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230708 樹海 悪魔 染料

作者: 池田兄

序 全てに絶望した主人公が死に場所として樹海を選んだ。 破 樹海に入ると、それは多くの死体があった。皆同じように自ら死を選んだのだろう。 だが、その中に一人、異様なものがいた。 翼、牙、闇のような漆黒の体。悪魔がいた。 悪魔はこちらに気づくと不適な笑みを向けてきた。「おいお前、お前も死にたいんだろう」 悪魔はその場から動くことはなく、顔だけをこちらに向けて話しかけてくる。 「・・・・・・」 だが、ボクは無視する。悪魔にだって驚くことはない。これから死んで、地獄へ行けば鬼だっているのだろうから。 それにこれから死ぬというのに悪魔になんの関係があるって言うんだ。 「死ぬのは構わないんだがな、その前に俺を助けてくれないか?」 一応話に耳は傾けているが、死ぬ間際に悪魔なんか助けたら、地獄じゃなくて魔界にでも連れて行かれるんじゃないか? そんなのはごめんだ。だから無視を決め込んで、先人の残したロープに手をかける。 「おい、待ってて! 助けてくれたら力を貸してやるからさ! 頼むって、助けてくれよ! なあ!」 自分の幻覚にしては随分うるさいな。 「邪魔するなよ。もう死ぬんだ、悪魔の力なんか借りることなんか無いよ」 ロープを首にかけ、木から飛び降りる。その時、 「成し得ずに死ぬか。目の前にその力があるのに その言葉を聞いなのか、死ぬからなのか、走馬灯が浮かぶ。確かに叶わぬ夢と諦めたから、自分には他なんてないからこうして死のうとしている。だが、もう遅い。悪魔のささやきではあるがもうどうしようもない。 首に体重が乗り、破裂しそうになる。メキメキっと太い枝が音を立てて折れた。 枝と共に地面に打ち付けられる。 「げっほ、げっほ・・・・・・」 目の前がチカチカしてよく見えない。しかし悪魔の声はハッキリと聞こえる。 「ははは、お前運がいいみたいだな」 「お前に力をやるからお前の体を貸してくれ」 悪魔が言うには、ここにきた召喚者が居たみたいだが、契約の途中で自ら命を絶った為、不成立となり、帰ることも出来ずにいたそうだ。 人の体に入れば関係ないらしい。 急 「ありがとうよ、これで俺は自由でお前は俺の物だ」 体の内側が悪魔に染め上げられていくのを感じる。染料を頭からかぶっているようだ。 だが、それもいい。もう、どうなったって・・・・・・。 俺は運がいい、召喚者が死んで、帰れなくなった時は困ったが、こうして人の体を乗っ取ることも・・・・・・。何か変だ。こいつの内側から溢れ出るこの感情は。

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