雨歌の宴詩集：黄道12星座の宴【歌盤】［カードつき］

甕に汲めても【水瓶座】［カードつき］

　微力ながらも。

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　豊かな湖から甕(かめ)に汲(く)めても

　そこからコップ 一杯ずつにそそぎわけて

　国じゅうのひとにいきわたりはしない

　世界じゅうのひとにいきわたりはしない

　のせるお盆とはこぶ手足が足りないって

　嘆(なげ)くはめになるし

　どんなおおきな甕(かめ)だとしても

　人数ぶん コップにそそぎわけるまえに

　底をついてしまうことだろう

　そもそも コップの数さえ

　じゅうぶんじゃあないはずだ

　どうせなら 湖からの水路を

　国じゅうの 世界じゅうのすみずみまでひいて

　渇(かわ)き そのものを滅ぼしてやればいいけど

　そんなのはぼくの手にあまる

　ぼくにできるのはせいぜい

　穴のあいてない柄杓(ひしゃく)をさがして

　この甕(かめ)を満たすまで

　湖から汲(く)んでやるくらいだ

　甕(かめ)に汲(く)めても

　国じゅうの 世界じゅうのひとの渇きを

　癒(いや)すのなんて とてもできないや

　だからといって それすらやめてしまえば

　せめて みのまわりのひとの渇きを癒(いや)すこと

　それすらできなくなってしまう

　甕(かめ)に汲(く)めても

　すべてが解決するわけじゃなくて

　解決できることなんて たかが知れてるけど

　甕(かめ)に汲(く)めもしなきゃ

　なにひとつ解決しない

　だからぼくは ぼくにできること をと

　甕(かめ)に汲(く)みつづけることだろう

　じぶんのちからの足りなさに 歯ぎしりしながら

　だけど それすらやめてしまえば

　もっと後悔することになる

　あぁ それでもやっぱり

　このやりきれないきもちは どこへも行き場がないなぁ

　甕(かめ)に汲(く)めても

【おまけカード】

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ZDAC-11（CHA）

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　できることをやれたら。

　やるだけ、りっぱだよなぁ。