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夜明け
「ほんま、お前。子どもには甘いなぁ。」
すっかり夜が明けた頃、一人の男が姿を現した。
「なんだ。もっと早く出てきてもよかったのに。」
「いやいや。せっかくのとこ、邪魔したら悪いし。」
「あのな。実年齢10才の子どもと何があるって言うんだよ。」
男からひったくったファイルの中には、彼女の面影のある、10才の少女の写真があった。
「いやあ、それはそれ。これはこれっ、ちゅーことで……。」
「だからなんだよ。」
「あー、そうそう。あの子の両親にも報告せなあかんな。」
「そうだな……。」
病院で一生を終えてしまった少女。彼女の墓にも、今度行くことにしよう。
「とりあえず、今回はおまえ、何もしなかったからな。次の仕事は全部おまえに任せた。」
「ええ!?最後折り紙投げて助けたやんっ!」
「じゃ、僕も最後、危なくなったら助けるよ。」
長年の相棒の抗議を無視して、僕は空を見上げた。
空に咲いた花を、彼女は無事に手にしたのだろうか、と。




