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4、シャナの面談

 トントントントン。

 あたしはノックを四回繰り返す。


「失礼します。シャナです」

「どうぞ」


 扉を開けるといかにも王子様です、という感じの人がいた。人懐っこい笑みを浮かべていて、頭は悪くなさそうだ。この人となら別に、友達になっても良いなと思った。


「初めまして。僕はカラリウ。君は?」

「シャナよ。初めまして。何から話せばいいかしら?」

「・・・…あははっははははっ。い、いや、す、すまない。あまりにも面白かったものだから、つい」


前言撤回。こんな狂った人とは友達になりたくない。あたしがしゃべったのはごく普通のことだと思うのに。

 あたしが怪訝そうににらんだことに気づいたらしい。


「さっき君のお姉さんと話したんだが、君のお姉さんとあまりにも性格が違うから、つい。許してくれないか?」


そう弁解してきた。許したいんだけど、ねぇ


「あたしとマリヤは双子ですし、どっちかっていうとあたしのほうが年長なんですよ?」

「わかった。君と、君の妹の性格の違いはほんとに激しいな」

「分かってくれたなら良いんです。で、何を話せば?」

「うーん、君の好きなことで良いよ」


何がいいかな? あたしの好きなことといえば音楽と読書、それに経済学と数学ぐらいだけれど。カラリウが一番知ってそうなのは音楽と経済学よね。


「それじゃあ、音楽の話をしません? カラリウ」

「ぐっ……。分かった。誰の話をするんだ?」

「え、作曲家のほうがいいの? あたしは楽器の話したかったのに」



 一時間ほど話し込んだ後、


「あ! 母上との話に遅れる!! どうしよう」

「どんな話?」

「今日の面談についてだ。君はもう帰ってくれていいよ」


外を見れば、もう夕暮れ時。


「そうね。帰らなくっちゃ」


唐突に面談は終わった。思ってたより面白い人みたい。いい友達になれそうで良かった。


*     *     *     *     *     *


「で、今日のお二人はどんな感じだったの? (わたくし)との大事なお話に遅れるだなんて、さぞかし楽しかったんでしょう」

「ええ。二人ともいい子でした。マリヤという子は素直で、家庭的な感じがしました。シャナは、あまり遠慮がありませんでしたが、音楽の楽しい時間を共に過ごせました」


いきなり女の子に合わせるのは失敗だったかしら。少し舞い上がってるわね。

王妃はそう静かに分析した。

字数が壊滅的

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