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禁猟区

作者: 泉末広

見慣れた町の迷い道。

獣と錬金術が紡ぎ出す咆哮。今は耳を塞ぐ術はない。

誰のせい?

見慣れた迷い道の喧騒。

急かす時間と程遠い夢の中心地。今は目を瞑る意味はない。

誰のせい?

進む先を指でなぞれば、それは思い出に辿り着く。

こんな廃墟も空から見れば、儚い旅路のつゆはらいになる。

誰のせい?

思いついたイニシャルで簡単に扉は開く。

正義にひび割れを起こすように、咆哮がアクリル板を震わせる。

こうなったのは、誰のせい?

誰にも知らせない孤独の地。

鍵は誰が閉めてくれる?限りある大地の解放区。

誰にも見られない逸脱の喜び。

カーテンは誰が閉めてくれる?後ずさる進化の流刑地。

人々の体は今夜も、轟音伴い倒れいく。

抱き止めるものは、優しいベッド?

抱きしめていいのは、優しいあなた?

生き残りの価値をかけた、見えない血が流れる禁猟区。

こうなったのは誰のせい?

辿り着くはずの道を探すから、迷い人にはなれる。

限りある解放区を踏破するため、孤独の意味を知る。

ありきたりな流刑地を見破るため、孤独の価値を知る。

そして、見えない禁猟区は膨張し続ける居住区へと姿を変えた。

遠慮がちにしか、喜びを噛み締められない。

あなたは、誰?

今、ここにいる意味は知っている。

あなたは、誰?

今、この部屋にいる価値は分かっている。

あなたは誰か知らないけれど、抱き締めてもいいですか?

寝させない。迷い人は眠れない。

意味のない夢でさえ、この部屋では生まれない。

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