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04.サプライズ

 とある日曜日の夜七時。

 私は携帯で友達に家に来るよう言われていた。

「ふふふ・・・・・・暇だから夜遊ぼうよって、計画が見え見えだよ」

 ほくそ笑む私。何故なら今日は私の誕生日だからだ。

 こんな日に家に呼ぶだなんてサプライズを用意しているのに違いない。

 プレゼントを貰えると踏んだ私は大きなリュックを背負って友達の家に向かっていた。

 ついでにサプライズに驚くパターンを考えておく。

「恐らく部屋に入ったら真っ暗で、手探りで電気のスイッチを点けたらパーティーハットを被ったみんながクラッカーを鳴らしておめでとーうって祝うんだな。なら凄いびっくりするような行動を取らないと。ぎょえーーーーっ!!ってのはどうだろう。うん、凄いしっくりくる」

 流れを掴んだところでようやく到着。

 友達の家は十階建てのマンションの一室。一階なので行き来するのが楽だ。

 私は友達の部屋のインターホンを押した。

 が、しばらくしても誰も出てこない。

「そうか、私を驚かせるためにみんな隠れているから外に出て来られないんだな」

  ドアノブに手を掛けるとやはり鍵はかかっておらずすんなりと扉は侵入を許した。

 中は真っ暗だ。これはもう間違いない、サプライズだ。

 友達の為にも今まで頭の中で行ったシュミレーションを生かして驚かなければ。

壁伝いに廊下を進み、友達が待っているであろうリビングへと入った。何も見えない。

 後は部屋のスイッチをつければ・・・・・・。

 私はスイッチを入れた。

「ぎょっ・・・」

 驚こうと悲鳴をあげようとした途端、私は喉を詰まらせた。


 誰もいない。


 そして丸テーブルの上に一通の手紙が置いてあった。


「誕生日おめでとう。私たちは今からスペインに旅行に行ってきます。プレゼントはテーブルの下に置いているので持って帰ってください。鍵を置いておくので閉めてポストの中に入れておいてね。それじゃ。・・・・・・はっぴーばーすでー」


「ぎょえーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!」


 今日は恐らく人生で一番驚いた日だった。


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