の理事長に挨拶しに行くのだ。
因みに昨日届いた制服はブレザーだった。
本当は学ランが良かったが黒地に白いラインのカッコいい制服だったのでそこは別に気にしない事にした。
ホーリー魔法学校はサラの家のような西洋のお城風の建物で、豪華絢爛、貴族にでもなった気分だ。
「ここが理事長の部屋・・・。」
ドアはなんと障子だった。
もしや・・・日本人!? ということは1万年前に来たという伝説の大和人という可能性も捨てきれない。
もし本当にそうだったら、こうして先に予言するのは小説の構成的に間違ってるかも知れないが、そんなのは関係ない。
実際俺は感が鋭い方だしな。
「失礼します!」
俺は障子を一気にあける。
「あ、ちょっ・・・!」
そこには金髪の初老の男性がいた。
外人か・・・
「何をしている!障子は一気にあけるものではない!極東を馬鹿にしてるのか!君はわびさびというものを分かっていないな。和の心を持て!」
なんだこいつ。
ただの日本オタクか!
実際俺日本人なんだが・・・
まさか異世界の外人に、日本の心についてとやかく言われるとは思っていなかった。
「ん?」
いきなり理事長が俺の目を覗き込む。
「黒眼?まさか!」
やべ、どーしよ!
「カラコンしてるんです!そうでしょ?ソウ?」
サラが助け舟を出してくれた。
「あ、ああそうだ。カラコンをしてるんです。忘れてたなー。今とりますよ。」
俺はそう言ってコンタクトを外すふりをして、創造能力で瞳の色をグリーンに変える。
「ほう、エメラルドグリーンの瞳。きれいな瞳だ。」
ホモかっ!
「ぷっ!」
サラが俺の思考を読み取ってクスクス笑っている。
とりあえず理事長からこの学校についての説明を受け、クラスを決めるため、職員室に行けと言われた。
俺は一礼してから理事長室から出る。
「まさかよりにもよってエメラルドグリーンの瞳に変えるとはね。」
「だって青い瞳ってベターすぎるでしょ?」
「別にどうでもいいけどうちの理事長エメラルドグリーンの瞳を持った男の子が大の好みでね。」
ガチなホモだったのかよ!
「やべぇ・・・」
「まあ気にする事は無いんじゃない?私は面白いと思うわよ?」
サラってこんなにドSだったっけ?
そういいながら迷路の様な廊下を歩いていると、職員室と書かれた部屋を見つけた。
「失礼します。」
ここは普通の扉だった。
扉を開けると、とくに驚きもしない、普通のよく見る職員室の風景が広がっていた。
「あら、いらっしゃい転入生くんだよね?」
「あ、はい。」
するとサラは、
「じゃあ私はこれでクラスに戻りますね。ソウ、私はSクラスにいるから。」
と言って帰ってしまった。
「じゃあさっそくクラス分けテストをやろうかしら?私の名前はA組の担任で、強襲科の顧問を受け持っている、アガナ=リオンよ。よろしく。」
そう言ってリオン先生は俺に一礼する。
「こちらこそよろしくお願いします。」
「うん。礼儀はなっているようね。では、これから私についてきて下さい。」
俺はリオン先生の言われるがままついて行く。
再度、迷路のような廊下を通り、中庭のような場所に着いた。
ここでクラス分けのテストをするのか・・・
「中庭でなんのテストをするんですか?」
「それはね、戦闘テストよ!」
え?戦闘テスト!?




