11、花嫁候補たち
新キャラ登場。
あたしは一人、桜草の間で考え事をしていた。昨日のは何だったんだろうって。結局昨日、あれからマリヤは起きなかったし……。姉として本当に心配。今までの十三年間でマリヤがあんなふうになったの見たことない。
朝日が丸窓から差し込んでいる。けれど、もうすぐそれも終わるだろう。だってもう十時だもの。早く、マリヤ起きないかな?
そう思ったとき。
「今日はみなさんで交流していただきたいと思います。素早く講堂に集まってください」
王妃様による宮殿放送が流れた。講堂は遠いから早くいかないとダメ、でもマリヤも起こさないとダメ。……起きたマリヤがまたああだったらどうしよう。まあ、マリヤだから大丈夫か!
「マリヤ、起きて」
「んん? あ! おはよう、シャナ」
軽くゆするとすぐに起きたマリヤ。その顔に昨日の狂気は全く見られない。
「ねぇねぇ、マリヤ。さっき宮殿放送で講堂に来いって行ってた」
「え!? うそっ、早く行かないとじゃない」
マリヤがものすごく速い支度を終えた。いつものことだけど、やっぱりすごい。そう思ってるとマリヤが申し訳なさそうに話しかけてきた。
「昨日の記憶、無いんだけど。シャナにすごい悪いことした気がするの。ごめんね」
「良いよ、別にー」
逆に忘れててよかったよ。その思いは胸に秘めておくけど。
講堂には先客が三人いた。気の強そうな人二人と、……リュア!? あたしはリュアに駆け寄った。
「リュア、リュア! 何でここにいるの?」
リュアはぽかんとした表情であたしを見つめてくる。え、なんか悪いことした?
「リュイのことを言ってるんですか? リュイはリュイですよ。後、お静かにね」
どういうこと? 今度は逆にあたしがぽかんとしてしまう。
「なんだか私も良く分からないんだけれど、いとこのリュイちゃんになりかわってきてるらしいわよ」
「そういうことかー」
マリヤの説明にすっかり納得するあたし。マリヤはもう大丈夫みたい。
あ、気の強そうな二人がやってきた。
「ご機嫌麗しゅう、皆さん? 私達抜きで何をなさってらっしゃるの?」
「そうですわよ?」
うわー。この人たち嫌いかも。特に後の人。
「あたしたち、近くの村に出身で元から知り合いだったんですよ」
「へー、田舎っ――何ですかナシア様?」
後の人があたしたちのことを「田舎」って言おうとしてたみたいだけど、前の人がひそひそ声で止めてくれてる。ナシアって名前みたい。ナシア、意外といい人。
「シャナっていうんでしょう? あなた。私あなたと仲良くしたいのよ。だから、敵にならないでね?」
「そうですわよ」
どういう意味なのかな。花嫁になるなってこと?
「え、どういう意味なの?」
あたしがそういった時、カラリウがやってきた。いつの間にか見てたらしい。
そして、カラリウは口を開いた