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不思議なクリスマスカード  作者: 地野千塩


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13/40

あなたの造り主

 早朝時間、まだ薄暗いが、古賀竜太はベッドから起き上がると、まずは瞑想。それが終わると、身支度を整え、軽い筋トレで汗を流す。その後はバターコーヒーを作り、仕事部屋のデスクでメールチェックしながら飲む。


 これが竜太の朝のルーティンだ。朝ごはんは頭がぼーとするので避けている。仕事に影響でるものは全部避ける。こんな竜太は起業で成功した若い男。一度成功すると加速し、ビジネス書の執筆やセミナーの仕事もあり、毎日多忙。 


 といっても今朝は少し余裕がある。クリスマス前のせいか不明だが、一番忙しかった時よりはましだ。


「うん?」


 そしてメールチェックも終わり、バターコーヒーを飲み終えた時だった。デスクの上にクリスマスカードがあることに気づく。二つ折りで、赤と緑の派手なカードだった。


 心当たりはない。基本的に紙でのやり取りはしない。本は紙派だが。この仕事部屋も本棚にずらりと本が並んでいる。


「なんだ、これは?」


 竜太の地位を知ると群がってくる女も多い。正直ハエみたいで避けていたが、女が送ってきたものだろうか。しかし送り主の名前も書いてない。


 とはいえ、気になり、カードの中見を見ると、さらに困惑。変なことばがある。


 詩篇 139:13-16より

 あなたは私の内臓を造り、母の胎内で私を組み立てられた。

 私を形造られ、私のすべての日を知っておられた。

 それらの日は、私がまだ一つも存在していないうちから、すべてあなたの書に記されていた。


「なんだよ、これは? なんかの呪文か?」


 意味不明だ。イライラする。金目当ての女が送ったか。それとも密かに竜太の成功か気に食わないビジネス仲間か不明だが、とりあえず検索してみると、聖書のことばだと知った。聖書では神が人間を創造したという話になっているらしい。このことばのあなた=神、私=人間だという。


「げー、一神教かよ」


 聖書、つまりユダヤ教やキリスト教関係の書物だ。一神教だ。


 竜太の顔が曇る。元々一神教の世界観、苦手。唯一無二の神とか、正しさを押し付けられているみたいだし、日本人らしくどの神様もいいじゃないという発想のが好みだ。実際、竜太は各地の神社を巡り、何百万とお金をかけてお祓いしてもらっていた。ビジネス仲間からのアドバイスだった。意外とこういた成功者は神社好きが多く、実際、神社に行ってから成功するケースが多い。竜太もビジネスに行き詰まると、神社に頼ることがルーティンになっていたが。


「一神教ねぇ……」


 誰が送ってきたが謎のカードだが、まじまじと見つめる。


「一神教かぁ……」


 唯一の神が絶対正しいとかアリなのか。しかしカードの文字を見つめていたら思う。それが事実だと仮定したら、そんな唯一の神が創造した人間はなんだ?


 もはや同じように唯一無二の存在か?


「は……?」


 その仮説、考えていたら困惑してきた。いやいや、進化論通り、人は偶然に生まれ、死後も無になるんじゃないのか?


 困惑。普段クールな竜太の目も、瞬きが多い。頬も引き攣る。


「いや、もし一神教の神が人間を造ったとしたら……?」


 どの人も唯一無二、オリジナルってことか?


「いやいや、そんなバカな話は……?」


 アリなのか?


 竜太はますます困惑。カードを見つめながら、自分の仮説にただただ戸惑っていた。

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