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ステータスと唱えた俺の目の前にはちょうどタブレットサイズの四角い画面が現れた。
そこにはこう書かれている。
ユーリ・サイトウ[Lv.1]
種族:人族[#?%$!]
職業:[#?%$!]
HP:#?%!30/#?%!30
MP:#?%$!10/#?%$!10
スキル
異世界語[サッカ語]
未解放
未解放
未解放
未解放
空欄
適正
#?%$!
#?%$!
#?%$!
空欄
加護
未解放
空欄
「.................」
――おい、神様。これは何だよ!?
思わず突っ込まずにはいられない。
ほとんど文字化けの上、未解放がめちゃくちゃ多い。そして空欄部分には何が入るんだよッ!?
「皆さまご自身のステータスはご確認いただけましたか?参考までにこの王国の一般的な成人男性でHP:500、MP:300前後。騎士団長様や魔導師長様は1000クラスでございます。」
「「「.....え?」」」
「..........」
――いや、数値云々以前に文字化けをなんとかしてもらいたい。
「...これはチートじゃないか。」
「この数値ってすごく強いってことよね?」
「悠里の読んでる小説の様だわ。」
「...........」
どうやら俺以外は誰もバグって無いらしい。
「先程ステータスと唱えて頂きましたが、ステータスオープンと唱えますとご自身以外の方に見せることが出来ます。唱えて頂けますでしょうか?」
「「「「ステータスオープン」」」」
俺たちは同時に唱えた。
気になるのがお互いの数値である。
開いたステータスを見渡すと予想通り誰もバグってなかった。
アレク・コセキ[Lv.1]
種族:人族
職業:勇者
HP 2000/2000
MP 1500/1500
スキル
異世界言語
剣術Lv.3
体術Lv.2
適正
光
火
加護
剣神の加護
ノエル・タカナシ[Lv.1]
種族:人族
職業:聖女
HP:1200/1200
MP:2100/2100
スキル
異世界言語
治癒術Lv.3
光魔法Lv.2
適正
光
土
加護
女神の加護
アスカ・サノ[Lv.1]
種族:人族
職業:魔女
HP: 1500/1500
MP: 2500/2500
スキル
異世界言語
火魔法Lv.2
水魔法Lv.2
風魔法Lv.1
土魔法Lv.1
適正
火
水
風
土
加護
魔神の加護
飛鳥のステータスだけ不穏な気がするのはきっとゲームの知識のせいだろう。
肝心の俺のステータスはこう表示された。
ユーリ・サイトウ[Lv.1]
種族:人族
職業:なし
HP:30/30
MP:10/10
スキル
サッカ語
適正
なし
加護
なし
シンプルで良いステータスだ。........うん。
バグっている部分が表示されない仕様のようだ。
一人だけ違うステータスに四人の視線が集まる。
「これは....また、なんと申し上げて良いやら。」
「悠里....君ってやつは...。」
「悠里くん...元気出して!」
「か弱いとは思ってたわ。思った以上だけど...。」
――....みんな失礼過ぎないか?
セルゲイさん曰く、新生児がステータスを使えたらきっと俺ぐらいの数値になるんのでは無いか?ということだ。
はいはいをする乳児では無い。首も座ってない寝返りもうてない生まれたて新生児だ。
――俺は赤ちゃん以下かよ。
「慰めになるか分かりかねますが、スキルは今までの経験をもとに手に入れることが出来ます。これから徐々に鍛えることをお勧め致します。適正につきましては....その....生まれ持ったものですし、無い方も少数ながらいらっしゃいますので、あまり落ち込まれないよう。」
セイゲルさんに慰められてしまった。
適正がなしなのは珍しいらしい。一人一つはあるものだそうだ。
これは魔法を使う時に大きく影響するものらしい。
つまり、俺は魔法に向いてないって事だ。
サッカ語というものもこのリムサッカ王国で最もよく使われる言語だそう。
地方では違う言語を混ぜて使うことがあり、その場合俺には内容がわからない様だ。
みんなが持ってる異世界言語は異世界にある全ての言語が読めるし話せる様になるらしい。ただし、書くのは勉強がいる様だ。
「なるほど、僕は剣道部だから剣術スキルか。」
「私は保健委員だから?治癒術?」
「図書委員なら魔法って訳ね。」
「で、帰宅部は何も無し。」
すごく納得ができた。