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俺は15年間、この施設のルールを守り続けてきた。——それが「俺が施設に飲み込まれた証拠」だと、47回目に戻ってきた女が言う

作者:トコロテン
最新エピソード掲載日:2026/03/19
深い緑に覆われた丘の上。 地元の保安官が「グリーン・ルーフ・イン」と皮肉を込めて呼ぶその施設は、正式名称などない。あるのは番号だけだ。

インテイク・オフィサーのマーカス・グレイは、今日も新しい「宿泊客」を迎え入れる。 名前を奪い、記録し、番号を手首に結びつける。 彼はこの仕事を15年間、一日も欠かさず続けてきた。 それ自体が、異常の証拠だと——気づいていない。

新しい宿泊客の一人、ノラ・パーカーは心理学者だ。 だが彼女の目は、怯えていない。 マーカスが問診票を広げた瞬間、彼女は小さく笑った。

「47回目ね」

彼女の言葉をマーカスは聞き流した。 それがマニュアルどおりの対応だから。

もう一人の宿泊客、建築家のアーロン・グリーンは壁を見ている。 図面を持参していた。この施設の——見たことがないはずの、完璧な内部図面を。

施設の時間は、やがて反転し始める。 階層は崩れ、壁は呼吸し、マーカスは自分がいつから「ここ」にいるのかを思い出せなくなる。

施設は生命体だ。 すべての人間を細胞として取り込み、ひとつの意識へと統合しようとしている。 抵抗は無意味だ。ノラは47回、そう学んだ。

——だが、47回目には、わずかな変異がある。



「では、あなたが読んでいるこれは、何回目だ?」
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