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1日目
一日目、誕生の記録
『あー、あー、映ってるのかな、これ。まあ、いいや』(動画に20代後半くらいの黒髪碧目の男性の顔のドアップが映り出す)
『初めまして、もしくは久しぶり。花宮一です。この研究所の研究員です。今は一人きりだけど』(男性はカメラから離れ、椅子に座り、話し出す)
『まず、この動画はボクの研究の進展を記録したものです。研究内容としては人工生命の開発とその成長です』
『そして、その結果生まれたのがこの子です』(男性が側に置かれていたゆりかごから、一人の燻んだ金髪の赤子を抱き上げる。赤子はすやすやと寝ている)
『この子は試験管のなかで生まれた。でも、ボクにとってはただの可愛い子どもなんだ』
『…………ああ、今が平和ならどれだけ良かったんだろう』
『……今日はここまで。また、明日』
一本目の動画はそこで終えた。画面の向こう側にはただの一人の父親がいるように感じらた。
『オレ』が生まれた日。それは作られた平和のなかでの唯一の希望だったらしい。




