14、ナシアとマリヤ
だだっ広い公堂には私とナシア・ブルックリンさん、そしてリュアが残されていた。
「ねぇ、マリヤさん? 私もあなたとお話ししたいわ。いまからお部屋にうかがっても?」
ナシアさん、が私に唐突に話しかけてきた。
いきなり「お話がしたいわ」なんてちょっと失礼な人。シャナと仲良くしたいとか言ってたけれど、シャナがもっと礼儀悪くなりそうで心配だな。 口調は綺麗だから参考にしたいと思うけれど……いつかカラリウ様の妻となったときのためにね。って、えぇ!? 私、なに考えてるの?
「マリヤさん、なに呆けてらっしゃるんですか? 貴女は頭が弱そうですわね。妹さんとは違って」
「そうですか? シャナは妹じゃなくて姉ですすけれど」
ナシアさんの顔が歪み、少し紅潮する。あぁ、怒らせちゃったかしら……。
なんだか私、少しシャナに似てきたみたい。気を付けなくちゃ。
「なっ……! ぅ、煩いわねぇ。これだから田舎者は困るのよ。特に貴女みたいな方は田舎感がすごいし」
「し、静かにしてください! 田舎の何が悪いんですか? 貴女のような人がいないだけ田舎は良いですよ。私、自分勝手な方は大嫌いなんです!」
考えるより先に言葉が飛び出しちゃった。しかも声なんか震えてて情けない。
「やぁだ、そんなに怖がっちゃって。意気地無しなのかしら? 可哀想に」
わ、私だってこんな人やシャナたちに負けたりなんかしない、できるもん!!
「あなたのほうがよっぽど卑怯で意気地がないですよ。これだから権力のある自分勝手な人は……」
「これだから田舎者の分からず屋は……」
「困るんです!」
「困るのよ!」
私とナシアさんの声が部屋にきんきん響く。なんだか気恥ずかしい。
「ねぇ、二人ともー。部屋行かないのぉ?」
そんな私たちを見兼ねたのかリュアが声をかけてくる。
「あら、そうでしたわ。でもこの娘のせいでやる気が薄れましたわね」
「へぇー、そうなんですかぁ」
「ええ、ごきげんよう」
そう一言言い捨てるとナシアさんは悠然と去っていった。
あの人、なんだっていうの? 何様のつもりなのかしら? いちいち偉そうにして本当に嫌。
私は心のなかで毒づいた。
半年ぶりの投稿なので作風が変わったかもしれません。
申し訳ない……。
また間が空くと思いますが、よろしくお願いします。半年も空くとは思いませんが。




